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東大で自動運転の研究しながら棋士も…吉本入りした谷合廣紀四段 “二刀流” のコツは「どっちも楽しむ」

エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2022.08.13 19:00 最終更新日:2022.08.13 19:01

東大で自動運転の研究しながら棋士も…吉本入りした谷合廣紀四段 “二刀流” のコツは「どっちも楽しむ」

2021年10月21日、学士会館での講演で(写真・松本博文)

 

 将棋谷合廣紀四段(28)が吉本興業とマネジメント契約を結んだことが、8月12日、YouTubeチャンネル「よしもと将棋芸人 と金チャンネル」で発表された。プロ棋士が吉本興業に所属することは初めて。「芸人さんが将棋界を広げてくださっていることに感銘を受けて、こういうところでどんどん将棋の裾野を広げていくのが大事」と思い、吉本興業に入ることを決めたという。

 

 

 谷合四段は、アマ有段者の祖父に教わり、6歳から将棋を始めた。中学1年で棋士養成機関の「奨励会」に入り、東大工学部に進学。2020年に四段昇段、プロ棋士となった。東大出身のプロ棋士は片上大輔七段(40)に続いて2人めだ。現在は、東大大学院の博士課程でAIを研究しており、棋士との “二刀流” 生活を送っている。将棋ソフト開発にも従事し、自ら開発したソフトで5月に開かれた世界コンピュータ将棋選手権にも出場した。

 

 東大将棋部の先輩で、谷合四段にインタビューしてきたライターの松本博文氏が語る。

 

「谷合さんは、将棋部の同期が吉本興業に勤めていることがきっかけで入所しました。吉本興業東京所属の将棋を愛する芸人さんたちの部活にも顔を出して、『特別顧問』に就任していましたね。文化人枠なので、お笑いとは関係がありません」

 

 将棋と研究の二足の草鞋。両立はするのだろうか。

 

「谷合さんは高校の終わりから難関の『三段リーグ』に在籍しています。コンスタントに好成績をあげながら、なかなかあと一歩が届かず、プロとなる四段に上がれずに苦労していました。将棋と学業の両立は難しいようにも見えましたが、谷合さん自身は、むしろそういうスタンスが好きなようです。

 

 棋士になったあとも、興味があり楽しいと感じたことにはすぐ参加して、どこでも一定の成果をあげている。万能の天才型であり、人生をエンジョイしているように見えますね。卒論と修論の時期は『全然将棋に時間使えないな』と思ったそうですが、それ以外は特に困ったことはないと話していました。

 

 面白かったのは、大学のセンター試験と三段リーグの日程が奇跡的にかぶらず、無事に受験できたという話です。その前年はちょうど重なっているんです。もし重なっていたら、『追試』を打診するつもりだったそうです(笑)」

 

 小学校のときに公文をやり、当時すでに高校レベルに達していたという。幼いころから算数、数学が得意だった谷合四段は、大学で情報工学者として、自動車事故を減らすための自動運転を研究する。『Pythonで理解する統計解析の基礎』というプログラミングの専門書も出版している。

 

「現在は、ドライバーを撮影し、ドライバーになにか異変が起こるとコンピューターが車を止めるといった運転事故防止技術の開発に携わっているそうです。技術者の発掘・育成のためのプロジェクト『第1回自動運転AIチャレンジ』にチームとして出場し、優勝もしています。

 

 ただ、もともと研究室の第一希望は、強豪の将棋ソフト『激指』を開発した鶴岡慶雅・東大大学院工学系研究科教授の『鶴岡研』だったそうです。2022年の世界コンピュータ将棋選手権には将棋プログラムの開発者として参加。ハイレベルの争いのなか、あともう少しで決勝トーナメントというところまで勝ち進みました。『独創賞』も受賞しています」

 

 将棋と学問という二物を与えられた天才。子供のころは何かにハマるとずっと一直線で、土日は道場で朝から晩まで将棋を指したという。2020年3月に配信された、中倉彰子女流二段(45)が主宰する「いつつ将棋教室」のオンライン講座では、「将棋と学業を両立させるコツ」について子供から質問され、「どっちも楽しむこと」と答えている。

 

 今後の活躍が楽しみだ。

 

写真・松本博文

 

( SmartFLASH )

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