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綾野剛『オールドルーキー』次回予告に見えた「嵐の前兆」反町隆史の真意を推測してみた

エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2022.08.21 11:00 最終更新日:2022.08.21 11:00

綾野剛『オールドルーキー』次回予告に見えた「嵐の前兆」反町隆史の真意を推測してみた

 

 綾野剛主演の日曜劇場『オールドルーキー』(TBS系)。大きな波乱もなく凪だった先週放送の第7話から一転、今夜放送の第8話は、嵐の前触れのような不穏な気配がびんびんだ。

 

 かつて日本代表として活躍していた元サッカー選手・新町亮太郎(綾野)のセカンドキャリアを描いた物語。37歳で現役を引退し、職探しが難航していたところ、スポーツマネージメント会社「ビクトリー」社長・高柳雅史(反町隆史)に拾ってもらい、アスリートの代理人やマネージメントといった裏方業務で奮闘する。

 

 

 第1話から第7話までの世帯平均視聴率(※ビデオリサーチ調べ/関東地区)は11.2%、11.2%、10.8%、10.0%、10.6%、9.5%、10.3%と推移。第6話で一桁台に陥落したものの、すぐに二桁復帰させるあたりはさすが日曜劇場作品と言えるだろう。

 

 しかし、批判したいわけではないのだが、二桁復帰した第7話は凪回だったと感じた。

 

■乗り越える壁がなく、ハラハラ感が薄い第7話

 

 第7話はパラリンピックを目指す車いすテニス選手をマネージメントするという展開。新町と同僚の深沢塔子(芳根京子)、梅屋敷聡太(増田貴久)の尽力により、難航していたスポンサーを獲得でき、競技用の車いすメーカーとの問題も解決。選手が国際大会で大健闘してハッピーエンドとなった。

 

 物語開始当初こそ新町のことを認めていなかった塔子だが、第7話の時点ではすっかり新町の熱意や誠実さに感化され、信頼を置いている。ビジネスライクで斜に構えて憎まれ口を叩いていた梅屋敷も、新町の影響もあって仕事に情熱をもって取り組むようになっていた。

 

 社内がチーム一丸となっている様子で、要するに社内のメンバーはもう全員新町の仲間になっている状態だ。新町は車いすテニス選手が抱える問題を解決していくのだが、主人公と対立するようなキャラがいないため、特に波乱はない凪状態だったわけである。

 

 面白くなかったわけではないが、乗り越えるべき壁がなく、ハラハラ感が薄かった。

 

■今夜放送の第8話は、嵐の予兆が垣間見えて…

 

 とは言え、第7話のラストから第8話の予告映像は、嵐の予兆が垣間見え、引きつけるものがあった。

 

 第7話のラスト、仕事が成功したことに機嫌をよくし、新町のモノマネをして明るくはしゃぐ梅屋敷。それを見ていた社長秘書・真崎かほり(岡崎紗絵)が、梅屋敷の変貌ぶりに笑顔を見せていると、社長・高柳は「新町君の影響か?」と怪訝な表情。

 

 真崎が「それはいいことじゃ?」と問いかけると、高柳は「そうかな……」と意味深につぶやくのだった。

 

 さらに第8話の予告映像では、塔子が高柳に「アスリートの気持ちを一番に考えることがスポーツマネージメントの基本ですよね!?」と噛みつき、それに対し高柳はバンッと机を叩き、「君は私のやり方が不満なのか?」と一喝するシーンも。

 

 ――社員たちの “新町信者” 化。高柳が懸念していたのは、コレなのだろう。

 

 新町は自身が元トップアスリートだけあり、マネージメントする際も徹底的にアスリートの気持ちに寄り添い、その情熱と泥臭い努力で結果を出してきた。そして、塔子や梅屋敷は、そんな新町に感化され、気づかぬうちに “新町信者” と化している。

 

 しかし、これまでの新町の実績は、うがった見方をすれば結果論でしかない。たまたま黒字化できたようだが、アスリートファーストすぎる新町のスタンスでは、かけた時間と労力に対して利益がほとんど得られず、人件費だけかさんで大赤字になることもあるはず。

 

 高柳も、もちろんアスリートのことを考えているが、当たり前だがボランティアではなくビジネスとしてやっている。社員たちを食べさせていかなければならない社長の立場で考えると、採算度外視になりがちな “新町教” が社員たちに広まることは警戒すべきなのだ。

 

■“新町信者” 芳根京子がきれいごとで大暴走?

 

 スポーツマネージメント業において、アスリートファーストは理想であり、ある種の建前であることを、高柳は十分理解しているのだろう。できるだけアスリートのことを考えつつ、利益を確保するため、ときとしてマネーファーストにならざるをえないのが現実だろう。

 

 もし、社員全員が絶対的アスリートファーストの “新町教” のスタンスで仕事をしたら、「ビクトリー」という会社は潰れてしまうかもしれない。そうなれば、アスリートのサポートができなくなって本末転倒だ。

 

 今夜放送の第8話は、社長・高柳と “新町信者” 塔子の対立が描かれるようだが、それはおそらく、大一番の前の前哨戦のようなもの。クライマックスに向けた今後の展開に注目だ。

 

堺屋大地
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。これまで『女子SPA!』『スゴ得』『IN LIFE』などで恋愛コラムを連載。現在は『文春オンライン』『週刊女性PRIME』『日刊SPA!』などに寄稿中

 

( SmartFLASH )

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