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『ユニコーンに乗って』最終話ラスト2秒、永野芽郁の神演技が秀逸すぎた【ネタバレあり】

エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2022.09.07 15:20 最終更新日:2022.09.07 15:21

『ユニコーンに乗って』最終話ラスト2秒、永野芽郁の神演技が秀逸すぎた【ネタバレあり】

 

“終わりよければすべてよし” とまでは言わないが、最終話の本当に最後の最後……ラスト2秒が実に素晴らしかった。

 

 9月6日に最終話(第10話)が放送された永野芽郁主演の『ユニコーンに乗って』(TBS系)。

 

 本作は、自ら起業した教育系企業「ドリームポニー」のCEOを務める26歳の成川佐奈(永野)が主人公。貧しい家庭に育った佐奈は「すべての人が平等に学べる場所を作る」という理念を掲げ、自社を “ユニコーン企業”(設立10年以内に評価額10億ドル以上の非上場ベンチャー企業)にすることを目指す。

 

 

 そして、佐奈とともに「ドリームポニー」を立ち上げた創業メンバー・須崎功(杉野遥亮)は、彼女に恋心を抱いており、一方で佐奈は新入社員として入社してきた中年サラリーマン・小鳥智志(西島秀俊)に惹かれていき――という仕事恋愛を描いた物語だ。

 

■【ネタバレあり】全方位で幸せラッシュなエンディング

 

 ラスト2秒に何が起こったかをお話しする前に、まずはネタバレありで最終話をざっくり振り返っていこう。

 

 結論から言うと、それまでに紆余曲折あったが「ドリームポニー」の事業は軌道に乗ってうまくいきはじめ、功が会社を去ったことでお互いにようやく素直になれた佐奈と功は、晴れて恋人同士になるというハッピーエンド。

 

 さらに終盤で、大手通信会社CEOの羽田早智(広末涼子)と小鳥がプライベートで仲を深める様子が描かれたり、会社の主要メンバーの栗木次郎(前原滉)と夏井恵実(青山テルマ)が急にカップルになったりと、全方位で幸せラッシュなエンディングとなった。

 

 ドラマ開始当初から中盤回ぐらいまで、佐奈の恋愛において “当て馬” っぽい演出が多かった功が、実は本命だったという着地はよかった。

 

 恋愛の形は自由であっていいと思うが、個人的に20歳以上の年齢差がある佐奈とアラフィフ小鳥の恋愛展開は見たくなかったので、ホッとしたというのも正直な感想。

 

 ただ、重箱の隅をつつくようだが、強引な演出に辟易とする場面も……。

 

 功に会うため、佐奈が走って追いかけ、高速バスに乗り込む彼に「功ぉ!」と呼びかけるも気づかれず、ドアが閉まって会えずじまいというシーンがあった。

 

 激走までしたヒロインの願いが叶わなかったことを切なげに演出するのだが、功はただ地方に短期出張に行っただけ。数カ月とか数年会えないみたいな状況ではない。実際、場面が変わって2人はすぐに再会して、想いを伝え合って付き合うことになった。

 

 最終回の恋愛パートを盛り上げたいという意図なのはわかるが、地方出張するだけの男と会えなかったぐらいで、あんな悲しい空気感を漂わせるのは大仰すぎやしないか。

 

■ラスト2秒で “素晴らしいドラマだった” ような印象に

 

 そんなこんなの最終話だったのだが、冒頭でお伝えしたラスト2秒の神演技についてお伝えしたい。

 

 デートで公園を仲睦まじく歩く佐奈と功が本作の最終シーン。ラスト5秒ほどで手を繋いで歩く2人を遠目から映すバックショットに切り替わり、本当にもう終了間際のラスト2秒で、佐奈が功の顔を見て「ふふふ」と笑う声が入り、終幕。

 

 この佐奈演じた永野の「ふふふ」がとても自然体な雰囲気で絶妙だったのである。

 

 永野のアドリブというより、永野自身が素で笑っただけなのではと思わせるほど、とにかくナチュラル。

 

 その永野の神演技を、ラスト2秒で採用した制作陣の神演出とも言えるかもしれないが、いずれにしても最後にヒロインの「ふふふ」という幸せそうな声で終幕させたのはグッジョブ。

 

 本作の世帯平均視聴率(※ビデオリサーチ調べ/関東地区)は第1話から最終話まで8.7%、8.3%、7.8%、8.2%、7.8%、7.0%、7.5%、8.2%、7.6%、8.7%と微妙な数字で推移。

 

 もちろん今のご時世に視聴率だけでヒットか否かを判断するのはナンセンスだが、世間的にも本作の話題がそこまで盛り上がっていたとは思えないので、ヒット作とは言いがたいだろう。筆者もこのドラマにハマッたかというと、答えは「NO」である。

 

 とは言え、最後の「ふふふ」に主人公のこれまでの想い、そして幸せな未来に馳せる想いが凝縮されているようで、視聴者を素敵な余韻に浸らせてくれた。そのおかげで、なんとなく “素晴らしいドラマだった” ような印象に変わったのだ。

 

“終わりよければすべてよし” はさすがに過剰表現だが、やはり終わり方はとても重要なのだと思い知らされたラスト2秒だった。

 

堺屋大地
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。これまで『女子SPA!』『スゴ得』『IN LIFE』などで恋愛コラムを連載。現在は『文春オンライン』『週刊女性PRIME』『日刊SPA!』などに寄稿中

( SmartFLASH )

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