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飯豊まりえ、オーディションを勝ち抜きアニメのヒロインに 「目標に向かって作業するのが人生の醍醐味」
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2022.09.09 06:00 最終更新日:2022.09.09 06:00
「地道に目の前のことをやってきたから今があると思います」と語るのは、『ちむどんどん』(NHK)や『オクトー~感情捜査官 心野朱梨~』(読売テレビ)などのドラマや映画で幅広い役をこなして多くの人を魅了している飯豊まりえ。
2008年にデビューをしてから14年、女優だけではなく、モデルやMCなどジャンルを超えて活躍している。
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「デビューのきっかけは家族の一緒の時間を作りたかったんです。お仕事をすると両親が付き添ってくれて一緒に外に行けると。みんなが一緒になって楽しい生活が送れると思いました。
今振り返ると喜んでくれたよりも大変な思いを沢山させてしまったなと思っていますが(笑)」
最初は反対していた両親だが、母親の協力のもと、仕事に打ち込むように。
「子供の頃はずっと送り迎えをしてくれたので、両親の応援がなかったら続けられなかったと思います。私の夢に付き合ってもらう形になったのですが、家族一丸、ひとつのチームになったような感覚でした」
雑誌のモデルとして活躍する中、13歳で女優としてデビュー。また情報番組に出演するなど、10代のころから活動の場を模索していく。
「子供の頃から芸能界にいるので、同世代が華々しく活躍しているのも見てきましたし、自分はきっと人よりもいろんなことに時間がかかるタイプだと分かっていきました。
今どんな仕事に対しても真っ直ぐに向き合えて楽しめるのは、昔からの経験があったからこそ。どんなことでもやってよかったと思います」
『ちむどんどん』でヒロインの相手役の婚約者を演じたことは記憶に新しいが、2022年に入って、『恋なんて、本気でやってどうするの?』(フジテレビ)、『オクトー~感情捜査官 心野朱梨~』と立て続けにドラマに出演。
「お芝居を初めてしたのは舞台。駅前でチケットの手売りをしたりするなど大変だったんですが、そのお芝居がすごく楽しくて。当時は内気な性格だったのですが、舞台が終わって、自分からお芝居をやってみたいと声を上げました。
やっぱり、自分じゃない人を演じるのが面白かったんですよ。普段とは違うことをすることで、自分自身が豊かになる気がして。その気持ちは今も変わっていないです」
彼女は9月9日公開のアニメーション映画『夏へのトンネル、さよならの出口』でヒロイン・花城あんずの声を担当する。本作は“ウラシマトンネル”という欲しいものがなんでも手に入るといわれるトンネルを見つけようとする高校生の物語だ。
「あんずは、自分は何者なのかと自問自答している女の子ですが、その気持ちはすごく分かります。あの年代の頃は、夢に向かっているけど自信はないですから。私も、あんずのように“特別な才能”を欲しかったです。
でも、それって“ウラシマトンネル”とか誰かから与えられるモノではないんですよ。経験の積み重ねが自信に変えていくので。夢に向かって、こうしようかな? こっちがいいかな?と考えるプロセス自体が魅力的だと思うんですよね。
もちろん夢を達成できるのはステキだと思うのですが、私はその目標に向かっていく作業のようなことを飛ばしたくない。それが人生の醍醐味な感じがします」
今作で2度目となる劇場アニメーションの声優。あんず役はオーディションで決定した。
「スマートフォンのボイスレコーダーから始まってスタジオで声録りするまで何回もオーディションがあって、その度、この役を演じたいと思うようになりました。だから決まった時は本当にうれしかったです。
実際の収録では、原作はありますがアニメーションになるのは初めての作品なので、一緒に作っているような自由な雰囲気も現場にはあって。それも楽しかったです。
集中力が続くように甘い物を食べたり、ろれつが回るように温かい飲み物を摂るなど工夫をしました」
あんずと共に“ウラシマトンネル”を探す塔野カオル役は鈴鹿央士が担当。俳優同士で掛け合いも多かったため同時に録音した。
「私は声優さんのようなテクニカルな技術はないので、普段、ドラマや映画でお芝居させていただくプロセスで演じさせていただきました。とくに今回は鈴鹿さんが相手役だったこともあり、気負わずナチュラルなお芝居を意識しています。
役者同士が演じたこうなるのかな?という視点で楽しんでもらえたらうれしいです」
あんずは頭脳明晰だが同級生とのコミュニケーションが得意ではない女の子。対して飯豊は常に笑顔があふれていて、人とコミュニケーションをとるのは得意な様子。
「子供の頃から大人の世界にいたこともあり、コミュニケーションをとるのは得意なほうかも。お芝居で自分ではない人物を演じるということもあり、普段からこの人はなんでこの言葉を言っているのかをよく考えたりします。
また、何かに興味を持っている姿を見ると声をかけたくなります。私が知らないことを知れるチャンスでもありますから。いろんなことを教えてもらえるのは楽しいです」
ドラマ、映画、バラエティー、モデルと大忙しの彼女。「休みの日に糠床をかき混ぜているときがリフレッシュするとき」だとか。
「発酵に興味を持っている友達が多く、毎年、味噌作りをしていたんですよ。その友達から糠床をもらって。やり始めたらものすごく楽しいです。
まだ1年くらいですが、いろんなモノを漬けています。ちなみに最近漬けて美味しかったのはカマンベールチーズ。発酵したものに発酵を重ねたらどうなるのか?と思って漬けたら当たりで! まろやかな味わいですごく美味しかったです。
いい菌をお腹に入れて、元気に毎日を過ごしていきたいです」
いいとよまりえ
1998年1月5日生まれ 千葉県出身 ジュニアモデルとしてティーン誌で活躍。2012年の女優デビュー後、数多くのドラマ・映画に出演。『岸部露伴は動かない』(NHK総合)など話題作に出演するなど活躍している。9月9日よりヒロインの声を担当したアニメ映画『夏へのトンネル、さよならの出口』が公開される。
写真・木村哲夫
ヘアメイク・本岡明浩
スタイリスト・有本祐輔(7回の裏)
( SmartFLASH )