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『競争の番人』坂口健太郎のラスボス痛快撃破も最低視聴率…月9ブランドが再び低迷期に逆戻りか【ネタバレあり】

エンタメ・アイドル 投稿日:2022.09.19 11:00FLASH編集部

『競争の番人』坂口健太郎のラスボス痛快撃破も最低視聴率…月9ブランドが再び低迷期に逆戻りか【ネタバレあり】

 

 痛快な逆転劇でラスボスを撃破したクライマックス回――だったのに、先週放送の第10話は本作の最低視聴率を更新してしまった。

 

 フジテレビが誇る看板枠「月9」で、坂口健太郎ダブル主演を務める『競争の番人』(フジテレビ系)のことだ。

 

 独占禁止法に関わる違反行為を取り締まる行政機関「公正取引委員会(公取委)」の面々の活躍を描いたドラマ。

 

 

 第1話は期待値が高かったのだろう、世帯平均視聴率(※ビデオリサーチ調べ/関東地区、以下同)が11.8%と好スタートだったが、第2話は約3%も急落して8.9%。

 

 その後も第3話9.4%、第4話9.4%、第5話8.0%、第6話8.1%、第7話8.0%、第8話8.0%と推移。先々週放送の第9話で9.8%と二桁に肉薄し、クライマックス回である先週放送の第10話で二桁復帰の期待が大きかったのだが……蓋を開けてみれば、7.3%と本作の最低視聴率を更新する憂き目に。

 

■【ネタバレあり】主人公の性格の悪さが最高

 

 フジテレビのショックは相当なものではないだろうか。

 

 リアルタイム視聴を計測する視聴率自体が、今の時代もはや絶対的な指標でないのは重々承知のうえだが、その番組の人気を測るモノサシとしては、今でも信頼できる数字である。第1話の11.8%から第10話の7.3%は4.5%も開きがあり、初回と比べると3分の1以上も減っているわけで、これは看過できない。

 

 とは言え、第10話は非常に見応えがあって面白かった。

 

 ざっくり解説すると、坂口演じる公取委の審査官・小勝負勉の因縁の相手として描かれてきた、国土交通省の事務次官・藤堂清正(小日向文世)による大規模な再開発プロジェクトの談合を暴き、打ち負かすというエピソード。要するにラスボス撃破回であり、最終回でもおかしくないような盛り上がりを見せていた。

 

 最高に爽快だったのは、小勝負が一芝居打っていたシーン。

 

 藤堂に対して小勝負は「けっきょく談合場所を見つけることはできませんでした。俺たちの負けです」と潔く敗北を認め、談合場所を教えてほしいと土下座までして「お願いします、東堂さん!」と懇願する。だが、東堂は「見苦しい、もう遅いんだよ、談合はすでに終わっている」と無下に拒む。

 

 しかし、実は小勝負たちは談合の場所を突き止めており、この時点ですでに仲間が談合現場に踏み込んで参加メンバーを取り押さえ済み。ふだんは飄々としている天才タイプの小勝負が泥臭く土下座までしたのは、東堂を騙して「談合はすでに終わっている」という言質を取るための演技だったわけだ。

 

 とにもかくにも、東堂が口を滑らせた直後や検察に連れていかれる際の、小勝負のニタニタしたいやらしい笑顔がたまらなかった。

 

 一応断わっておくと、これは最上級の賛辞。小勝負の “悪さ” が出れば出るほど、ハメられた藤堂の滑稽さが際立つからである。主人公のひねくれた性格を見事に表現した坂口の演技が素晴らしかった。

 

 ……と、このように間違いなく本作の最大の山場だった第10話は、最終回でもおかしくない盛り上がりで、最高視聴率も期待できたはずなのに、現実は過去最低の7.3%。せっかく復権してきていた月9ブランドが、また低迷期に逆戻りしかねない結果となった。

 

■過去の月9とも今年の月9とも既視感あり

 

『競争の番人』は今夜放送の第11話が最終回。ラスボスはもう倒したため、どんなエピソードになるのか。

 

 小勝負は第10話のラストで、許可を得ずに無理な調査をした責任を取らされ、愛媛に異動させられていた。

 

 型破りな主人公がラストで地方に飛ばされるというのは、月9作品ではたびたびあるパターンで既視感ありまくり。古くは2001年の『HERO』(フジテレビ系)で木村拓哉演じる主人公が沖縄の石垣島に飛ばされていたし、昨年の『イチケイのカラス』(フジテレビ系)でも竹野内豊演じる主人公が熊本に飛ばされていた。

 

 ただ『HERO』と『イチケイのカラス』は最終話のラストで飛ばされていたため、その地方での活躍は描かれなかったが、この2作品とは違って『競争の番人』では最終回で愛媛でのエピソードが描かれる模様。

 

 けれど、『競争の番人』の最終回が斬新かというとそうでもなく、実はここ最近の月9作品の最終回の傾向を踏襲しているのだ。

 

 今年1月期の月9作品である『ミステリと言う勿れ』は、最終回で主人公が遭遇したのはこじんまりしたエピソードだった。今年4月期の『元彼の遺言状』も、最終回1話前に最大の事件が解決しており、最終回は後日譚的に複数の小さな事件が描かれた。

 

 従来のセオリーで言えば、最終回で最大の山場となるエピソードを持ってきたものだが、個人的には小規模な事件や後日譚的な物語で締める最終回は嫌いではない。だが、最終回には最高潮の盛り上がりを期待するドラマファンからすると、肩透かしを食ったような気分になるだろう。

 

 ラスボス撃破という高視聴率が期待できた回で最低視聴率を叩き出してしまったとなると、今夜放送の最終回はさらに下回り、最低視聴率でフィニッシュなんて可能性もなきにしもあらず……。そういう意味でも注目の最終回と言えるかもしれない。

 

堺屋大地
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。これまで『女子SPA!』『スゴ得』『IN LIFE』などで恋愛コラムを連載。現在は『文春オンライン』『週刊女性PRIME』『日刊SPA!』などに寄稿中

( SmartFLASH )

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