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平野紫耀『クロサギ』親の仇との直接対決がイマイチ盛り上がらなかった2つの理由

エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2022.11.18 11:00 最終更新日:2022.11.18 11:00

平野紫耀『クロサギ』親の仇との直接対決がイマイチ盛り上がらなかった2つの理由

 

 親を騙した復讐相手との直接対決。こんなストーリーが盛り上がるはずの回で、いまいちグリップ力が弱いと感じたのは筆者だけだろうか?

 

 King & Prince・平野紫耀主演のドラマ『クロサギ』(TBS系)は、プロの詐欺師である通称・シロサギをターゲットにして騙す詐欺師、通称・クロサギの黒崎高志郎が主人公。

 

 

 黒崎は、実父が詐欺被害にあったことで一家心中事件を起こし、当時15歳だった彼だけが一命を取りとめたという凄惨な過去を持っている。そのため、「この世のシロサギを全て喰い尽くす」ことを目的に生きている。

 

 先週金曜放送の第4話は、父を詐欺のカモにした張本人であるシロサギ・御木本(坂東彌十郎)との直接対決。黒崎が御木本から12億円を騙し取り、みごと勝利した。

 

 御木本が上海に逃亡したので、完全決着はまだついておらず、今夜放送の第5話で再びぶつかるようだが、第4話もカタルシスが十分得られる回になるはずだったと思う。確かにそこそこ面白かったし、ある程度スッキリしたのだが、個人的にグイグイと引き込まれるほどの感覚はなかった。

 

 その原因は2つあると考える。

 

■“勝利の方程式” がだいたいいつも同じで、ワンパターン

 

 1つめの原因と考えられるのは、“勝利の方程式” がだいたいいつも同じであること。

 

 対決相手のシロサギより黒崎が一枚上手という構図で、黒崎がシロサギに近づいて罠にハメ、巨額を奪い取る。最後に黒崎が飄々とした態度でシロサギをあざ笑うかのように、「○億円、ごちそうさまでした」という決めゼリフでフィニッシュ。

 

 第4話の宿敵・御木本との対決もこのパターンだった。

 

 こういった毎回お決まりの展開が必ずしも悪いとは言わないし、『水戸黄門』のように “偉大なるマンネリ” になれば、むしろ視聴者はそのお約束を求めるようになるとは思う。

 

 だが『クロサギ』の場合、“偉大なるマンネリ” になる前に、なんだかこのパターンに飽きてしまったのだ。

 

 平野の演技のバリエーションがやや乏しかったり、重厚感がなかったりするのが原因かもしれない。第1話を観たときは、そのお決まりの展開を毎週楽しめるドラマになる予感がしたのだが、第4話まで観て、もうそのワンパターンにお腹いっぱいな気分になっている。

 

■親の仇はただの “中ボス”…第3話の演出が水を差した?

 

 2つめの原因と考えられるのは、父を騙した復讐相手である御木本が、ラスボスではなく “中ボス” だということが早い段階で明示されていたこと。

 

 黒崎に詐欺のテクニックを教えた詐欺業界のフィクサー・桂木敏夫(三浦友和)というキャラクターがいる。黒崎が「親爺」と呼ぶ師匠的存在だが、第1話の時点で桂木が裏で御木本とつながっており、黒崎の父が騙された詐欺の手口を考案したのが桂木だったことが明かされていた。

 

 さらに、第3話では桂木と御木本が釣り堀で密会するシーンがあったのだが、会話の内容や口調から桂木が御木本より “上” であることが明確に示されたのだ。桂木に釣り竿で首元をペシペシと叩かれた御木本がビビッて無言になってしまう描写もあり、御木本の小物感が漂ったほど。

 

 前述したように、第4話は直接対決だったわけだが、その前週に御木本の小物っぷりを見せられていたため、親の仇を打ち負かす回の盛り上がりに水を差した感があった。

 

 御木本を倒すまで、桂木のラスボス臭を出さずにいれば、親の仇である御木本との直接対決をもっと盛り上げられたのでは……。序盤から桂木が黒幕であることを匂わせまくっていたのは意外性のある見せ方ではあったが、それが第4話では裏目に出た気がしてならない。

 

■平野紫耀にとって最後の「日本の連ドラ」になる可能性も

 

『クロサギ』の世帯平均視聴率(※ビデオリサーチ調べ/関東地区)は第1話から第4話まで9.2%、7.3%、7.5%、6.9%と微妙な数字で推移。今期ドラマのなかでひと際注目を集める『silent』(フジテレビ系)のように、TVerの見逃し配信の再生数が大きく話題になっていることもない。

 

――現在5人組で活動しているKing & Princeだが、平野は岸優太、神宮寺勇太とともに来年5月22日にグループを脱退することが発表され、ファンに大きな衝撃を与えている。

 

 芸能界引退ということではなさそうだが、脱退理由を語った際に海外志向の強さを見せていたため、『クロサギ』が国内の連ドラの最終出演作になる可能性もあるだろう。

 

 いずれにしても、『クロサギ』が “King & Princeの平野紫耀” の代表作と言われるように、最終話まで完走してもらいたい。御木本との決着がつくであろう第5話は今夜放送だ。

 

堺屋大地
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。これまで『女子SPA!』『スゴ得』『IN LIFE』などで恋愛コラムを連載。現在は『文春オンライン』『週刊女性PRIME』『日刊SPA!』などに寄稿中

( SmartFLASH )

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