エンタメ・アイドル
櫻井翔『大病院占拠』攻めた設定や惜しみナシの展開に好印象…どこまでSNSで考察熱を煽れるか
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2023.01.21 11:00 最終更新日:2023.01.21 11:00
ちょっと映像や演出がチープだと感じる部分はあれど、作品名からしてチャレンジングなストーリーであることは明白だし、視聴者を巻き込んだムーブメントを起こそうという気概も強く感じる。
先週土曜にスタートした嵐・櫻井翔主演のサスペンスドラマ『大病院占拠』(日本テレビ系)は、謎の武装集団に病院が占拠されてしまい、主人公が解決のため奔走するストーリー。
【関連記事:櫻井翔、北川景子の私生活をサポートして…「本当の執事じゃん」と有吉弘行】
外部とのやりとりはあるものの、病院というワンシチュエーションを舞台とした事件を描く作品は、日本の連続ドラマでは非常に珍しい。また、後述するが、SNSなどで視聴者を巻き込もうという仕掛けも多く、出来のよし悪しはともかく、制作陣の意欲的な姿勢は評価できる。
■敵グループのリーダーの正体がバレバレ?
神奈川県警捜査一課の武蔵三郎(櫻井)は、とある事件をきっかけに1年前から休職しているが、もともとは高い推理力と行動力を誇る敏腕刑事。
ある日、心療内科で診察を受けるため、大病院「界星堂病院」に来たが、そのタイミングで病院が異形の鬼の仮面をつけた10人の武装集団に占拠されてしまう。鬼たちの目的はまだ不明だが、人質のなかには医師である武蔵の妻や、視察に来ていた神奈川県知事もおり、院内は混沌と化し……というのが第1話のあらすじだ。
色違いの鬼の面をかぶった武装集団10人のキャストは現時点で伏せられているが、仮面は口元が露出しているデザインで、顔のアップでは仮面の奥の瞳もうっすら見えていた。要するに勘のいい視聴者なら、鬼たちのキャストを予想できるようになっている。
視聴者に予想合戦をさせるのは制作陣が意図しているところで、番組公式SNSではハッシュタグ付きで鬼の正体を予想する投稿を呼びかけていた。
さっそく、鬼のリーダー格である青鬼がSexy Zone・菊池風磨だと断言する人が続出しており、キャスト名を伏せている意味がないのではと思うほど。
とはいえ、正体が瞬殺でバレることは制作陣もある程度織り込み済みだろうし、むしろ視聴者が掌の上で転がされている感さえある。
■考察熱を煽りつつ、出し惜しみナシの展開
本作は、鬼たちのキャスト予想以外にも、今後の展開、犯人の目的、ラストの真相などを視聴者にあれこれ考えさせ、考察ブームを巻き起こそうという狙いもあるのだろう。
この手のドラマは、仲間や善人のなかに裏切り者がいるというのはセオリーだが、第1話でさっそく怪しい人物が何人かいた。
たとえば武蔵の心療内科の主治医は、鬼たちと対話しようと勇気ある行動に出るが、人質たちの目の前で見せしめのようにあっさり射殺されてしまう。そばにいた武蔵の妻が倒れた彼に近づこうとするも、鬼たちに威嚇され触れることもできず、遺体は鬼たちによってどこかに運び出される。
この心療内科医は非常に怪しく感じた。彼が実は鬼の内通者、もしくは鬼メンバーそのもので、射殺された演技をしていただけだとしよう。この演技により、指示に従わないと殺されるという恐怖心を人質に植え付けられ、以後、人質の行動をコントロールしやすくなるという抜群の効果があったわけだ。
あくまで一例だが、本作にはこのようについつい予想したくなるようなシーンや展開が多かったので、SNSでの考察熱が高まりそうだ。
もうひとつ、スピーディな展開で出し惜しみしていない感じも好印象。第2話の予告映像には、リーダー格・青鬼が「武蔵刑事、ようやくお会いできましたね」と語りかけるシーンが挿入されていた。こういった主人公と敵の親玉の因縁を第2話でほのめかすのは早い展開と言える。
そして同じ予告映像で、武蔵がすでに病院から脱出に成功しており、警察の指揮本部に合流しているシーンも。脱出劇の要素もあるドラマとしては、このようなシーンはもう少し後でもよさそうなものだが、出し惜しみしていないのだ。
第1話の世帯平均視聴率(※ビデオリサーチ調べ/関東地区)は7.2%と微妙な数字。正直、映像や演出が安っぽいなと思える部分も多々あったが、意表を突く予想外の展開で畳みかけていけば、視聴率が右肩上がりになっていく可能性もあるだろう。
今夜放送の第2話にも期待したい。
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。これまで『女子SPA!』『スゴ得』『IN LIFE』などで恋愛コラムを連載。現在は『文春オンライン』『現代ビジネス』『集英社オンライン』『日刊SPA!』などに寄稿中
( SmartFLASH )