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『スタンドUPスタート』竜星涼のキャラ設定はイマイチなのに…加わる仲間たちの魅力で見応えUP
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2023.02.08 11:00 最終更新日:2023.02.08 11:00
暑苦しくグイグイ迫ってくる感じの主人公にはちょっと引いてしまうが、彼が手を差し伸べてきた仲間キャラたちのアクの強さはおもしろい。
先週水曜に第3話が放送された竜星涼主演の『スタンドUPスタート』(フジテレビ系)は、終盤に向かって尻上がり的に盛り上がっていきそうな物語だ。
投資会社社長で、「資産は人なり。資産を手放す投資家はいない!」という理念を掲げる自称 “人間投資家” 三星大陽(竜星)。仕事で挫折してしまった人や人生に迷っている人など、訳あり人材のポテンシャルを見抜き、スタートアップ(起業)の手伝いをして生まれ変わらせていく。
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実は、大陽は三ツ星重工社長の次男で、同社は現在、大陽の兄である三星大海(小泉孝太郎)が社長。常に冷静で理路整然としている大海は、真逆のタイプである弟・大陽を疎ましく思っている。
第3話時点では、まだそこまでバチバチに敵対しているわけではないが、今後、大陽vs大海の対立構図が明確になっていくのだろう。また2人の叔父で、三ツ星重工副社長の三星義知(反町隆史)は、表向きは大陽に友好的だが、一番腹の底が見えないタイプで、快活な笑顔がなんだか恐ろしい。
■次々と加わる仲間キャラが魅力的
個人的には、主人公・大陽にあまり魅力を感じられない。
公式サイトでは「大胆不敵で男気があり、熱く器が大きい男」と紹介されている。確かにそのとおりなのだが、物理的にも心理的にもズケズケと他人のプライベートに踏み込んでいく大陽は、ちょっとウザいし、たびたび発せられる名言風の言葉もそこまで響かない。
バイタリティにあふれているので主人公然とはしているが、要するに、よくいる熱血系なのだ。
ただ、大陽によって改心・改善したキャラたちが、どんどん仲間になっていくところは痛快。おそらく終盤ではそんな仲間たちと協力して、三ツ星重工を打倒する展開になるのだろうから、その物語の構造にはワクワクさせられる。
そして、仲間になっていく劇中のキャラクターと、それを演じる俳優の演技も秀逸。
第1話から登場している小手伸也が演じる保険会社の部長は、メガバンクから左遷された自身の境遇にイラつき、部下や家族に当たり散らして煙たがられていた。初登場のときは性格がねじ曲がったいけ好かないクソオヤジだったが、大陽が提案した起業家のサポート業にやりがいを見出し、どんどん丸くなっていく。第3話時点ではもう立派な頼れる仲間だ。
同じく第1話から登場している安達祐実演じる仕事経験ゼロだった専業主婦は、シニア向けマンション管理業でスタートアップ。旦那との絆の再生が描かれているが、シリアス演技が達者なのはもちろん、コメディ部分も担っており、本作に欠かせない存在となっている。
筆者が一番惹かれたのが、第2話に登場した野村周平演じる元パワハラ社長。飛ぶ鳥を落とす勢いで起業したイベント会社を成功させたものの、強引な経営手法と超絶パワハラが原因で倒産。自己破産してホームレスになっていたところを、敵対していた大陽に拾われた。
改心してからも根っこの口の悪さやふてぶてしさは健在で、いい具合にやさぐれている。野村の出演は現時点では第2話のみだが、今後も登場するフラグは立っている。こういう主人公にベッタリではないタイプの仲間が、ここぞというときに力になってくれる展開は胸アツなので、今後の再登場に期待したい。
また、第3話の終盤で高橋克実演じる三ツ星重工の常務が、部下の不祥事を糾弾され、責任を取らされる展開に。その常務は “三ツ星の良心” と言える存在だったのだが、社長はルールを重んじて冷徹に切ろうとしていた。これは、後に常務が大陽側についてくれるフラグだろう。
こうして回を追うごとに次々と仲間を増やしていき、今後も頼もしい戦力が加わってくれそうな予感が高まっている。
クライマックスは三ツ星社長を務める兄と、大陽のもとに集った仲間たちの総力戦になりそうだが、今は「テトリス」で言うところの、きれいにブロックを積み上げている段階だろう。終盤で積み上げたブロックがどんどん消えていくような、スッキリした快感が味わえそうな作品である。
――本作の世帯平均視聴率(※ビデオリサーチ調べ/関東地区)は第1話4.1%、第2話3.8%、第3話3.7%と低空飛行&右肩下がり。だが終盤の盛り上がりの布石として、今夜放送の第4話には期待したい。
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。これまで『女子SPA!』『スゴ得』『IN LIFE』などで恋愛コラムを連載。現在は『文春オンライン』『現代ビジネス』『集英社オンライン』『日刊SPA!』などに寄稿中
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