急にぶっ込まれた想像を上回るシリアス展開。ユルユルのコメディから一転して、なかなかの緊迫感を放っていた。
バカリズム脚本で話題を集めるヒューマンコメディ『ブラッシュアップライフ』(日本テレビ系)が、最終回に向けてかなり盛り上がってきている。
安藤サクラ演じる主人公・麻美は不慮の事故で亡くなってしまうものの、もう一度同じ人間に生まれ変わって何度も人生をやり直していくというタイムリープもの。
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先々週放送の第7話までは、地元あるあるネタが満載のシュールなコメディだったのだが、先週放送の第8話から一転。けっこう重めで衝撃的なストーリーになってきた。
ここからはネタバレありで解説していくので、第8話を未視聴の方はご注意を。
■【ネタバレあり】急にぶっ込まれたかなり重めの展開
第8話スタート時点で4周めの人生を歩んでいた麻美。
勉強に打ち込んできたせいで、1周めから3周めまで3人組の親友だった夏希(夏帆)と美穂(木南晴夏)とはあまり仲よくなれなかったものの、3周めまではただの同級生だった超優等生・真里(水川あさみ)と親友になっていた。
けれど、真里は自分も人生を何度もやり直しており、実は麻美を上回る5周めであることを突如カミングアウト。真里のタイムリープ説は多くの視聴者が予想していたことなので、そこに大きな驚きはなかったが、衝撃だったのは彼女が人生を何度もやり直している目的のほう。
真里の人生1周めでは麻美、夏希、美穂と仲よし4人組だったのだが、なんと夏希、美穂が30代のころに飛行機事故で亡くなってしまう。真里は2人を助けるために、2周めからパイロットになっているが、4周めまで失敗して救えておらず、5周めの人生を歩んでいるのだという。
親友を飛行機事故から救うという、想定外に重いストーリーをぶっ込んできたわけだ。
結論を言うと、第8話の後半で真里がパイロットを務める飛行機に夏希、美穂が搭乗するも、事故は再び起きて3人は帰らぬ人に……。真里は5周めでも2人を救えなかったのである。
その3年後、麻美もべつの事故で亡くなってしまい、今夜放送の第9話では、5周めの麻美と6周めの真里がタッグを組んで飛行機事故の阻止を目指すという展開になるようだ。
■積み上げてきたエピソードからの畳みかけがありそう
いい意味でバカバカしく、のほほんとしたシュールなコメディだったので、シリアスな急展開へと舵を切ったギャップに度肝を抜かれた。
筆者は、第6話までの仲よし3人組によるくだらない女子トークが好きだったので、このまま大事件も悲劇も起こらず、ぬる~っと最終話までいってもらいたいという気持ちもあった。
だが、連ドラとしては物語に起伏を作って、最終話に向けて盛り上げていくことは必要だろうし、実際ストーリーにグイグイ引き込まれていった。
ほのぼのコメディ路線も捨てがたいが、このシリアス路線もこれはこれでおもしろい。第7話まではあえてタイムリープでくだらない日常を描いてきたが、ここからはタイムリープものの醍醐味で魅せてくれるだろう。
それに、失敗すれば親友2人が亡くなってしまうという深刻なストーリーではあるものの、バカリズムの手腕で途中途中にギャグを織り交ぜてくれるだろうから、今後もクスッと笑えるポイントは健在のはず。
また今夜放送の第9話以降は、ここまで積み上げてきたエピソードやキャラクターとの関係性で、一気に畳みかけて来るのではないだろうか。
たとえば、麻美が1周めの人生で付き合っていたダメ人間の元彼(松坂桃李)あたりが、窮地を打破する救世主的ポジションで再登場したらおもしろそうだ。
ほかにも、麻美が徳を積むために陰でさりげなく助けて来た同級生や教師が、夏希と美穂を救出するためにグッジョブな連携をしてくれたり、実は何十周もタイムリープしているキャラがいて協力してくれたり――なんて展開も期待できる。
本作の世帯平均視聴率(※ビデオリサーチ調べ/関東地区)は第1話から第8話まで5.7%、6.3%、5.2%、6.4%、6.3%、5.9%、6.5%、6.8%と推移。地味な数字ながら第8話が最高視聴率を記録しているので、さらに伸びてくる可能性は十分ありそう。
いずれにしても、最終話では極上のカタルシスを味あわせてくれるに違いない。
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。これまで『女子SPA!』『スゴ得』『IN LIFE』などで恋愛コラムを連載。現在は『文春オンライン』『現代ビジネス』『集英社オンライン』『日刊SPA!』などに寄稿中
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