「当時、つき合っていた彼女と別れ話が進んでいて、完成したばかりのこの曲を聴かせたら『大好き!』って。これは売れるかもしれないと思った」
こう語るのは関口誠人だ。
ラジオ番組の企画で選抜された「ココナッツボーイズ」(後にC-C-Bと改名)。「次の曲がヒットしなかったら解散」という危機的状態にあった。
「僕らの統括プロデューサーは、筒美京平さんの弟さん(渡辺忠孝氏)で、バンドの方向性については完全におまかせでした。ハードロックが好きな4人と、フォークとパンクが好きな僕が、和製ビーチボーイズというコンセプトでスタート。
でも、セールスにはつながらなかった。この曲から超有名なヘアメイクとスタイリストがついて、ジャケ写のようなビジュアルになって。カジャグーグーやデュラン・デュランの影響もあってニューロマンティックサウンドになったんですね」
ドラマの主題歌に起用され、大ヒットを記録。女性ファンが急増し、アイドルバンドとして成功を収めた。
「お金が入って商店街のすべての扉が一斉に開いた感じ。女のコはキャーキャー言うし、世の中が明るく見えた。怖かったのは写真週刊誌だけ(笑)。僕がバンドを抜けた後、C-C-Bの武道館ライブを観に行ったら、渡辺さんが『お前と一緒に出たかった』と言ってた。彼は亡くなってしまったから、もうC-C-Bはできないんだよね」
<C-C-B『Romanticが止まらない』>
1985年1月25日発売
作詞:松本隆 作曲:筒美京平
●売上枚数:51.7万枚(1985年)
● ザ・ベストテン初登場:1985年3月7日7位
●最高位:1位
●連続ランクイン:9週
<カラオケ・ワンポイント・アドバイス!>
最初に歌うメンバーの役割を決めましょう。主メロにかぶるコーラスパートも重要なので意識して。サビ前の「ハイヒール」「Tonight」にはデジタルディレイが入っているので、何人かで分けて歌うと盛り上がると思います。
<関口誠人>
1959年東京都生まれ。58歳。1983年、「ココナッツボーイズ」のギター&ボーカルとしてデビュー。『スクール・ガール』『Lucky Chanceをもう一度』『空想Kiss』ほかヒット曲多数。1987年、脱退。作曲家として、中森明菜、五木ひろし、松本伊代ほか、多くのアーティストに楽曲を提供。7月16日、Acoustic Live Bar harness(東京・阿佐ヶ谷)にてライブを開催。オフィシャルブログ:https://ameblo.jp/sekiguchi-makoto/
(週刊FLASH 2017年7月18日号)