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作家・古谷経衡氏が「25万円別宅」初公開!「捨ててもいい」「来なくなっても心が痛まない」高額別荘よりストレスフリーな“2拠点生活”

エンタメ・アイドル 投稿日:2023.04.14 06:00FLASH編集部

作家・古谷経衡氏が「25万円別宅」初公開!「捨ててもいい」「来なくなっても心が痛まない」高額別荘よりストレスフリーな“2拠点生活”

古谷氏と、25万円で購入した美浦村の「別宅」

 

「すごくいい買い物をしたと思いますね。放置していても損はありませんから」

 

 土地約30坪。25万円で購入した、茨城県美浦(みほ)村に立つ軽量鉄骨造の平屋を前に笑うのは、作家で評論家の古谷経衡氏(40)。

 

 現在、同県稲敷(いなしき)市と鉾田(ほこた)市にも、それぞれ1軒。“格安不動産”を計3軒所有する。

 

 

「10年ほど前、最初に購入したのは40坪の稲敷市の土地です。数十万円で不動産って買えるんだな、と感心していたら、茨城にゴロゴロあるんですよね。それで、買ってみました。

 

 1坪5000円で20万円。その土地にコンテナを置き、自宅に収まりきらない書籍や資料などを保管したんです。その後、2015年に美浦を、2019年に鉾田を買いました。鉾田の70坪の土地には建物が立っているので、民泊にしようと思っていたんですが、コロナ禍になってしまい、手つかずの状態になっています」

 

 古谷氏が茨城県で3軒を購入した理由は、自宅からの利便性と、土地の安さだという。

 

「不動産は『イメージの産物』。たとえば、新幹線が通る栃木県の宇都宮や小山は価値が高くなり、群馬県の高崎、前橋は避暑地である軽井沢の手前で、イメージがいい。茨城県はいわゆる『魅力度ランキング』の影響もあり、敬遠されがちなので、このあたりは土地の値段が下がりきっています。

 

 私は自宅が千葉県松戸市なので、車で高速道路の常磐道、圏央道を使えば1時間ほどで行けます。3軒とも坪単価は1万円以下。固定資産税は稲敷が免税、美浦が2000円、鉾田が8000円で年間約1万円。本当にお買い得だと思いますね」

 

 2拠点生活をうまく送るコツは、別宅に期待を抱きすぎないことだという。

 

「高額な別荘を買ってしまうと『高い買いものをしたんだから、行かなきゃ。きれいにしなきゃ』と思ってしまう。家が2軒になるのだから、手間や移動に時間を取られるのは当然。

 

 そうなると、行くこと自体がストレスになり、生活が破綻していくと思うんですよ。でも、私の場合は片道1時間だし、『20~30万円で買ったんだから、捨ててもいい』という感覚で購入したので、まったくストレスを感じないんです」

 

 また、自宅以外に別宅を所有していることは、大きな安心感につながっているという。

 

「ここ(美浦)は築30年ですが、軽量鉄骨なのでまだ20年ぐらいは持ちます。購入したことで、人生観で何が変わったかといえば、電気も通っていて、井戸も掘ったので水源もあり、寝泊まりもできる。もし東京に大地震が起きても、ここで暮らせばいいや、という安心感ですね(笑)。

 

 最初はレンタル倉庫を借りるのも考えていたんですが、物件を買えば、ものを置くだけでなく宿泊できる。いまは井戸を掘った段階ですが、本格工事をすれば、ウォシュレットつきトイレも使えるようになります。ゆくゆくは露天風呂も計画しています。それがあれば、十分すぎるんじゃないかと。

 

 私の中では、自宅がメインのCPU、別宅は外付けのハードディスクみたいな感覚で生活しています」

 

 古谷氏が購入した物件は、すべて「市街化調整区域」と呼ばれる、許可がなければ原則、新たに建築物を建てることができない地域にある。隣接する物件も同じ条件なので、まわりの情景が突如、変わることもない。

 

「コンビニまで約3.5kmありますが、デメリットはまったく感じないです。ただ、市街化調整区域だと、ローンは組めません。価格が30万円ですから現金勝負です」と、2拠点生活を謳歌する古谷氏は話す。

 

「ワーキングスタイルの変化で、日本の住宅マーケットも変わってきています」と指摘するのは、オラガ総研株式会社代表で、不動産評論家の牧野知弘氏だ。

 

「最近は、都心の10平方mぐらいしかないミニマムな物件も、若い人に人気が高いです。それこそ、寝るスペースとトイレ、シャワーブースと、生活に必要な最低限のものがそろっていればいい。なんなら、シャワーは通っているスポーツジムですませて、トイレだけあればいい。生活コストを極力、かけないということです。以前は、住居の優先順位はかなり上でしたが、家や不動産は消耗品になってきています」

 

 こうした観点を持っているのであれば、地方の格安物件は悪い買いものではないと、牧野氏も考えるという。

 

「100万円で買った地方の物件は、将来的に価値が上昇する確率は低いと思います。でも『朽ち果てるまで使い倒してやろう』という考えなら、いいわけです。しかし、安いからといって、地方のリゾートマンションは絶対に購入するべきではないと思います。管理費と修繕積立金が毎月、取られますし、区分所有の共同住宅は、自分の一存では何もできず、不動産の流動性も低い地域だと、手放したくても売れない……と、“何重苦“にもなります」

 

 古谷氏も同意見だ。

 

「たとえ10万円でマンションを買っても、毎月の管理費が2万円だとしたら、年間の維持費は24万円。この維持費を払い続けることになる。これこそ本当の“負動産”。美浦の建物も値段はつかないですが、維持費は固定資産税の2000円と、電気の基本料金1200円ぐらいで、置いておけばいい。そもそも売る気がないです。

 

 いま、トランクルームが流行っていますが、それも半畳で費用は月に1万円ぐらい。そこにものを置く維持費と考えると、土地を買ったほうがいいですよ。自分の土地だから自由度があるし、契約事務手数料もないですからね」

 

 2拠点生活の別宅を選ぶ基準を、古谷氏はこう話す。

 

「買ったときに、ここに永久に来ることがなくても大丈夫かどうか。面倒になって、長らく放置しても心が痛まないかどうか。痛まないなら、その物件はお買い得です。私はずっと通っていますけど、かりに来なくなったとしても、心は痛みませんから(笑)」

 

 空き家が問題になっている現代日本。「不動産は資産」という固定観念から脱却すれば、あなたも人生を変える掘出し物件に出会えるかもしれない。

 

ふるやつねひら
1982年生まれ 執筆活動だけでなく、テレビ、ラジオなどにも出演。近著に『シニア右翼―日本の中高年はなぜ右傾化するのか』(中公新書ラクレ)がある。(一社)令和政治社会問題研究所所長。(一社)日本ペンクラブ正会員

 

写真・福田ヨシツグ

( 週刊FLASH 2023年4月25日号 )

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