菊池麻衣子『ふたりっ子』ヒロインが父親役・段田安則と翌年「お見合い相手」で再共演「不思議な気持ちでした」【1990年代ドラマ「人気女優」の撮影秘話】

2022年には『相棒　season21』の初回拡大SPにも出演した菊池。生き物の飼育が趣味で、今は自宅の水槽で、ナマズを18匹飼っている。「1匹だけでは寂しそうだと、もう1匹入れると、つがいになって、あれよあれよと増えました（笑）」（写真・松沢雅彦）

「初めてレギュラー出演した『お金がない！』（1994年・フジテレビ系）では、萎縮して、まったく演技ができていません。主演の織田裕二さんからは、ものすごいオーラが出ていました」

　1993年に慶應義塾大学に入学し、芸能活動を本格化させた菊池麻衣子にとって、民放ドラマのデビューはほろ苦いものだった。

　1996年から翌年にかけて放送されたNHK連続テレビ小説『ふたりっ子』で、ヒロインを務めた菊池。父親役の段田安則とは、翌年の『オトナの男』（TBS系）で再び共演した。

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「じつは『ふたりっ子』のときに、段田さんから手紙をもらっていたんです。『セリフの行間を読め』というアドバイスでした。朝ドラでは父娘だったのに、今度はお見合いする役で、段田さんも私も、不思議な気持ちでした（笑）」

　広告代理店に勤める独身3人組（段田・役所広司・西村まさ彦）が、部長命令で見合いをさせられる。その相手役を菊池が演じた。

「私の役は、いきすぎた世間知らずな社長令嬢。相手との会話の間も合わないくらい、おっとりしているのに、次第に人を好きになり、ストッパーがきかなくなる女性です。それを表現したくて、告白するときに、ロボットのように動きがぎこちなくなる、という演出を提案しました。初めて監督さんに演技プランを伝え、受け入れてもらえたんですよ」

　その年の春に大学を卒業し、菊池は女優業に専念することを決めた。決断の背景には、たしかな成長があった。

きくちまいこ
1974年生まれ　東京都出身　そのほかの1990年代ドラマの出演作に、主演の近藤真彦の相手役を務めた『ドンウォリー！』（フジテレビ系）など。『平成教育委員会』（フジテレビ系）のレギュラーも務めた

取材＆文／鈴木隆祐

( 週刊FLASH 2023年5月9日・16日合併号 )