中学時代の小林恵は、雑誌「プチセブン」(小学館)の専属モデルで、毎号、表紙に登場。「ケンタッキーフライドチキン」のCMにも出演し、10代少女のあこがれだった。そして高校入学後、女優デビュー。
「モデル事務所の所属だったので、テレビ業界のハウツーを誰も教えてくれないんです。カメリハって何? ランスルー(通し稽古)って? と、毎日が不思議でした」
最初のドラマ出演は1993年の『湘南女子寮物語』(テレビ朝日系)。女子校寮から追い出された問題児たちが、銭湯の2階で共同生活を送り、その世話を焼くのが主演の水谷豊という設定で、共演者には水野美紀や高橋かおり、井上晴美らがいた。
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「私は末っ子的な存在で、年の近い鈴木蘭々ちゃんとよく遊んでました。彼女もフレンチポップスなんかが好きで、家に泊まりに行くと、一晩中、音楽談義してましたね」
以降、小林はコンスタントに出演を重ね、再評価されている作品も多いのだが……。
「1995年の『終らない夏』(日本テレビ系)は思い入れのある作品なんですが、訳あって再放送もソフト化もされていません。瀬戸朝香ちゃんとイノッチ(井ノ原快彦)が出会った“記念碑”的作品で、My Little Loverの主題歌も大ヒットしたので、残念です。私は朝香ちゃん演じるヒロインの親友役で、上京願望が強く、田舎から彼女を引きずり出すんです」
本人もそんな行動的な一面を持ち、2006年にはmegと改名し、ジャズ歌手へと大胆な変身をとげた。
めぐ
1977年生まれ 秋田県出身、横浜育ち 1995年の『恋人をつくる100の方法』(テレビ朝日系)や映画『モスラ』シリーズで主演を務めた。現在はライブ配信を活動の中心に据える
取材&文/鈴木隆祐 取材協力・銀座バーブラ(東京・銀座)