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福山雅治『ラストマン』唯一の死角は “縦軸” の弱さ…フィナーレの大団円がすでに想定内

エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2023.05.28 11:00 最終更新日:2023.05.28 11:00

福山雅治『ラストマン』唯一の死角は “縦軸” の弱さ…フィナーレの大団円がすでに想定内

 

日曜劇場」の本領発揮とばかりに高視聴率を連発しているが、死角がないわけでもなく……。先週日曜に第5話が放送された福山雅治主演の日曜劇場『ラストマン―全盲の捜査官―』(TBS系)のことだ。

 

 第1話の世帯平均視聴率(ビデオリサーチ調べ/関東地区)は14.7%を記録し、『相棒season21』(テレビ朝日系)最終話の14.5%を上回り、今年の民放ドラマ最高視聴率を叩き出した。第2話から第5話も13.1%、12.0%、12.4%、12.8%と高水準で推移しており、大ヒット中だ。

 

 

 木村拓哉主演の月9『風間公親―教場0―』(フジテレビ系)の世帯平均視聴率が、第1話から第7話まで12.1%、10.7%、9.8%、9.6%、9.1%、8.3%、8.9%と苦戦中であることを考えると、よりいっそう『ラストマン』のすごみがわかるだろう。

 

 一方、昨今はリアルタイム視聴にこだわらず、見逃し配信で観るドラマファンも増えており、『風間公親』はTVerのお気に入り登録者数が124.0万人(※5月24日現在)と好調。『ラストマン』は『風間公親』には及ばないものの、96.0万人と100万人の大台間近にせまっている。

 

 総合的に考えて、現時点では福山の『ラストマン』が勝利していると言っていいだろう。

 

■主人公とバディの過去がつながっていた?

 

 福山が演じるのは、どんな難解な事件も必ず解決することから、最後の切り札という意味で「ラストマン」の異名を持つFBI特別捜査官・皆実広見。10歳のときに起きた事件で両親を亡くし、自身は両目の視力を失っているが、そのぶん鋭い分析力や嗅覚で事件を推理し、FBIでも実績を重ねていった。

 

 そんな彼がアメリカから期間限定で交換留学生として来日し、犯人を逮捕するためならどんな手段もいとわない孤高の刑事・護道心太朗(大泉洋)とバディを組み、難事件を解決していくストーリー。

 

 基本的に1話完結でその回の事件が解決しているので、仮に途中回を見逃しても、さほど支障なく最新回を視聴できるのがメリットになっている。

 

 とはいえ、本作にも “縦軸” となる設定があり、第5話までで少しずつ皆実と心太朗の過去が掘り下げられている。

 

 第5話のラストシーンから推察するに、皆実の両親を殺害し、彼が失明した事件の犯人は、無期懲役で服役している心太朗の実父である可能性が濃厚になっている。ただし、同じシーンで、皆実は冤罪を疑っているような雰囲気も出していた。

 

■大団円を迎えるフィナーレが読めてしまう

 

 犯人とされている人物が、心太朗の実父であるのはほぼ間違いないだろう。そして皆実の口ぶりから、物語終盤のクライマックスで事件の真相に迫り、最終的に心太朗の実父の冤罪を証明してほかにいる真犯人を突き止め、ハッピーエンドという終幕になりそうだ。

 

 だが、冒頭で懸念材料としてあげた死角とは、まさにこのこと。本来は「この先、どうなるんだろう?」と視聴者を惹きつけるはずの “縦軸” の展開やオチが、すでに読めてしまっているのだ。

 

 もちろん前述の考察が見当違いの可能性もある。だが、「バディの実父がやっぱり主人公の両親を殺害した犯人でした」という結末だとしたら、主人公とバディの関係性の闇が深くなりすぎて、救いがないラストになってしまう。

 

 そのため、心太朗の実父は冤罪で、真犯人を突き止めて大団円となるフィナーレがもうミエミエ。要するに、本作の唯一の懸念点が “縦軸” の弱さというわけだ。

 

 ここから視聴率が急落することはないだろうが、最終話に向けてどんどん盛り上がり、視聴率が爆上がりする可能性は薄い気がする。

 

■実績ある脚本家・黒岩氏の手腕に期待したい

 

 2021年の日曜劇場4作品は、全話の世帯平均視聴率で13~15%と軒並みヒットしていたが、直近の2作品では、昨年10月期の『アトムの童』が9.6%、今年1月期の『Get Ready!』が9.4%と、一桁台に陥落している。

 

 ここ最近低迷ぎみな日曜劇場において、『ラストマン』は救世主とも言える結果を残しており、少なくても全話平均で二桁復帰を果たすのはもうほぼ確定だ。しかし、後半戦にかけて盛り上げの起爆剤となる “縦軸” のストーリーが、いまいち引きが弱い。

 

 本作の脚本家は昨年4月期の日曜劇場『マイファミリー』も担当した黒岩勉氏で、同作は最終話で最高視聴率16.4%を叩き出している。黒岩氏が綴る秀逸なストーリーで、終盤にかけて視聴率もうなぎ上りになっていくことを期待したい。第6話は今夜放送だ。

堺屋大地

恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。これまで『女子SPA!』『スゴ得』『IN LIFE』などで恋愛コラムを連載。現在は『文春オンライン』『現代ビジネス』『集英社オンライン』『日刊SPA!』などに寄稿中

( SmartFLASH )

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