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福山雅治『ラストマン』伏線全回収できれいに終幕、同じ “続編匂わせ” でもキムタクドラマとは対照的【ネタバレあり】

エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2023.06.26 15:55 最終更新日:2023.06.26 15:57

福山雅治『ラストマン』伏線全回収できれいに終幕、同じ “続編匂わせ” でもキムタクドラマとは対照的【ネタバレあり】

 

 おそらく何らかの形で続編はありそうだが、きちんと伏線を全回収し、きれいに終幕させたことに好感が持てた。

 

 6月25日に最終話(第10話)を迎えた福山雅治主演の日曜劇場ラストマン-全盲の捜査官-』(TBS系)。

 

 第1話の世帯平均視聴率(ビデオリサーチ調べ/関東地区)は14.7%を記録し、『相棒season21』(テレビ朝日系)最終話の14.5%を上回り、今年の民放ドラマ最高視聴率でロケットスタートした本作。

 

 

 第2話から第9話までは13.1%、12.0%、12.4%、12.8%、12.1%、12.9%、12.6%、12.7%と一度も12%を下回ることなく推移。最終話も13.4%と高視聴率でフィニッシュした。

 

■【ネタバレあり】昼ドラを連想させるほどドロドロな真相

 

 福山が演じるのは、どんな難解な事件も必ず解決させることから、最後の切り札という意味で「ラストマン」の異名を持つFBI特別捜査官・皆実広見。

 

 41年前、10歳のときの強盗放火殺人事件がきっかけで両親を亡くし、自身は両目の視力を失っているが、そのぶん鋭い分析力や嗅覚で事件を推理し、FBIでも実績を重ねていったという天才。

 

 そんな彼が交換研修制度でアメリカから期間限定で来日し、犯人を逮捕するためならどんな手段もいとわない孤高の刑事・護道心太朗(大泉洋)とバディを組み、難事件を解決していく。

 

“縦軸” のストーリーとして、皆実の両親を殺害し、彼が失明した事件の犯人は、無期懲役で服役している心太朗の実父・鎌田とされていたが、最終話でその41年前の真相が明らかとなった。

 

 ネタバレになるが、鎌田は冤罪で、なんと皆実と心太朗が同じ両親から生まれた実の兄弟だったという驚きの事実が、皆実の口から語られた。

 

 皆実と心太朗は、父・鎌田と母・勢津子を両親に持つ実の兄弟で、鎌田は2人の息子の人生を守るために、自身が殺人の罪をかぶっていたというのだ。

 

 皆実の父と思われていた誠が悲劇の元凶で、略奪、妊娠、不倫、殺傷といった昼ドラばりの要素が詰め込まれたドロドロ展開だったものの、謎もモヤモヤも一切残さず、すべてすっきり解決。結果的には大団円となった。

 

■“長いお別れ” ではなく来週からはアメリカでバディ継続?

 

 少々気の早い話だが、『ラストマン』は続編が制作される可能性が非常に高いように思う。

 

 全話高視聴率を獲得し、きっちり数字で結果を残している点。皆実と心太朗が再びバディを組む展開に持っていきやすいラストにしてある点。主演の福山がこの作品へ愛着が強いことをたびたび公言している点。

 

 これらの要素を踏まえて総合的に考えると、続編制作はかなり濃厚なのではないだろうか。

 

 スペシャルドラマで単発復活するか、それとも日曜劇場枠でシーズン2として帰ってくるか。もしくは、本作の脚本家・黒岩勉氏が手がけた日曜劇場『TOKYO MER~走る緊急救命室~』(2021年/TBS系)が今年映画化されているので、劇場版『ラストマン』の線もあるかもしれない。

 

 いずれにしても期待しているファンは多いだろう。

 

 余談だが、今期は同じく警察ものの木村拓哉主演『風間公親-教場0-』(フジテレビ系)も放送されており、元 “抱かれたい男” 対決として注目を集めたが、『風間公親』と『ラストマン』は続編の匂わせ方が対照的だった。

 

『風間公親』は “縦軸” で描いていた事件の犯人が捕まっておらず、しかも最終話のラストでその犯人の口から新たな謎が投下されるというモヤモヤMAXの終わり方。

 

 あえて謎を残したり未解決にしたりして視聴者の興味を惹く手法が必ずしも悪いとは思わないが、1シリーズの物語としては、『風間公親』はきれいに完結したとはとても言いがたい最終話だった。

 

 一方の『ラストマン』は本当にきちんと完結させたきれいな終わり方。

 

 ただし、最終話終盤、アメリカに帰る皆実が、空港で心太朗と涙の別れをしておきながら、皆実の口から「では、また来週」と予想外の言葉が発せられる。交換研修制度で、次は心太朗がアメリカに来ることが決まったというのだ。

 

“長いお別れ” だと思わせておきながら、アメリカでバディ続行が示されるというサプライズ。そのままアメリカ編が描かれるわけではないだろうが、ファンにはうれしい “続編匂わせ” となった。

 

 どちらも続編制作を期待してはいるが、引っ張り方としては断然『ラストマン』のほうに好感が持てた。

堺屋大地

恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。これまで『女子SPA!』『スゴ得』『IN LIFE』などで恋愛コラムを連載。現在は『文春オンライン』『現代ビジネス』『集英社オンライン』『日刊SPA!』などに寄稿中

( SmartFLASH )

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