田代まさし「志村けんさんならこんな動画を撮るかなって」3回め出所から11カ月、67歳YouTuberデビュー！

 

「『ヒロポン酢』で気持ちよくなりなさ～い♪」

 

　YouTubeに投稿された1本の動画が話題になっている。独特なネーミングのポン酢を片手に、にっこり笑うのは田代まさし（67）だ。

 

　これまで薬物で5回、逮捕された田代だが、2022年10月に3回めの服役を終えた直後にも、本誌は取材してきた。

 

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「あのときはまだムショぼけで、呂律がまわってなかったね。いまは人に見られる機会が増えたおかげで体が引きしまり、血色もよくなったよ。『ヒロポン酢』は、ちゃんとした会社が作っていて『就労支援施設で開発した、体の不自由な方たちが作っている商品』というから、力になれるならと思い受けたんだよ。いただいた出演料は、依存症支援施設であるダルクに寄付しています」（田代、以下同）

 

　CM動画への出演を皮切りに、8月4日には自身のYouTubeチャンネルを開設。すでに登録者数は1万人目前だ。だが、出所後も保護観察処分を受けている田代。YouTubeを始めるまでには葛藤があったという。

 

「保護観察官の人は優しいんだよね。YouTubeについて相談したら『こちらとしては、止めることはできません。ただ、田代さんが傷つかなければいいなと思います』と言うんですよ。『表に出ることで、世間から攻撃されたり誹謗中傷がくる。それで田代さんが傷つくと、また薬に近づく恐れがある』ってね。でもありがたいことに、動画に対して批判的なコメントはほとんど投稿されてないね。僕のことをよく知らない若いコにもウケているみたいでうれしい」

 

　田代には現在、貴重な“相方”ができている。高級時計オメガのパロディ時計を販売する、株式会社OMECO代表取締役・風間友亮氏だ。田代が続ける。

 

「友達の知り合いだったんです。OMECOの時計を見せられて『悔しいな』と思ったんですよ。僕もダジャレが好きだから。それで、一緒に何かやりたいねと意気投合しました。OMECOの新商品も考えているんです。一生懸命、絵を描いて『タバコのキャメルをハメルにしたらどう？』と言ったら『いいですね』と。でも、いつまでたっても商品化しない（笑）。ほら、今日の靴もニューバランスならぬ“乳バランス”、時計はリシャール・ミルならぬ“ソケイブミル”だからね」

 

　YouTube動画の企画内容は田代本人が考えているが、参考にしているのは、あの“殿様”だ。

 

「僕の師匠は、やっぱり志村けんさんなんですよ。とくに教わったのは“間”ですね。志村さんはつねづね『お笑いはすべてタイミングだ』と話していたから。それに、企画内容も今後は志村さんのコントを参考にしたいんです。志村さんは泣かせるのも好きだったんですよ。『志村けんのだいじょうぶだぁ』（フジテレビ系）のなかで、突然、感動的なコントをやるんですよ。悲しい曲を流しながら、おばあさんを亡くしたおじいさんが、亡骸を背負って海の中で死んでいったり……。でも次のコントでは、ドカンと笑わせる。こんな強弱をつけたいね。志村さんならこんな動画を撮るかなって考えながら、投稿していく予定です」

 

　芸能活動を始めると、薬を売り込むためにすぐに“悪い人”が近寄ってくる。

 

「もちろん、出所してから薬はいっさい、してないよ。ただ、覚せい剤常習者として知られる人物が近寄って来たことはある。危ないからすぐに距離を置いたよ。巻き込まれてしまうかもしれないからね。実際、世間的には田代といったら薬物なんだから仕方がない。最初に逮捕されたころは恥ずかしくて、なんとか薬物のイメージを消そうとしてたけど、いまは開き直って、危険性を訴えていきたいと思います」

 

　実際、薬物に関する講演を熱心におこなっている。

 

「薬物で家族が困っている人や、法務省の薬物を研究する人、病院の先生などが講演に来てくれます。僕はつい、おもしろおかしく話してしまうんだけど、この前、保護観察所に行ったとき、若い女性の保護観察官が『私が初めて保護観察官になり、勉強した講演が田代さんだったんです。ほかの先生の話はぜんぜん覚えてないんですけど、田代さんの話はずっと心に残ってます』と言ってくれて、すごくうれしかった。僕なりに、人の役に立てることはあるのかなと思うんだ」

 

　YouTuber・マーシーの“我慢生活”は、まだ11カ月だ。

( 週刊FLASH 2023年9月19日号 )