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桑田佳祐 新曲をテレビ局が「取扱注意」の過剰反応! 音楽関係者は驚き「坂本龍一さんとの接点が想像つかない」

エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2023.09.12 06:00 最終更新日:2023.09.12 06:37

桑田佳祐 新曲をテレビ局が「取扱注意」の過剰反応! 音楽関係者は驚き「坂本龍一さんとの接点が想像つかない」

「Relay」には「継なぐ」という意味があると桑田。そのメッセージは社会をどこまで動かすか

 

 デビューから45周年を迎えたサザンオールスターズは、3部作として3カ月連続で楽曲を発表。その掉尾を飾った新曲が社会的関心を集めている。タイトルは『Relay~杜の詩』。

 

 新曲は、9月2日に桑田佳祐(67)のラジオ番組で初オンエア。桑田は歌詞について、明治神宮外苑の再開発への「非常にもったいない」「ちょっと説明してよ」といった違和感を言葉にしたと明かした。

 

 歌詞の一部にはこうある。

 

 

〈誰かが悲嘆いてた 美しい杜が消滅えるのを〉〈身近な場所で何が起こってるんだ? ここに集って音楽を紡いだスタジオ 歌がある〉

 

「杜」とは神宮の樹木を指すのだろう。サザンが長年レコーディングで使っている「ビクタースタジオ」は神宮外苑のそばにあり、ここを「故郷のような場所」と桑田は言う。その“心の依り拠”が破壊されることに、歌で警鐘を鳴らしたと世間では受け止められているー。

 

 再開発では、神宮球場や秩父宮ラグビー場が改築されるほか、高さ約200mの高層ビルが建設され、周囲の樹木3千本が移植、伐採される計画だ。

 

 この事業には環境破壊という批判が強く、多くの地域住民や文化人らが反対を表明。計画中止を求める動きも広がっている。

 

 そのきっかけを作ったともいえるのが3月に亡くなった坂本龍一さんだ。小池百合子都知事に計画の見直しを訴える手紙を送ったり、問題を広く知らしめようとウェブサイトを作ったりした。

 

 桑田は、この坂本さんの遺志を継ぐために新曲を作ったと、同番組で説明している。

 

「坂本龍一さんからいろいろ提示していただいたことがいっぱいあるんですけれども、それを受け止めて作った」

 

 偉大な2人の音楽家の間には、深い交流があったのだろうか。じつは、ほとんど接点がなかったと語るのは、『桑田佳祐論』の著者で音楽評論家のスージー鈴木氏だ。

 

「関係は薄かったと思います。かつて桑田さん本人は『教授(坂本さんの愛称)と仕事をするチャンスはほとんどなかったんですけど』と、ラジオで言っていました。両者とも、ライブハウス『ロフト』出身だという話もありますが、一緒に何かをしたということはなかったでしょう」

 

 ある音楽プロデューサーも、今回の桑田のラジオでの発言を聞いて驚いたという。

 

「桑田さんと坂本さんの関係性については聞いたことがない。『坂本さんの遺志を継ぐ』という話は意外すぎました」

 

 一方、桑田の新曲は、業界内で“過剰反応”を引き起こしているという。あるテレビ関係者が語る。

 

「今回の曲は、歌うことも放送することも問題ない。ただ、神宮外苑の再開発事業者には、大切なスポンサーである三井不動産や伊藤忠商事が名を連ねる。だから、新曲の『取扱注意』のおふれが出ています。同社がスポンサーになる番組は、サザン人気を取ってグループを出演させるか、スポンサーへ忖度するかで悩むかもしれませんね」

 

 さらに、あるレーベル関係者によると、サザンの所属事務所は、桑田発言の火消しに躍起になっているという。

 

「所属事務所は、曲を発表した4日後サザンのHPで特別コラムを掲載しました。『若い世代にも考えるきっかけになればと。そういうことを音楽で継ないでリレーしていくのが私に出来ることだと思い、歌にしました』という桑田さんの言葉とともに、再開発を頭ごなしに否定しているわけではないと表明したのです」

 

 もっとも、反対運動を率いる団体にとっては、まさに応援ソングになっているようだ。「神宮外苑と国立競技場を未来へ手わたす会」共同代表の森まゆみ氏はこう話す。

 

「桑田さんとはまだ面識がありませんが、『自分が居ない世の中 思い遣るような人間であれと』という歌詞はまさにそのとおり。現在を生きる人は、未来世代から見て今の行動を考えるべきだからです」

 

 これまでも対米従属を批判した『ROCK AND ROLL HERO』や隣国関係にふれた『ピースとハイライト』などの社会派ソングを歌い、そのたびに議論を巻き起こしてきた桑田。今回はSNSの影響もあり、新曲のメッセージがここまで広く届くとは、本人も事務所も予想していなかったかもしれない。

( 週刊FLASH 2023年9月26日・10月3日合併号 )

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