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『ONE DAY』二宮和也が公安という可能性も…チャレンジングな作品だが、視聴者がどこまでついて来てくれるか

エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2023.10.16 11:00 最終更新日:2023.11.20 08:40

『ONE DAY』二宮和也が公安という可能性も…チャレンジングな作品だが、視聴者がどこまでついて来てくれるか

 

 第1話だけではまったく評価ができないタイプの作品で、最終話ですべての謎が解けて、初めてきちんと評価ができるのだろう……だが、はたして多くのドラマファンが最終話までちゃんとついて来てくれるかが、一番の難題な気がする。

 

 先週月曜にスタートしたフジテレビの月9ドラマ『ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~』のことだ。

 

 嵐・二宮和也中谷美紀大沢たかおによるトリプル主演作。そのほかにも江口洋介佐藤浩市といった大物俳優や、中川大志福本莉子といった若手の有望株まで出演している豪華キャストが話題となっている。今夏に大ヒットした日曜劇場『VIVANT』(TBS系)と比較する声も少なくない。

 

 

 ストーリーの構成も独特で、クリスマスイブのたった1日の出来事を1クールかけて描いていき、3人の主人公の物語が交錯していくというもの。フジテレビのドラマ班がかなり力を入れている作品だということは、ひししひと伝わってくる。

 

■主人公の「記憶喪失」設定は非常に便利

 

 二宮が演じるのは、記憶喪失で目覚めるとそこには銃殺された死体が横たわっており、殺人容疑をかけられて警察に追われる逃亡犯・勝呂寺誠司役。

 

 中谷が演じるのは、自身で立ち上げた報道番組の終了を告げられ、最後に誠司の事件を特集しようと躍起になる地方テレビ局のキャスター・倉内桔梗役。

 

 大沢が演じるのは、店に誠司が侵入して来たことで秘伝のデミグラスソースの寸胴鍋を倒してしまい、てんやわんやする老舗レストランのシェフ・立葵時生役。

 

 ドラマ公式サイトでは、「謎をひもとく伏線は第1話から張られ最終話ですべて回収されるので、映像、セリフ、表情すべてにご注目を!」と、考察熱を煽っている。

 

 現時点では、二宮の事件の真相が最大の謎なので、この事件に残り2人の主人公の物語もどんどん巻き込まれていくのだろう。

 

 こういったミステリー要素のあるドラマにおいて、主人公が記憶喪失というのは非常に便利。要所要所で主人公の驚きの過去、肩書き、性格なんかを明かしていけば、視聴者の興味を惹きつけやすいからだ。

 

 誠司は違法薬物を売りさばく犯罪組織のメンバーということになっており、誠司自身がそれを聞かされて驚いていた。あくまで一例だが、実は本当は公安警察で、組織に潜入捜査しているといった設定でもおかしくない。

 

 アニメ『名探偵コナン』で大人気の安室透が、本職は公安警察ながら悪の組織に潜入しているというキャラなので、もし誠司が公安の人間なら設定が酷似してしまうが、なきにしもあらずだろう。

 

■脚本家の発想力や構成力にかかっている

 

 伏線と思われる意味深なシーンや設定も、そこかしこに散りばめられている。

 

 公式サイトには「主人公は別々の人生を歩んできた、全く関わりを持たない3人の男女」と記されているものの、第1話終盤で誠司と桔梗が学生時代の知り合いだったことが明かされた。

 

 また、本編の舞台は2023年のクリスマスイブなのだが、冒頭約2分で2018年のクリスマスイブのシーンが描かれ、主人公3人が同じ場所にいたことが示唆されている。

 

 ほかにも、本編は2023年12月23日の23時30分からスタートしており、厳密に言うとクリスマスイブの前日から描いている。12月24日の0時から物語を始めればいいものの、わざわざ30分前倒しにしていることにも何か意味がありそうだ。

 

 このようにすでに謎がふんだんに仕込まれているのだが、数々の伏線を最終話までに本当に全部回収できたとしたら、名作になるだろう。

 

 第1話は12月23日23時30分から24日7時20分ごろまでのストーリーだった。ただ、時間を逆行して描かないとは言っていないので、物語後半になって “実は深夜3時にこういう出来事も起こっていた”、なんてシーンが挿入されることもあるかもしれない。

 

 そうやって考えると、この作品の成否は脚本家の発想力や構成力にかかっている気がしてならない。

 

 畳みかけるようなどんでん返しの連続で、第1話の印象がどんどん覆されていくようなストーリーにできれば、視聴者はグイグイ惹き込まれていくのではないか。

 

 だが、それは “言うは易く行なうは難し” なので、視聴者がどこまでついて来てくれるか、最終話まできちんと観てくれるかは難題である。

 

 とはいえ、個人的には、おもしろいかつまらないか、大ヒットするか大コケするかはともかく、こういうドラマを各局にどんどん制作してもらいたいと思っている。

 

 昨今は、コケるリスクをおそれて守りに入った無難な設定・ストーリーのドラマが多いので、こういう個性的でチャレンジングな作品で盛り上げていってもらいたい。今夜放送の第2話にも期待している。

堺屋大地

恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。これまで『女子SPA!』『スゴ得』『IN LIFE』などで恋愛コラムを連載。現在は『文春オンライン』『現代ビジネス』『集英社オンライン』『日刊SPA!』などに寄稿中

( SmartFLASH )

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