例年以上に注目を集めている、2023年の『NHK紅白歌合戦』。というのも、旧ジャニーズ事務所の性加害問題が浮上し、同事務所所属タレントの出場の是非をめぐって、さまざまな論争が繰り広げられているためだ。
毎年5、6組のタレントが “ジャニ枠” として出場していたが、今年はその枠が激減、場合によってはゼロもあるといわれている。
旧ジャニーズの問題だけでなく、「出場者が有力事務所に偏っている」「K-POP系が多すぎる」「演歌は必要なの?」などなど、毎年のように議論が巻き起こる『紅白』だが、ライバルの民放局やラジオの制作者たちはどう考えているのだろうか。
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本誌は今回、大手広告代理店が実施した「本当に『紅白』に出てほしいアーティスト」の結果を入手。アンケートは、在京の民放テレビ局やラジオ局の音楽番組スタッフ、そして広告代理店のCM制作者など、計100名を対象におこなわれたもの。
では、プロが選ぶ歌手を紅組を見ていこう。
■MISIAの後は誰も歌いたがらないから「今年もトリか」
紅組で1位に選ばれたのは、中森明菜。『紅白』には1980年代に6回、2002年と2014年の計8回出場。ここ数年、この時期になると「今年こそ出るのか?」と話題になっている。アンケートに協力したスタッフたちの声を見ると、
「いまや伝説。1980年代を知らない若い世代のスタッフも曲は知っている」
「自分も見たいが、本物の明菜を見たことのない若いディレクターたちに、ぜひ見せたい」
などがあった。
2位はMISIA。7回出場し、2022年まで4年連続でトリを務めている。
「圧倒的な歌唱力とパフォーマンス。現役トップの実力者」
「今年はNHKのラグビーW杯のテーマ曲を担当して出場は確実。彼女の後は誰も歌いたくないだろうから、今年もトリでは」
3位はYOASOBIの幾田りら。
「今年いちばん売れた曲はYOASOBIの『アイドル』でしょう。“今年の活躍” という『紅白』の選考基準からは外せないはず」
4位は石川さゆり。出場45回は、昨年の出場者のなかで断トツ。
「『津軽海峡・冬景色』か『天城越え』どちらかを聴かないと、年は越せません」
ちなみに、2007年以降『津軽』『天城』を交互に歌っており、今年は『津軽』の番。
5位も演歌勢で坂本冬美。
「タイガースの熱烈なファンである冬美さんに、ぜひ『六甲おろし』を歌ってほしい」
6位には新鋭・新しい学校のリーダーズがランクイン。
「パフォーマンスが楽しくて、『紅白』みたいなお祭り番組にぴったり」
「ゴールデンボンバー的な盛り上げ要員」
9位は宇多田ヒカル。意外にも、出場は2016年の一度のみ。
「今年は、映画『キングダム』の主題歌も話題になったし、出れば目玉になる」
意外なところでは、18位の伊藤蘭。
「キャンディーズのファンでした(笑)。娘さん(趣里)が朝ドラ(『ブギウギ』)のヒロインをやってるから、ワンチャンあるんじゃないかと思っています」
■出てほしくない歌手は工藤静香、松任谷由実、和田アキ子
じつは今回の調査では、「出てほしくないアーティスト」についても聞いている。そこで名前が挙がったのが以下の面々だ。
まずは工藤静香。
「去年、娘のCocomiと出演し、歌詞を盛大に間違えていた。今は見るのがキツい」
松任谷由実は「去年、AIで再現した50年前の自分との共演企画で大スベりしていた」「歌声の劣化が著しい」。大御所・和田アキ子に対しては「以前ほどの声量もないし、音程も怪しい。選ばれる理由がわからない」と疑問の声が。
今年の『紅白』のテーマは「ボーダレス」ということで、コラボやサプライズ出演が増えるとNHK関係者は明かす。
「『紅白』の世帯視聴率の目標は40パーセント。今年はK-POPとJ-POPのコラボや、テーマに合わせて、紅組でも白組でもない “特別出場枠” でのサプライズ出演が増えるとみられています」
今年はどんな顔ぶれになり、誰がトリを務めるのか。出場者の発表は、11月中旬になる見込みだ。