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演歌の大御所・山本譲二が「メタル化計画」で大変身! 仕掛け人は「本人よくわからないままいまに至っている」

エンタメ・アイドル 投稿日:2023.11.22 18:36FLASH編集部

演歌の大御所・山本譲二が「メタル化計画」で大変身! 仕掛け人は「本人よくわからないままいまに至っている」

山本譲二の公式Xより

 

『みちのくひとり旅』のヒット曲などで知られる演歌界の大御所、山本譲二のX(旧Twitter)が最近、ある界隈で、かなりの盛り上がりを見せているという。

 

 実際に見てみると、山本はある時期から、いきなり自身の決めポーズとして「メロイックサイン」を使い出し、一緒に写る演歌歌手やタレント、関係者もみな、一様に山本とともにメロイックサインを決めているのだ。メロイックサインとは、人差し指と小指を立てるハンドサインで、ハードロックやヘヴィメタルを愛する者たちには定番のポーズ。本来、演歌とはまったく無関係のポーズだ。

 

 

 さらに、山本のXの投稿には、そのすべてに「#山本譲二メタル化計画」のタグがつき、ついに山本の所属するテイチクエンタテインメントからは「山本譲二メタル風Tシャツ」まで発売。このTシャツを着た業界関係者やファンが写真を撮り、こぞってXに投稿することで、山本のXには続々とメロイックサインの輪が広がるという、謎のムーブメントが起きているのだ。

 

 本誌はムーブメントの仕掛け人とみられる、山本譲二のマネージャー・S氏に話を聞くことができた。「どこから話せばいいものか」と戸惑いながらも、S氏が、ことの経緯をノリノリで語ってくれた。

 

「2021年の1月に山本譲二の公式Xを始めたんですけど、ただ発信しているだけでは、あまり注目してもらえないということに悩んでいたんです。山本を知ってもらうためには、まずは観てもらわないといけないわけで。まして、曲を知ってもらうには、そこまでたどり着かせるネタが必要だと感じていたんです。

 

 それと、私たちのレギュラー番組にゲストをお呼びして、記念撮影をするとき、よく山本は、韓国の若いコが指先でつくる『LOVEポーズ』(親指と人差し指を交差させてハートをつくるサイン)をやってたんですよ。それを見ていて、僕はすごく違和感があったんです。僕自身、メタルが大好きなものですから、これならメロイックサインのほうがぜんぜんいいだろうと。それで、僕から伝えるのではなく、テイチクの女性広報さんを通して、山本にメロイックサインをやるよう、すすめてもらったんです。『これ、若いコの間で、めちゃめちゃ流行ってるみたいですよ』って(笑)」

 

「山本譲二メタル化計画」は、当初から明確なプランがあったわけではなかった。2023年4月14日、世界的ヘヴィメタルバンド・メタリカの最新アルバム『72シーズンズ』発売を記念して、ユニバーサル・ミュージックによる一大キャンペーンがネット上で展開されていた。S氏はそれに乗じて、2023年4月、運営を一任されている山本の公式Xのアイコンを、メタリカ風のフォントで「George Yamamoto」のロゴに変更。さらに5月19日には、73歳の山本に、初めてのメロイックサインをさせてXに投稿。5月23日には、S氏が《メタラーさん たまには演歌も 聴いてよね》とメタリカ川柳をXに投稿したことなどで、メタルファンたちの間で「山本譲二のマネージャーはメタル好きなのか?」と、徐々に話題になっていったという。

 

「山本自身は、いっさいSNSはやりませんからね。なので、僕らが何をやっているか、本人もよくわからないないまま始まって、いまに至っているんですよ」(S氏・以下同)

 

 徐々にムーブメントの広がりを感じていたS氏は8月1日、Xで《スタッフの一大決心》と題し、山本譲二のメタル風Tシャツを作る計画を発表。山本本人は何も知らないなかでTシャツ作成が進められ、山本の新曲『みちのく忘れ雪』の発売日となった9月20日には、TEICHIKU RECORDSの公式YouTube「テイチクアワー~つながる放送部~」の生配信に山本が出演し、そこで初めてTシャツがお披露目された。

 

 この生配信で、進行役から山本へ「お願い」として「街でこのTシャツを着ている人を見かけたら、ぜひ温かく迎えてあげてほしいんです」と言われると、ビールを飲みながら配信していた山本は「いや、小遣いやるって!」と即答。「1000円しかないけど、ホントありがとねって言う」と語り、ツーショットは必ず撮ると宣言している。

 

「Tシャツは、メロイックサインを決める本人の写真をベースにしたゾンビ風の山本と、背景に山本の故郷である下関・巌流島での、宮本武蔵と佐々木小次郎の決闘を落とし込んだデザインになっています。ロゴはもちろん『アイアン・メイデン』のフォントがベースで、これは私の希望でそうしてもらいました(笑)。当初は『100枚売れればいいよね』みたいなノリだったんですけど、想定を大きく上回る売れ行きで。現在、『テイチクエンタテインメント オンラインショップ』でのみ発売中なのですが、おかげさまで発売後、追加発注が途切れない状況が続いています」

 

 こうした経緯もあって、徐々にその気になった山本は、10月8日、なんと自らの提案で『NHKのど自慢』での新曲披露時、歌唱中にメロイックサインを決めるという、前代未聞のパフォーマンスに出る。

 

「1番から3番まで、サビの歌詞に『しんしんと』を2度、繰り返す箇所があるんですけど、1番の最初の『しんしんと~』で、右腕を真上に突き上げる形でメロイックサインをやってくれたんですよ。その放送を観てくれたメタルファンの人たちが、また話題にしてくれて。それがきっかけで、そのあと何回か歌番組に出てるんですけど、全部でそれをやってます。

 

 さらに『NHKのど自慢』に出演した日は、そのあと、愛知県に移動してお祭りの営業があったんです。そこで歌う際も、歌の前に、山本がお客さまへ『僕がここでこう(メロイックサインを)しますので、その真似をしてください』という説明をして、2番、3番のサビのところでは、おじいちゃん、おばあちゃんも、みなさん一斉にザッとメロイックサインを掲げてくれました(笑)。あれは、なかなかすごい光景でしたね」

 

 山本譲二の存在、曲を知ってもらうことは大前提だが、それ以上に、ジャンルを超えて“いい音楽”を評価してもらいたいというのが、S氏の純粋な思いだ。

 

「たとえばメタルも、メタルとかヘビメタという、ふわっとしたジャンルでひとくくりにされてしまうところがありますが、あまりほかのジャンルの音楽が好きな人から『いいよね』って評価されるジャンルではないんです。そこは演歌と通ずるところがあるな、と思っていて。これは山本も言っているんですけど、『演歌』という呼び方も含めて、変革の時期に来ているんじゃないかなと思うんですよね。

 

 というのも、それこそ僕らの若いころは『ザ・ベストテン』や『夜のヒットスタジオ』など、アイドルとロックミュージシャンと演歌歌手が一緒に出るような歌番組があって、僕らもそれを観て、演歌を知る機会があったわけです。けど、いまはそういう番組もない。だから、若い人たちに知ってもらうきっかけさえあれば、『あ、演歌もいい曲あるじゃん』って感じてくれる方はいると思うんです」

 

 メタル化計画によって、「まずは山本譲二の存在を知ってもらう」という意味では、S氏の狙いは十分に成功していると言えるだろう。

 

 ちなみに、本誌は山本譲二本人にも質問を送っており、それについては以下の回答が返ってきた。

 

Q1. 山本譲二メタル化計画をどのくらい理解していますか?
A:充分に理解はしていないが“漢らしさ”を出すことだと思っている。

 

Q2. “メタル”はどんな音楽だと思いますか?
A:ロックより激しい音楽でギターをギンギンに演奏する。

 

Q3.メタル化計画を進めていることについてどう思いますか?
A:最初は何もわからなかったが、Tシャツの売り上げがいいと聞いて、デザインもだんだん好きになってきた。ものすごく目立ってカッコいいんじゃないかと思っている。

 

Q4. マネージャー(S氏)が取材を受けることについてどう思うか?
A:ビックリ。この取材をきっかけにSを“師匠”と呼ばせていただきます。

 

 S氏いわく「細かいことをガタガタ言わない」山本の男らしさが、なんともあふれる回答だ。

 

 2024年で、歌手生活50周年を迎える山本譲二。73歳にして、初めてメロイックサインを覚えた演歌界の大御所が、次に何をやってくれるのか楽しみだ。

( SmartFLASH )

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