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『ONE DAY』江口洋介は二宮和也を裏切るのか? 安易すぎる “衝撃展開” ならウンザリ【ネタバレあり】

エンタメ・アイドル 投稿日:2023.12.11 11:00FLASH編集部

『ONE DAY』江口洋介は二宮和也を裏切るのか? 安易すぎる “衝撃展開” ならウンザリ【ネタバレあり】

 

 クライマックスも安易すぎる “衝撃展開” で、お茶を濁すのではないかと心配になる『ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~』(フジテレビ系)。

 

 嵐・二宮和也中谷美紀大沢たかおという大物たちによるトリプル主演作として、鳴り物入りで始まった月9ドラマ。クリスマスイブのたった1日の出来事を1クールかけて描いていき、3人の主人公の物語が交錯していくというチャレンジングな試みで話題を集めた。

 

 

 しかし、フタを開けてみると、話が遅々として進まないとか、シンプルにおもしろくないとか、酷評が多数噴出。

 

 世帯平均視聴率(ビデオリサーチ調べ/関東地区)も初回から7.8%と微妙な数字でスタートしたと思ったら、第2話で一気に5.5%まで下落して、第6話で4.6%にまで落ちた。先週放送の第9話も5.1%を記録しており、視聴率が絶対的指標ではない時代と言えど、フジの看板枠でこの推移はヤバすぎる。

 

※本稿には、『ONE DAY』第9話までと『VIVANT』最終話のネタバレがあります。未視聴の方はご注意ください。

 

■第8話で明かされた事実は、まったく衝撃的でなかった

 

 二宮が演じるのは、記憶喪失で目覚めると、そこに銃殺された死体が横たわっており、殺人容疑をかけられて警察に追われる逃亡犯・勝呂寺誠司役。

 

 中谷が演じるのは、自身で立ち上げた報道番組の終了を告げられ、最後に誠司の事件を特集しようと躍起になる地方テレビ局のキャスター・倉内桔梗役。

 

 大沢が演じるのは、店に誠司が侵入して来たことで秘伝のデミグラスソースの寸胴鍋を倒してしまい、てんやわんやする老舗レストランのシェフ・立葵時生役。

 

 誠司がかかわる殺人事件の真相が本作最大の謎となっており、この事件にあとの2人の物語もどんどん巻き込まれていく構図になっている。

 

 さて、誠司は違法薬物を売りさばく犯罪組織のメンバーで、誠司自身がそれを聞かされて驚いていたが、筆者は第1話を観た時点で、彼が実は警察の人間で組織に潜入捜査しているのではないかと予想していた。その予想は的中し、第8話の時点で本当の彼は警察官だと明かされたのだ。

 

 誤解なきよう言っておくと、予想が当たってすごいだろうと自慢したいわけではない。

 

 警察の人間が悪の組織に潜入するなんていうのは、さまざまなドラマ、映画、アニメでさんざんこすられた設定で、一例だがアニメ『名探偵コナン』で大人気の安室透というキャラがまさに同じようなことをしている。

 

『ONE DAY』の制作チームは、誠司が警察官だという設定を “衝撃” として用意していたのかもしれないが、その程度のネタを隠し玉として後半にとっておいたのだとしたら、あまりに安直すぎやしないか。おそらく多くの視聴者が「ああ、やっぱりね」と思ったに違いない。

 

■『VIVANT』最終話のようにいい意味で予想を裏切ってほしい

 

 第9話終了時点で、誠司に潜入捜査を命じていた警視庁の管理官・蜜谷満作(江口洋介)が、誠司を裏切って彼ごと犯罪組織を撲滅するという計略を語っている。

 

 蜜谷はその計略を神奈川県警捜査一課長の前で明かしたのだが、おそらくブラフ。捜査一課長かもしくは他の警察内部の人間が犯罪組織と裏でつながっていると見ており、真の内通者をあぶり出そうと一芝居打っている可能性が高い。

 

 要するに、蜜谷は誠司を切り捨てるフリをしているだけで、実はもう最終局面まで見越して、2人は結託しているのではないか。

 

 さらに予想するなら、誠司にとって弟分的な犯罪組織のボス・笛花ミズキ(中川大志)だけは、逮捕されずに逃がしてやるように、誠司と蜜谷で密約を交わしているなんてこともありそう。普通なら警察が犯罪者を逃がすのは考えにくいが、蜜谷はもともと目的達成のためなら違法捜査もいとわないタイプのため、組織壊滅を条件に誠司のお願いを聞いてやるという展開はありえる。

 

 ……この考察はたいして難しくもなく、ある程度ドラマや映画を観てきた人ならばすぐに思いつくオーソドックスな予想である。本当にこの筋書きをクライマックスの “衝撃展開” として用意しているとしたら、あまりに安易すぎてウンザリしてしまうので、できれば予想は外れてほしい。

 

 だが、本作の制作チームは、第1話の時点で容易に予想できた潜入捜査説を、後生大事に物語後半まで取っておいたぐらいなので、かなり心配なのである。

 

 余談だが、前クールで大ヒットした日曜劇場『VIVANT』(TBS系)は、考察ブームを巻き起こしていた。けれど、最終話で別班、公安、テントの3勢力が協力して、同じ陣営として横並びに座る “画” をドンピシャで当てた人がどれだけいただろうか。

 

 もちろんなかには予想的中した人もいるだろうが、当てた人はごくごく少数で、大多数の視聴者はいい意味で予想を裏切られたに違いない。けれど、それによってさらに物語に引き込まれ、最終話を夢中になって楽しんだはずだ。

 

『ONE DAY』も、今夜放送の第10話以降のクライマックスで、『VIVANT』が与えてくれた想定外の展開の快感を味あわせてほしいものである。

堺屋大地

恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。『日刊SPA!』に恋愛コラムを連載中。ほに『現代ビジネス』『文春オンライン』『集英社オンライン』『女子SPA!』などにコラムを寄稿

( SmartFLASH )

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