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朝ドラ『ブキウギ』小雪演じる “ラスボス” のモデルは吉本興業創業者「吉本せい」…孫娘が本誌に語っていた豪快伝説
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2023.12.15 19:30 最終更新日:2023.12.15 19:30
12月15日、NHK連続テレビ小説『ブキウギ』第55話が放送され、次週のあらすじも公開された。主人公・福来スズ子(趣里)のファンだという村山愛助(水上恒司)は、日本随一の演芸会社「村山興業」の御曹司。そして、同社の社長夫人として、村山トミが登場した。演じるのは小雪だ。
《学生のお母さん小雪さんか。うわぁ~やな感じしかないけど笑》
《来週登場の愛助ママが小雪さんなのでちむどんどん保奈美さんママみたくちょっと期待してる》
《おお-!いよいよ来週登場か-!迫力が…小雪さん、ラスボス感ある》
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と小雪を歓迎する声がいくつも上がっている。
初の朝ドラ出演となる小雪は、出演にあたって
《大阪の歴史ある興行を作られたやり手女社長 村山トミを演じさせていただきます。スズ子にとっては大きな壁となる存在ですが、トミの包擁力やポジティブなエネルギー、母としての深い愛も表現できればと思っています》
とコメントを寄せている。
「ドラマに登場する村山興業のモデルは大手芸能プロダクション・吉本興業といわれています。史実では、主人公スズ子のモデルとなった笠置シヅ子は、吉本興業の御曹司・吉本穎右(よしもとえいすけ)と恋に落ちます。つまり、小雪さんは吉本興業の創業者・吉本せいをモデルに演じるわけです。
実は、朝ドラ『わろてんか』(2017年)では、葵わかなさんが吉本せいをモデルにした女性を演じています。そのため、SNSでは《葵わかな=小雪?》《わろてんかでも史実でも結婚は反対されてたよね。悲恋だったけど、どういう脚本のなるやら…》といった声があがっています」(芸能記者)
『わろてんか』放送時、本誌は吉本せいと、夫・吉本泰三の人となりを取材している。せいは1889年、大阪の米穀商の三女として生まれた。小学校を卒業すると花嫁修業もかねて船場の商家に奉公に出される。そして18歳で一流料亭に箸を卸す老舗の問屋「箸吉」の5代目主人、泰三に嫁いだ。
『笑売人 林正之助伝』の著者・竹本浩三氏が、当時、本誌の取材にこう語っている。
「夫の泰三はボンボンらしい温厚な性格の男でしたが、商売そっちのけで芝居見物や芸者遊びに夢中の毎日。しまいには馴染みの芸人らを引きつれ、家にも帰らず、1年以上旅巡業に出てしまった」
主人不在の店の経営がうまくいくはずもなく、あえなく廃業。その後、泰三が新たな事業として目論んだのが、趣味を生かせる寄席だった。せいの実家と高利貸しから借りた資金で小さな寄席から始めた経営は、せいの尽力でどんどん規模が大きくなった。
「せいの父は、嫁の実家に住みついて働きもしない泰三に腹を立て『もうあんな男とは別れてしまえ!』と激怒しました。ところが、せいは頑として別れなかった。常に夫を『大将』と呼び、つき従っていたのです」(竹本氏)
せいの人柄について、孫娘・吉本圭比子さんにも話を聞いている。
「火事になると飛んで出て、『吉本でっせ』と困っている人におにぎりを配って回る。まあ、宣伝ですよね(笑)。でも、その根っこには、困った人が目の前にいるのをほっとけへんという、おばあちゃんならではの人情味がありました」
通天閣の展望台で、大阪の街を見渡しながら「大阪にはぎょうさん寄席がありますけど、いつかみんな吉本の寄席にしていきましょな」とせいは夫に約束したという。その言葉どおり、創業からたった11年で国内に41軒もの寄席を開くまでに急成長。夫の死後もせいは精力的に活動し、現在に続く吉本の基礎を築き上げていく。
1938年には、赤字で買い手がつかなかった思い出の通天閣を、周囲の反対を押し切って買収する。価格は現在の価格で17億円。展望台に上がったせいは「約束どおり大阪の寄席という寄席はみんな吉本になりましたで」と泰三の遺影を取り出して語りかけたという――。
はたして小雪は、どんな女興行師を演じるのか。来週以降の朝ドラに期待だ。
( SmartFLASH )