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『マイ・セカンド・アオハル』は“不発”だったが、広瀬アリスにとって“マイナス”にならなかった深い理由【ネタバレあり】
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2023.12.20 16:55 最終更新日:2023.12.20 17:04
主演ドラマが不発に終わった広瀬アリス。だが、収穫はあったし、そろそろ次のステップに進んでもいいころ合いなのではないか。
12月19日に最終話(第10話)を迎えたラブコメディ『マイ・セカンド・アオハル』(TBS系)。
運のなさと間の悪さの連続で、人生のどん底にいたアラサーOL・佐弥子(広瀬)が、夢だった建築の仕事をするために、高校時代に受けられなかった大学受験に挑戦し、建築学科の大学生になるというストーリー。
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同じ学科の学生たちが集まるシェアハウスに住めることになり、年下の同級生や先輩らとキャンパスライフを謳歌していくなかで、年下のイケメン先輩・拓(なにわ男子・道枝駿佑)と恋愛関係になっていく。
■【ネタバレあり】仕事も恋もうまくいく万全のハッピーエンド
第1話で大学に入学し、最終話で大学卒業するまでの4年間を描いた本作。
第6話で、拓から正式に告白されて恋人同士になっていたが、彼がスイスの有名建築家からスカウトされたことなどがあり、最終話スタート時点で2人は別れていた。
そんななか、佐弥子が憧れていた建築家・日向(安藤政信)に抱きしめられている姿を、帰国していた拓に偶然見られてしまうなどのちょっとした波乱はあったが、最終話ラストでお互いの気持ちを確かめ合って復縁。
また、佐弥子は大手設計事務所から内定をもらっていたものの、本当に自分がやりたいことを見つめ直し、リフォームやリノベーションなどを手がける小さな事務所に就職することを決断。
こうして無事に学生生活を終え、仕事も恋もうまくいく万全のハッピーエンド。『マイ・セカンド・アオハル』というタイトルに偽りなしで、確かに主人公が2度めの青春を送るストーリーだった。
正直、放送開始前は「年下男子相手のしゃらくさいラブコメドラマなんじゃないか」と思ってさほど期待していなかったが、上から目線で恐縮だが「意外とおもしろかった」というのが総括的な感想。
そう思えたのは、とにかく広瀬アリス演じる主人公が魅力的だったからという理由に尽きる。
広瀬といえば、目鼻立ちがはっきりとした正統派美女だが、不運やドジで次々とトラブルに見舞われる今作の役を振り切った三枚目演技で好演。見た目とのギャップも好印象で、愛されヒロインに昇華させていた。
あれだけの美形でありながら、コメディエンヌの才能がある広瀬アリスという俳優は、芸能界広しといえど、なかなか稀有な存在に違いない。
じつは、広瀬が主人公やヒロインを演じるGP(ゴールデン・プライム)帯の連ドラは、3作連続で恋愛もの。しかも、相手はすべて旧ジャニーズタレントだった。
2021年放送の『知ってるワイフ』(フジテレビ系)は、主演は関ジャニ∞・大倉忠義だったが、大倉と広瀬によるラブストーリーなので、実質ダブル主演のような作品だった。
2022年放送の『恋なんて、本気でやってどうするの?』(フジテレビ系)は、広瀬主演でSixTONES・松村北斗が相手役を務め、そして今回の『マイ・セカンド・アオハル』はなにわ男子・道枝駿佑が相手役。
このように旧ジャニタレ相手の恋愛ものが続いていたが、そろそろGP帯でも恋愛ドラマ以外の作品に主演し、次のステップに進んでもいい頃合いな気がする。
たとえば、コメディタッチの医療系やリーガル系のお仕事ものドラマなんかはハマりそうである。
さらに欲張るなら宮藤官九郎、福田雄一、上田誠といったコメディ界の名手が、脚本や監督を務めてくれれば言うことなし。抜群のギャグセンスがある彼らなら、広瀬のコメディエンヌのポテンシャルをMAXまで引き出してくれそうだ。
――『マイ・セカンド・アオハル』の世帯平均視聴率(ビデオリサーチ調べ/関東地区)は、5%台と4%台を行ったり来たりする低水準だったが、最終話は自己最高となる6.0%を記録した。
ヒットと呼ぶにはほど遠い“不発”に終わったが、最終話で初回視聴率を超えたのは、固定ファンをガッツリ掴めていた証拠。次回の彼女の主演作に期待したい。
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。これまで『女子SPA!』『スゴ得』『IN LIFE』などで恋愛コラムを連載。現在は『文春オンライン』『現代ビジネス』『集英社オンライン』『日刊SPA!』などに寄稿中
( SmartFLASH )