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桑野信義「オムツでも恥ずかしくない」人工肛門やめて心境変化…排泄障害のつらさを医師が解説
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2024.02.14 06:00 最終更新日:2024.02.14 06:00
タレントでミュージシャンの桑野信義氏が、現在闘っている排泄障害についてブログに綴った。
桑野氏は、2021年2月に大腸がんの手術をおこない、人工肛門(ストーマ)をつけた。そして同年5月、人工肛門を取り、腸をつなぎ合わせてお腹に戻す手術を受けた。これで自身の肛門から排便できるようになったが、しばらく「地獄のリハビリ」の日々が続いたと、過去のインタビューで答えていた。
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そして2024年1月4日、桑野氏は《人工肛門を閉じてからの後遺症で排便障害になってしまい トイレラッシュに襲われる》とブログに投稿。また2月10日には、手術当時、人工肛門の自分が《恥ずかしかった》が、社会には老若男女のオストメイト(人工肛門や人工膀胱を造設した人)がいるのを知り、《恥ずかしいと思っていた自分がすごく恥ずかしくなった》と明かした。
さらに、排便障害のためオムツをつけていることも《ちっとも恥ずかしくない》とし、《同じ障害を持つ人たちの役に立たればということ 少しでも自信を保って欲しいので 隠さずこれから発信していきます》と、“がんサバイバー” に向けてメッセージを送った。
人工肛門を取った後の排便障害とはどのようなものか。医師で東大大学院客員研究員の柳澤綾子氏が解説する。
「桑野さんは、大腸がん手術にあたり、あらかじめ抗がん剤で腫瘍を小さくしてから切除したようです。そして、いったん人工肛門をつくって様子を見て、問題がなかったので、もう1回、腸をつなぎ直しました。
このように、術後、腸管の縫合不全や他臓器の損傷などがないとわかってから、残っている腸管どうしをつなぐ方法はよく取られます。
後遺症については千差万別ですが、桑野さんのがんはステージIIIb、リンパ節転移があるというかなり進行した状態で見つかり、手術も15時間に及んだということで、怪しい組織を細かく取ったのだと思います。そのため、周囲の神経も一緒に切れている可能性があります。
直腸は、便を固形にまとめ、貯めて出すという仕事をしていますが、それを司る神経が機能しないと、便が自覚もなくちょろちょろ出続けたり、何かの拍子に漏れたりします。それが排便障害です。
括約筋が衰えている程度であれば、再び使うことで半年くらいでもとに戻ることもありますが、桑野さんの場合、4年近く排便障害が続いているので、この後もつき合っていくことになると思われます。それならば人工肛門を残すという人もいます。どちらのほうがQOL(生活の質)が高いか、個人の価値観による選択ということです」
意図せず便が漏れるのをいやがり、なるべく食べない、飲まないようにする人もいるが、脱水になる可能性もあり、やはりおむつが現実的という。
「桑野さんのように、オムツを履き、その上にパッドをつけて、さらに小さい布を敷くという形が一般的です。少し漏れただけなら布を替える、少し量が多かったならパッドを替えるという方法が、経済的、時間的なコスト節約になり、持ち運びにも便利です。
オストメイト患者会やバックアップ組織は多いのですが、ストーマを外して後遺症に苦しむ方が話し合える場が少ない。ですから、桑野さんが排便障害について啓蒙活動をすることは、多くの人の励みになるでしょう」(柳澤氏)
2022年夏には、ラッツ&スターのメンバーとしてフジロックの舞台にも立った桑野。これからも元気な姿を見せ、人々を勇気づけてほしい。
( SmartFLASH )