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「漫画家・鳥山明」を生んだ初代担当編集が追悼の言葉「待ってろよ。君以上の才能を見つけるから」

エンタメ・アイドル 投稿日:2024.03.26 17:20FLASH編集部

「漫画家・鳥山明」を生んだ初代担当編集が追悼の言葉「待ってろよ。君以上の才能を見つけるから」

鳥山明さんの初代担当編集を務めた鳥嶋和彦氏(写真・時事通信)

 

 漫画編集者・鳥嶋和彦氏が、3月25日放送の『TOKYO M.A.A.D SPIN』(J-WAVE)で『ドラゴンボール』『Dr.スランプ』などで知られ、3月1日に亡くなった漫画家鳥山明さんを追悼した。

 

 鳥山さんの初代担当編集として、13年にわたって伴走を続け、『Dr.スランプ』に登場する「Dr.マシリト」のモデルとなったことでも知られている鳥嶋氏。

 

 

 自身が編集担当を外れて、『ドラゴンボール』の最後のエピソードとなった「魔人ブウ編」について「つまらない」とバッサリ切り捨てた。当時、連載をやめたがっていた鳥山さんについて「パンクしてるのに、クルマを走らさなきゃいけない。車輪だけじゃなく、クルマも痛む。自分ならスパッと(連載を)やめている」と回想。「適正な時期にやめていたら、もう1本、描けていたかもしれないし、描けなかったかもしれない」と『ドラゴンボール』に続く長期連載が生まれた可能性があったことを悔やんだ。

 

 当時、副編集長となったことで、担当を外れざるをえなかったが「いまだったら、鳥山くんと(『ウイングマン』『電影少女』の)桂(正和)と(『DRAGON QUEST -ダイの大冒険-』の)稲田(浩司)を連れて、(会社を)辞めるかも」と、自身が見出した3人の漫画家とともに、新会社を作っていた可能性を示唆した。

 

 また鳥山さんの人柄について、締め切りを必ず守り、感情をあらわにするようなことのない、穏やかな人だったと振り返った。それでも、『ドラゴンボール』を続けながら、別の読み切り作品を執筆することになった時期に鳥山さんが「腱鞘炎でペンが持てない」と言い出したことがあったという。

 

 そんな鳥山さんに対面した鳥嶋氏は「名前、書いて」と紙を渡した。ふだんどおりに文字を書いた鳥山さんを見て、鳥嶋氏は「手、震えてないじゃない」とツッコミを入れた。鳥山さんは、あぜんとしていたという。

 

 鳥嶋氏は「珍しく感情をあらわにしたというか。メンタルなものもあったと思う」と、同時に2作執筆していた鳥山さんを慮っていた。鳥山さんには、若手のころに何度もボツを出すなど、厳しくもしてきたが、「ちゃんと気を使っている」と、期待をしていたからこそのダメ出しだったと明かした。

 

 担当中は、毎日、欠かさず電話をかけ、「電話の声や何気ない話から、体調はわかる」として、体調面も含め、つねに鳥山さんがマンガだけに集中できる環境づくりに配慮していたことも語っていた。

 

 さらに「編集者・鳥嶋和彦の成功は、鳥山明と出会ったことから」と、心からの感謝を伝えていた。自身の今後については「涙を流す暇があったら汗を流せ」と、感傷に浸らずに編集者としての仕事に励むという。

 

「鳥山明に対する最大の贈る言葉は『待ってろよ。君以上の才能を見つけるから』」と、新たな才能を見つけることを宣言していた。

 

 鳥嶋氏の話にSNSではさまざまな意見が書き込まれた。

 

《2人の人柄が詰まったエピソード満載で涙が誘われる》

 

《厳しくも温かい、親心にも似た鳥山先生への愛情が、鳥嶋さんの言葉に詰まっていた気がします》

 

《できるものなら永久保存にしたいぐらい素晴らしい放送だった。お二人が根底で共有していたのが「まだこの世の中で見たこともないような面白いものを作る」だったと。真似できるものではないけれど、学びたい》

 

「鳥嶋さんは番組で、鳥山さんとのユニークな会話の一端も話していました。

 

 FAXでやり取りしていた時代、鳥山さんから『停電で送れない』と電話で言われ、鳥嶋さんは『ウソ言うな』と、愛知県に住んでいた鳥山さんに『中部電力に確認する』と告げたそうです。

 

 すると、本当に停電しており、鳥嶋さんは『彼はものすごく怒った』と明かし、『ひたすら謝った』と苦笑していました。

 

 漫画家の条件について『好奇心がある』『負けず嫌い』『体力がある』と明かし、鳥山さんはその3つを兼ね備えていたことを明かしていました」(芸能ライター)

 

 鳥山さんを“最初の読者”として、支えてきた鳥嶋氏。天国の鳥山さんも驚くような、新たな才能の発掘に期待したい。

( SmartFLASH )

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