「楽屋も隣、移動のバスも隣、休憩時間も隣、どんなときも私の隣には麻友がいました。麻友がAKB48のためにいっぱいいっぱい頑張ってくれたこと、みんなよくわかっています。そして、感謝しています」
渡辺麻友(23)とともにチームBを牽引してきた柏木由紀(26)は、声を詰まらせながら手紙を読み上げた。まゆゆは笑顔で涙を拭った……。
AKB48の劇場デビューを知る “観客神7” の一人、「スクランブルエッグ」編集長の岡田隆志氏が語る。
「2人の関係性がよく現われていたシーンでしたね。ゆきりんはまゆゆのお母さん的存在で、2人だけで共有している歴史がいっぱいあったんだ、ということが窺えました」
10月31日、「渡辺麻友卒業コンサート~みんなの夢が叶いますように~」(さいたまスーパーアリーナ)に、1万7000人のファンが集結。前出の岡田氏が、彼女の思いを代弁する。
「まゆゆが卒コンのオープニングとアンコールに選んだのは、『初日』という曲でした。
3期生の彼女が所属した初代チームB初のオリジナル公演『パジャマドライブ』の1曲めです。その『初日』の歌詞には、彼女たちの特別な思いがこめられています。また、AKB48の楽曲の総選挙、『リクエストアワー』(2009年)で1位を獲ったこともある代表曲です。それだけ、チームBのメンバーにとって大切な曲。
コンサートのサブタイトル『みんなの夢が叶いますように』という言葉は、『初日』を歌う直前に、チームBメンバーが円陣を組んで叫ぶ掛け声です。じつに、まゆゆらしい選択ですね」
渡辺麻友がフロントとして在籍したユニット『渡り廊下走り隊』、自身のソロ曲などのほか、まゆゆ選抜によるAKB48のヒットソングも披露した。
「彼女が考えるAKB48のアイドルとしての王道路線をできるだけ凝縮した内容でした。卒コンなので、まゆゆにスポットライトが当たるのは当然ですが、選抜16人が目立つように考えられていて。
彼女がAKB48グループの未来を託す後輩としてセレクトしたメンバーが興味深い。向井地美音、小栗有以の2人のほか、チームBの後輩として期待をかけている福岡聖菜、チーム4の川本紗矢をプレゼンしていたのが、まゆゆらしくてよかった」(岡田氏)
最後の曲は、彼女がAKB48を知るきっかけになった『桜の花びらたち』。「目の前の大人の階段 一緒に登って手を振ろう」と歌い、感動の卒業コンサートは幕を閉じた。
(週刊FLASH 2017年11月21日号)