女優・奈緒主演の映画『先生の白い嘘』をめぐる騒動が、いまだに尾を引いている。映画の公式サイトから、ある表現がひっそりと削除されていたことがわかったのだ。
「男女の性や心情に向き合った今作で、奈緒さんは、撮影における性的描写について、制作陣と出演者の間に入ってサポートするインティマシー・コーディネーターを入れることを希望したそうです。
【関連記事:奈緒 “インティマシーコーディネーター” 騒動に原作者が後悔の念「怒りとやりきれなさが伝わってくる」SNS大荒れ】
しかし、三木康一郎監督は、7月4日に公開された『ENCOUNT』インタビューで、『監督と女優の間に人を入れたくなかった』という理由から断ったと明かし、波紋を広げていました」(映画関係者)
5日におこなわれた舞台あいさつで、三木監督は「私の不用意な発言により、みなさまに多大なご心配とご迷惑をおかけしたことをこの場で謝罪したいと思います。本当に申し訳ありませんでした」と謝罪。
だが、「不用意な発言」ではなく、現場で「インティマシーコーディネーター」導入を断ったこと自体が問題なのに、という指摘も多く、当分監督に対する批判は収まりそうにない。
さらに、多くの人が引っかかったのが、映画の公式サイトに掲載されていたあらすじだ。奈緒が演じる原美鈴と、風間俊介演じる早藤雅巳とのシーンについて「早藤を忌み嫌いながらも、快楽に溺れ、早藤の呼び出しに応じてしまう美鈴」とつづられていた。
だが、今作は性被害が大きなテーマであり、美鈴は早藤に性行為を強要され、勝手に撮られた写真で脅される場面もある。そうした状況で、美鈴の行為を「快楽に溺れ」と描写したことに、X上で多くの批判と絶望が集まっていた。
《この監督、被害者に「でも気持ち良かったんだろ?」って思ってるって事だよね…キモ》
《『先生の白い嘘』原作を読みましたが、どこが「快楽に溺れ」ていたのか1ミリもわからなかった。加害者に性被害を公言されたり動画を流布されるのを恐れて、友人にも相談出来ず、加害者の言う事聞かざるを得ない被害者でしかなかった》
《痛みと絶望を感じながら「女に生まれてしまった自分が悪い」と卑下して生きる主人公の気持ちが辛すぎて吐き気がするような内容なのに「快楽に溺れ」ってどうしたらそう思えるの?》
《監督、原作が好きなんじゃなく性的描写が好きなだけだったんじゃ?だから実写で再現したくて、間に人を入れたくなかったなら辻褄合う》
ネットでの批判をうけてか、現在公式サイトでは「快楽に溺れ」の言葉が削除されている。制作側のあまりにずさんな認識が、公開初日から露呈する事態となってしまった。
( SmartFLASH )