8月2日と5日に「東京オペラシティ コンサートホール」で開催される予定だった音楽フェス「LTW festival」に、それぞれ出演を予定していた斉藤和義と銀杏BOYZが、同フェスの出場を辞退。フェスそのものも中止となった一件は、いまだ謎だらけだ。
「LTW festivalは英国を代表する音楽誌『Louder Than Warマガジン』と、BSフジが主催のイベントで、2日には斉藤和義が、5日には銀杏BOYZが出演予定でした。公式サイトの事前アナウンスでは、彼らにくわえ、女性だけの弦楽器オーケストラ『Q STRINGS』とのコラボにくわえ、英国からサプライズなスペシャルゲストを招くとしていました。
また、8月15日には斎藤が、17日には銀杏BOYZが、イギリスのアビーロード・スタジオでスベシャルゲストアーティストとレコーディングセッションを収録する計画で、同公演のチケット購入者だけに限定ストリーミング公開される予定でした」(芸能記者)
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ところが、開催が間近に迫った7月25日、斉藤和義がXを更新。8月2日開催予定のLTW festivalについて、
《主催者側との契約条件が折り合わないこと、公演の準備も十分に進められないことから開催は不可能と判断し、やむを得ず出演をキャンセルいたします》
と、出演辞退を発表。翌26日には、銀杏BOYZもXで出演辞退を発表する異例の展開に。斉藤と銀杏BOYZの辞退を受けてか、7月27日には、イベントそのものの中止が発表された。
「斎藤サイドは、出演事態にいたった経緯を《主催者側とは開催を目指して協議を重ねてきましたが、度重なる約束違反や一方的な条件変更などがあり、残念ながら最後まで信頼関係を構築することができませんでした》と説明しました。
一方、銀杏BOYZも、《当初から「LTW festival」の出演を持ち掛けてきた仲介者を名乗る人物を通じてしか連絡、協議を行うことができない状況でした》として、運営側の不誠実な対応を明かしていました。
ところが、運営側は運営側で、《英国共演者のクリエイティブチームの判断により、共演辞退が通知されました》と、言い分が食い違っており、憶測が憶測を呼んでいる状況です。一部では、過去にも音楽フェスを直前で中止する騒動を起こしたことのある音楽プロデューサーが関わっていたと噂されていますが、真偽は定かではありません」(同前)
すでにチケットを購入しているのに、運営側の勝手な事情で振り回されるファンにしてみたら、たまったものではないが、近年、この手の音楽フェスの中止が立て続けに起こっているという。
「実は2023年だけでも、野外アニソンフェス『Aichiアニソンフェス』、K-POPのライブイベント『THE SHOW LIVE in TOKYO』、音楽ジャンルの垣根を超えた大型フェス『X-CON』と、3つの大きなフェスが開催直前で中止を発表し、大きな波紋を呼びました。
今年の8月1日には、9月8日に焼津港で開催予定だった無料音楽フェス『MINATO RISE』の中止が発表されたばかりです」(音楽ライター)
なぜ、こうしたフェスの中止が続いているのか。
「ひとことでいえば、音楽フェスって、中止にしてもマイナスにならない仕組みになっているんです。フェスにはたいていの場合、“イベント保険” がかけられており、興行が中止になっても、保険会社がマイナス分を支払ってくれるわけです。おそらく『LTW festival』もフェスの保険に加入していたのでしょう。
少なくとも、会場代、スタッフ費用、交通費、移動費、機材車の移動費など、すべて保険で賄われるので、それほどマイナスにはならないんですよ。もちろん保険に加入するために運営側はお金を払う必要はありますけどね。
つまり、“最悪保険がある” という理由で気軽にフェスの計画をぶち上げる “無責任” 主催者が増えているということです。中止の理由はそれぞれあり、仕方のない原因もあるでしょうが、一度やると決めてチケットを売った以上、どんなことがあってもやり通すという責任感が欠如しているんです。
そもそも、事前にどれぐらいしっかりとしたプランニングができていたのかも疑問ですよ」(同前)
運営側はよくても、問題は呼ばれていたアーティスト側だ。
「今回、LTW festivalに出演予定だった斉藤和義さんと銀杏BOYZさんは、ともに自ら出演辞退ですから、おそらくギャラも入らないでしょう。まして、アーティスト側は、イベント当日に向けてスケジュールを割いているし、場合によっては、スタジオに入って練習していた可能性もある。
そうなると、それらはすべて自費ですよね。運営側はマイナスを被らなくても、アーティスト側は被害を被るわけです。
アーティストの気持ちを踏みにじるような、フェスをやるといって潰すみたいなことが続いているので、この風潮をどうにかしてほしいと切に願います」(同前)
もちろん、楽しみにしていたファンの心も裏切られることになる。
( SmartFLASH )