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神木隆之介『海に眠るダイヤモンド』物語にいまいち引き込まれない原因、さほど気にならない “3つの謎” とは?
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2024.11.10 11:00 最終更新日:2024.11.10 11:00
TBSが誇るドラマの看板枠「日曜劇場」で、11月3日(日)に第2話まで放送されている神木隆之介主演の『海に眠るダイヤモンド』。
今後おもしろくなっていきそうな予感はあるが、率直に言って、今のところストーリーにグイグイ引き込まれる感覚は薄め。その理由は “3つの謎” にあるように思う。
■“どこ” に向かう物語なのかがわかりづらい
1955年の軍艦島(長崎県・端島)を描く過去編と、2018年の東京を描く現代編の2軸でストーリーが進行しており、神木はその2つの時代の主人公を一人二役で演じている。
過去編の主人公・鉄平は端島で生まれ育った明るく真っ直ぐな性格。長崎にある高校・大学に進学していたが、卒業後は帰郷して端島の炭鉱業を仕切る大手企業の職員に。故郷を盛り上げていきたいという気持ちを胸に、奮闘していく。
現代編の主人公・玲央は、いまいち人気の出ない金髪ホスト。夢も希望もやる気もなく、抜け出せない日々のなかで心を少しずつすり減らしていたが、端島が故郷だという富裕層の老婦人・いづみ(宮本信子)に気に入られて――という展開。
過去と現在、70年にわたる愛、青春、友情、家族を描くヒューマンラブエンターテインメントだ。
そんな『海に眠るダイヤモンド』、現時点で3つの謎がある。
1つめは、鉄平と玲央の関係性。
2つめは、老婦人・いづみの正体。
3つめは、現代編の意味・目的。
1つめの謎は、両時代の主人公はどちらも神木が演じているので顔がソックリなのだが、2人の関係性はまだ明かされていない。時代を超えた瓜二つのキャラは、オーソドックスに予想すれば子孫だろうが、血縁関係のないまったくの他人という可能性もある。
2つめの謎は、いづみは端島が故郷なので過去編にも登場している主要キャラの誰かの可能性が高いが、正体は不明。過去編では杉咲花、土屋太鳳、池田エライザが演じる3人のヒロインが登場しているので、このなかの誰かなのだろうが判明していない。
3つめの謎は、現代編でなにを描こうとしているかが、いまいち判然としていないこと。過去編は端島を盛り上げていきたいという鉄平のモチベーションが明確だが、現代編の玲央は目標も目的もないので、“どこ” に向かっていこうとしている物語なのかがわからない。
■映画『ラストマイル』チームの安定感と信頼感
このように3つの謎があるのだが、正直それぞれの謎の “吸引力” が弱いため、まだこの作品に没入できていないという視聴者は多いのではないか。
SNSなどのネット界隈でいちばん盛り上がっているのは、2つめのいづみについての考察なのだが、ヒロイン3人のうち誰の未来の姿でもたいして驚かないし、そもそもいづみの正体が誰かというのもそこまで気にならないのだ。
いづみの存在以外は過去編と現代編がほぼリンクしていないので、ストーリーの全容がわかりにくいのも難点に感じる。
さて、誤解しないでもらいたいのだが、けっしてこのドラマが「つまらない」と言いたいわけではない。全容や描きたいことがわからない現段階でもそこそこおもしろい。
まず、東西約160m・南北約480mしかない小島のなかに4000人もの人々が住んでいたという、当時の軍艦島での暮らしぶりや島内の構造・ルールなどがリアルに描かれていて、実に興味深い。
また、神木隆之介の脇を固めるキャストが豪華で、たとえば斎藤工、沢村一樹、杉咲花、土屋太鳳と、地上波GP(ゴールデン・プライム)帯の連ドラ主演経験者がズラリと揃っているのだ。さすが「日曜劇場」と唸らされる布陣で、絵面に華があり見応えがある。
本作の制作陣は脚本・野木亜紀子×監督・塚原あゆ子×プロデューサー・新井順子というヒット作を連発しているチーム。この3人で2018年の『アンナチュラル』、2020年の『MIU404』(いずれもTBS系)というヒットドラマや、興行収入50億円超えの今年の大ヒット映画『ラストマイル』を手掛けているので、安定感と信頼感はハンパない。
ここからさらに骨太なエピソードや驚きの展開が描かれ、物語の “吸引力” が増していくことだろう。
――今夜放送の第3話では、過去編は2年後の1957年にジャンプし、現代編は主人公の境遇に大きな変化が起こりそうなので、いよいよグイッと引き込む感覚を味わわせてくれるかもしれない。
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。これまで『女子SPA!』『スゴ得』『IN LIFE』などで恋愛コラムを連載。現在は『文春オンライン』『現代ビジネス』『集英社オンライン』『日刊SPA!』などに寄稿中
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