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中井貴一が語った「母と佐田啓二と小津安二郎」知られざる交友関係
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2018.01.11 11:00 最終更新日:2018.01.11 11:18
俳優の中井貴一と冨士眞奈美が、1月5日放送の「ぴったんこカン・カン」(TBS系)に出演した。
番組で冨士が中井に「貴一さんのお母様って大船(撮影所)のマドンナだったのよね?」と発言すると、中井は「マドンナというか食堂の娘です」と回答。
さらに冨士が「小津(安二郎)先生はじめ、みなさんが好きで憧れたって」と中井の母親について続けると。
中井は「原節子さんの髪型あるじゃないですか、『シニョン』。あれはうちのお袋の髪型なの。最初に原さんが映画にお出になるときに、(小津監督が)メイクさんを呼んで『原くんの髪の毛は益子(中井の母親の名前)にしてくれ』って」と映画の舞台裏を明かしていた。
中井は母親と小津監督の関係についてこう語る。
「いまの週刊誌みたいなのが昔にあったら、小津先生と母は噂になっていたと思いますよ。そのぐらい可愛がってくださって」
いくらお気に入りだったとはいえ、主演女優の髪形にまで反映させるとは、相当な思い入れだ。
中井は「だから俺も聞いたことありますよ、母に。『なんかあったの?』って。そしたら『ない』って」と振り返っていた。
ちなみに、中井の父親は映画俳優の佐田啓二。冨士が「お父様の結婚も小津先生がお勧めになったのかしら?」と質問するも、「まったく違った」と中井は説明する。
「うちの父は当時、小津先生なんかに近づけなかったんですよ。母も京都出、父も京都出。(大船撮影所で)京都弁が話せるのが強烈に嬉しかったんでしょうね。母に引き寄せられるように食堂に行くんです」
しかし、そこは小津監督の行きつけ。そこで中井の父親は、小津監督が来る前に食堂に行き、いざ監督が来るとバレないように勝手口から出て撮影所に戻っていたという。
「いよいよ結婚するってことになったとき、『どうしよう』となって。(母が父に)『言いに行って』となり、佐田啓二が小津先生のところに『益子さんと結婚したい』ってことを言った。すると小津先生は『いいよ、もちろんだよ』って、そこから逆に小津先生と親父が親子みたいになっちゃった」
ちなみに小津監督は2人の結婚式で、同じく映画監督の木下恵介と一緒に仲人まで務めている。中井が語る両親のエピソードから、映画界の古き良き時代の片鱗が伝わってくる。