エンタメ・アイドルエンタメ・アイドル

『無能の鷹』ずっと観ていたい良作だが…最終話のナゾすぎる不可解シーンに思わず深読みも【ネタバレあり】

エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2024.11.30 19:20 最終更新日:2024.11.30 19:20

『無能の鷹』ずっと観ていたい良作だが…最終話のナゾすぎる不可解シーンに思わず深読みも【ネタバレあり】

2024年8月に『無能の鷹』の撮影に臨んでいた菜々緒

 

 11月29日(金)に最終話(第8話)を迎えた菜々緒主演の『無能の鷹』(テレビ朝日系)。

 

 異色のお仕事コメディとして好評を博したが、最終話後半でナゾすぎる不可解なシーンが挿入されていた。

 

 主人公・鷹野ツメ子(菜々緒)は、ITコンサル会社の営業部に所属する新入社員。エレガントな見た目とスマートな所作で超有能な中堅エース級の風格を備えているが、中身は真逆。

 

 

“しごでき” 風なのは表面だけ。PCの起動の仕方がわからない、ダブルクリックやフォルダの意味がわからない、コピー機もまともに使えない、「燃費」を「もえぴ」と読んでしまうという無能キャラ。

 

 そんな主人公だが、同期入社の鶸田(塩野瑛久)たちは彼女と一緒にいると、不思議と仕事がうまくいったり悩みが解消されたりして、社内の面々がどんどん感化されていくというストーリーだ。

 

■【ネタバレあり】アメリカにいるはずの鷹野が現れて…

 

 最終話は鷹野たちが入社してから1年後。

 

 会社は業績不振で規模縮小を余儀なくされ、鷹野たちが所属する営業部の閉鎖が決定。営業部の面々は転職活動を始めるが、鷹野はなんと勘違いで評価され、シリコンバレーにある企業からヘッドハンティングされるという展開に。そうして鷹野は営業部閉鎖を前に、一人でアメリカに旅立ってしまった。

 

 不可解なシーンが挿入されたのはこのあと。

 

 営業部閉鎖の日にオフィスで開かれた「お別れ会」では、同僚たちが鷹野に会いたいというような雰囲気が広がっていた。

 

 そこに突然、アメリカにいるはずの鷹野が「みなさん、おつかれさまです」と颯爽と登場。

 

 営業部の面々が「鷹野戻ってきたの?」「アメリカはどうしたんだ?」と尋ねると、鷹野は「最初は楽しかったんですが飽きてしまいました」と受け答えるなど、普通に会話が弾んでいく。

 

 そして集合写真を撮ることになるのだが、撮影が終わると中央にいたはずの鷹野の姿が消えている!

 

 みんなが「あれ、鷹野は?」「あれ、なんで?」「どこ行った?」「いたよね?」と、ざわざわと困惑するシーンが描かれたのだ。

 

■全員が一斉に白昼夢!? いったいどういう演出なのか

 

 まるでオカルトやホラーのような演出。誰か一人の夢オチだというのであれば納得できるのだが、そのシーンは夢の中ではないのに、その場にいた10人以上の全員が鷹野はそこにいたと認識していたのだ。

 

 鷹野が忽然と消えたので、同僚たちは幻だったという結論で落ち着いたのだが……。

 

 けれど視聴者目線では、「もしかすると鷹野がアメリカで急死して、幽霊として最後の挨拶に来たのでは!?」とか、「実は鷹野自体が妄想の産物で、もともとそんな人間は存在してなかったのか!?」なんて、深読みもできてしまうナゾ多き演出だったのである。

 

 結論を言うと、鷹野が死んでしまったり、妄想の産物だったりするというオチではなく、本当にただの幻だったということが、最終話の終了間際ではっきりとした。

 

 というのも、鶸田が転職先の新しい会社に行くと、そこにはアメリカの企業をクビになった鷹野も入社しており、またコンビを組むことになるというエンディングだったからだ。

 

 となると例の不可解シーンはただ単に、鷹野に会いたすぎた面々が集団幻覚を見ていたというオチになるが……全員が一斉に白昼夢!? どういう現象!? どういう演出だよ!? という違和感が拭えなかった。

 

 とにかく、その一連のシーンはとてもわかりにくく、不要な考察を生むようなヘンな演出だったのである。

 

■菜々緒たちをずっと観ていたかったと思える良作だった

 

 ただ、この『無能の鷹』という作品自体は、とてもおもしろかった。

 

 主人公があまりに無能すぎるのがおもしろく、一見するとなにも考えずに気楽に笑えるストーリー。しかし、深読みすると現代社会に一石を投じる問題提起もされているように感じるという、“浅いのに奥深い” ドラマだったからだ。

 

 また、シンプルに菜々緒の新境地を開拓するアタリ役だったと思うし、個性豊かな社員が集まった営業部が解散してしまったことを寂しく感じた。このキャラクターたちがわちゃわちゃと絡みながら仕事をする姿を、もっとずっと観ていたかったと思える良作だった。

堺屋大地

恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。これまで『女子SPA!』『スゴ得』『IN LIFE』などで恋愛コラムを連載。現在は『文春オンライン』『現代ビジネス』『集英社オンライン』『日刊SPA!』などに寄稿中

( SmartFLASH )

続きを見る

今、あなたにおすすめの記事

エンタメ・アイドル一覧をもっと見る