エンタメ・アイドル
今こそフジテレビに恩を売るチャンス? 「中居正広トラブル」で分かれる芸能事務所の“思惑”、出演拒否考える「大手」も
1月27日、フジテレビは元「SMAP」の中居正広の女性トラブルに、同社の関与が取り沙汰されている問題で、2度めの社長出席会見を開いた。
港浩一社長(当時)が初めて口を開いた1度めの会見は、17日に開催されていたが、そこからわずか10日での開催になったのは、フジテレビの経営に関わる深刻な影響が見られていたからだろう。
「1月17日の会見後、フジテレビの対応の不十分さを感じたのか、同社にCM出稿する企業が70社以上、CM放送の差し止めを申し入れる事態になりました。そのネガティブな印象を払拭すべく、27日には“オープンな形”で、10時間超の会見をおこないましたが、CM差し止めが続く状況に改善は見られていません。
それどころか、30日の取締役会の後には親会社のフジ・メディア・ホールディングスは2025年3月期の業績予想で見通していた売上高5983億円から501億円減の5482億円へ下方修正を発表しました。純利益も290億円の見通しから98億円へと減少。これらはCM差し止めの影響を反映したものです」(経済部記者)
【関連記事:フジテレビが苦悶する「スポンサー撤退ドミノ」…港社長が提起した「人権理念」が自局を苦しめる “大ブーメラン” の皮肉】
こういった“拒否反応”がスポンサー企業から聞かれているなか、フジテレビの主要取引先である「芸能事務所」の反応はというと、二手に分かれることになりそうだ。
スポンサーのCMが激減し、そのほとんどが「ACジャパン」のCMに差し替えられだしたのは、1月20日のことだった。この日に放送されたのは“月9”ドラマの『119 エマージェンシーコール』の第2話だったが、ストーリーよりも「提供の少なさ」ばかりが話題になる事態に。
「こうしたドラマへの“負の影響”に対して、ピリついている芸能事務所もありますよ」(芸能事務所関係者・A氏)という声も聞かれている。
さらに『119 エマージェンシーコール』はもともと、横浜市消防局の「撮影協力」を受けていたが、1月27日までに同ドラマのクレジットから「撮影協力」の表記が削除されることがわかっている。
「ほかにも香取慎吾さん主演の『日本一の最低男※私の家族はニセモノだった』の撮影では当初、有楽町で予定されていたロケが急にNGとなり、町田でおこなわれるなど、現場での混乱も聞かれています」(制作会社スタッフ)
こうした“波及トラブル”により、フジテレビのオファーを渋りだした事務所もあるという。前出のA氏が続ける。
「現在放送中のフジテレビの連続ドラマで、メインキャストに俳優を送り込んでいる、ある大手芸能事務所は『今後、フジのオファーは要検討にしよう』と社内で協議を始めたそうです。これまで、この事務所は近年、多くのフジのドラマに主演級の俳優を出演させてきました。
今クールも、フジに積極的に協力してきたにも関わらず、作品よりも“悪目立ち”ばかりが話題になってしまう。“出演させ損”なのではないか、という声があがっているそうなんです」
一方で、別の芸能事務所関係者・B氏は、フジテレビからのオファーについて「そこまで拒否反応はないのでは」と推測するという。
「たしかに、フジテレビ関連のニュースの世間の反応は気になりますが、フジテレビ社員全員が“問題あり”だとは思っていません。これまで、お世話になってきた面もあるので、オファーが来れば、私どもは受けますよ。それに、困っている今こそ“恩を売る”ことで、次に繋がるかもしれませんから」(B氏)
ただ、スポンサーのCM差し止めも当初は、ここまでの広がりを見せるとは思われていなかった。芸能事務所の判断もそうなるかもしれない。さらに別の芸能事務所関係者・C氏はこう話す。
「たしかに、フジに関わるとイメージが悪くなるという“リスク”はありますけど、自分たちの生活もあるので……。フジテレビの番組だから断わる、というのは考えられないですね。ドラマ出演なんて、やはりチャンスですからね。
ただ、大手事務所さんが『うちはフジにタレントを出演させません』と言い始めたら、風向きは変わるかもしれません。こっちに“火の粉”が飛んできて、事務所自体のイメージダウンになったら元も子もないですからね。
とはいえ、やはりテレビ局と芸能事務所は持ちつ持たれつな関係。いまだに主要取引先であることは間違いないので、そこを自ら失いに行くような事務所はそうそうないと思っています」
ひとまず、フジテレビが「番組作り」に困ることはなさそうだ。