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古市憲寿氏 “文春の廃刊”を番組で提言も異論噴出…朝日新聞の“吉田調書”めぐる誤報には「多様な言論必要」擁護の過去
「週刊文春は廃刊にしたほうがいい」
1月31日、関西テレビ『旬感LIVEとれたてっ!』で、社会学者の古市憲寿氏が行った“提言”が大きな反響を呼んでいる。そもそもの発端は、中居正広が起こした女性とのトラブルに関する一連の報道だ。
「『週刊文春』は2024年12月26日の第一報で、トラブルが起きた会食について被害女性は『フジ編成幹部A氏に誘われた』としていました。しかし1月27日、10時間半にもおよんだフジテレビの“やり直し会見”の翌日、文春はその後の取材により事件当日の会食について被害女性は『中居に誘われた』と訂正し、被害女性は『A氏がセッティングしている会の“延長”と認識していた』と、記事の一部を訂正しました。冒頭の古市氏は、この訂正を問題視し、廃刊を提言したというわけです」(社会部記者)
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さらに、古市氏は同日、Xを更新。発言の真意を長文でつづり、その中で、《信用力が落ちた『週刊文春』は、社会的役割を終えた、というのが僕の意見です》などと説明した。
古市氏は、1月30日に『めざまし8』(フジテレビ系)に出演した際にも、「フジテレビだけ10時間もやらされて、今回の報道のきっかけを作った週刊文春がこの文章1枚で終わるのはあまりにもアンフェア」など文春批判を展開。
発行元の文藝春秋社の社長、役員、文春の編集長が出席して会見を開くべきだと主張しました。連日にわたって“文春不要論”を熱く訴える古市氏だが、X上では“文春が人を不幸にしているのではない”と、異論が噴出。共感の声は少なく、批判的な声のほうが多く寄せられている。
「しかし、A氏が当時の会食をセッティングしたかどうかは瑣末な点のはず。笑福亭鶴瓶さんやヒロミさんも参加したことを認めている中居さん主催のBBQに、被害女性はA氏の誘いで参加したことを『週刊文春』は報じています。記事によると、BBQについては鶴瓶さんやヒロミさんも認めており、被害女性はA氏に『こういう会に参加して損はないからさ。仕事に確実につながるからさ』と言われたと語っています。被害女性は仕事の延長線上という認識で、Aさんを通じて中居さんに引き合わされていますし、そういう認識だったからこそ、トラブルを会社に相談したわけです。
一方、フジテレビはトラブルを把握しておきながら、1年半にわたり中居さんを番組に起用し続けたうえ、中居さんにトラブルの詳細について確認することもしませんでした。嘉納修治フジテレビ前会長は、Aさんに対して『人権意識の不足から十分なケアができなかった』と反省しています。まさにこの点が、フジテレビの犯した“罪”として問われているのです」(芸能ジャーナリスト)
連日にわたり“文春批判”を展開している古市氏。しかし、過去には別の“報道機関”について“擁護”する立場だったことがある。
「2014年、朝日新聞は福島第一原発事故に関する『吉田調書』について、2011年3月15日の朝、福島第一原子力発電所にいた所員の過半数が、当時所長だった吉田昌郎氏の待機命令に反して、福島第二原子力発電所へ避難していたと報道しました。
しかし、吉田氏は職員が避難することを追認しており、『命令に違反 撤退』と報じた朝日新聞は、“誤報”だったとして訂正しました。さらに朝日新聞は、同年8月に1990年代に戦時中の慰安婦問題について報じた一連の記事が誤報だったことを認めました。
重大な“誤報”が続き、創刊以来の危機に陥った朝日新聞ですが、古市氏はその時、同社で設けられた『信頼回復と再生のための委員会』の社外委員の1人として参加。朝日新聞社の公式サイトで『古いメディアのズレ指摘したい』との見出しで、自身の主張を述べていました。
古市氏はその中で、《独善的にならないことや、社内の風通しが良いことは、報道機関にとって不可欠な要素です》としたうえで《僕は朝日新聞が未来永劫(えいごう)存在して欲しいとは思いませんが、せめて20年は存続してもらわないと困るという立場です》などと“擁護”していました。
さらに、この主張の中で《世の中には多様な言論が必要です》ともつづっています。多様な言論が必要だといっておきながら、かたや『週刊文春』は廃刊にすべきと訴えているわけですから、“ダブスタだ”という批判があがってもおかしくはないですね」(社会部記者)
10年でどんな変節があったのやらーー。