元「SMAP」中居正広の「女性トラブル」を発端としたフジテレビをめぐる騒動は、依然として厳しい状況が続く。フジテレビ系の特別番組への影響が懸念されるなか“夏の名物特番”にも暗雲が立ち込めている。
フジテレビは1月17日の港浩一社長(当時)が記者会見をおこなったが、開催方法や回答などが批判を集め、70社以上の企業がフジテレビへのCM出稿を取りやめる事態に発展した。
27日の2度めの会見後も、状況は改善されていない。“スポンサー離れ”によって、フジテレビの特番にも暗い影を落としている。
「1月31日の『スポーツニッポン』で、4月9日に放送予定だった音楽番組『FNS歌謡祭 春』が中止になったと報じられました。2月3日には、人気特番『逃走中』の制作が危ぶまれていることが、またも『スポニチ』で伝えられたのです。2025年のフジテレビの特番は、全体的に制作の見通しが厳しい状況なのだと思われます」(芸能記者)
そんななか、2月5日には「スポニチ」を始めとしたスポーツ紙で、夏の大型特番『FNS27時間テレビ』(以下『27時間テレビ』)の放送が絶望的であることが報じられた。同番組は1987年から、ほぼ毎年7月ごろに生放送されてきたが、2025年は難航しているようだ。
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「『27時間テレビ』は出演するタレントが多く、大規模なロケや企画がおこなわれるため、かなりの制作費がかかります。そうした費用は、フジテレビのスポンサー収入によって支えられてきました。
ただ、1月31日には、CM差し止めが続いていることで、フジテレビのCM収入が233億円下振れ、赤字転落する見通しであると発表されています。4月~7月クールのCM収入が激減する影響は、特に7月前後に出ると思われ、夏以降、番組制作の予算が限定される可能性があります。
『スポニチ』によれば、総合司会には人気アイドルグループのメンバーが内定していたそうですが、フジテレビはタレント側に現在の状況を伝えているそうです。こうした経緯を鑑みると、2025年の放送は絶望的なのだと思われます」(制作会社関係者)
1987年から放送されている『27時間テレビ』は歴代の社長や会長が「製作総指揮」を務めることになっている。現在、進退が注目を集めている“フジテレビのドン”こと、日枝久取締役相談役も1988年~2016年まで「制作代表」や「製作総指揮」を務めるなど、29年間にわたって同番組に深く携わってきた。
そんな毎夏恒例の大型特番すら危機を迎えているフジテレビ。『27時間テレビ』といえば、毎年恒例の「アナウンサーの晴れ舞台」があったのだが、Xでは《新人アナウンサーの提供読みは出来るのかな?》《今フジテレビの27時間テレビやったら提供読み一瞬で終わるやん》《新人アナウンサーがスポンサー名を読み上げてるけど、今年は下手したらゼロかもしれんからな》といった声が聞かれる。
「1987年の放送開始当初から、番組のグランドフィナーレでは、その年の4月に入社した新人アナウンサー全員が分担して、番組への提供、協賛スポンサーの企業名を提供クレジットとともに読み上げるのが恒例になっています。これは、新人研修の一環でもありました。
ただ現在、フジテレビの番組はスポンサー離れによって、災害などの有事で、企業CMの代わりに流れる『ACジャパン』のCMや、放送中の連続ドラマの予告ばかり流れる異様な状況になっています。そもそも『27時間テレビ』を放送できたとして、アナウンサーが“提供読み”できるほどの企業が集まるかも怪しい状況ですね」(前出・芸能記者)
夏の大型特番での恒例企画は、新人アナウンサーにとって重要な仕事だという。前出の芸能記者が続ける。
「2017年の『27時間テレビ』で、当時新人だった海老原優香アナウンサーは、『提供読みを終えて、やっと本当にフジテレビアナウンサーだと言えるような、ひとつの節目です』と感慨深そうに語っていました。ある意味、新人アナにとって、“スタートライン”に立つ企画だったのです。
中居さんのトラブル後、フジテレビでは同社の女性アナウンサーが被害を訴えたという一部報道も出ています。そうしたなかで、またもやアナウンサーに影響が出かねない事態には同情せざるを得ません」
2025年入社の新人アナウンサーが「提供読み」する日はいつになるのか──。