川口春奈『アンサンブル』登場人物が全員幼稚な「恋愛脳」…仕事に “色恋” 持ち込んで社会人としてどうなの？イライラが爆発！

 

　登場人物、全員が「恋愛脳」。質の悪い1990年代の恋愛ドラマを観させられているようだ。

 

　2月15日（土）に第5話まで放送されている川口春奈×SixTONES・松村北斗のダブル主演作『アンサンブル』（日本テレビ系）。法廷ものと恋愛ものをMIXした「リーガルラブストーリー」である。

 

　小山瀬奈（川口）は、恋愛トラブルを得意とする現実主義者のクールな弁護士。その恋のお相手役が、同じ事務所に勤めることになった新人弁護士・真戸原優（松村）。

 

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　2人はさまざまな恋愛トラブル裁判を担当しながら、そこで得た恋の教訓を自分たちの恋に活かしていくというのが大筋の流れ。

 

　瀬奈には元彼（田中圭）が、真戸原には元カノ（横田真悠）がそれぞれ再接近してきており、四角関係の様相。だが、瀬奈と真戸原がきちんと想いを伝えあい、正式に付きあうことになって第5話は終了した。

 

■大人の恋愛ドラマを期待していたが…

 

　2月10日で30歳になった川口春奈と、6月18日で30歳になる松村北斗が主演ということで、大人の恋愛ドラマを期待していたのだが、思いっきり肩透かしを食った気分。

 

　まず、主人公が2人とも中高生みたいにウブすぎ。どう考えてもお互いに「好きムーブ」をしていて両想いなのに、気持ちがすれ違ってしまって素っ気なくしたり冷たくしたり……。

 

　しかも、弁護士事務所の仕事中でも、思いっきり恋愛のもつれを態度に出すので、恋愛ドラマと言えど「社会人としてどうなの？」と辟易してしまった。

 

『逃げるは恥だが役に立つ』（2016年／TBS系）のように、主人公の恋愛偏差値の低さがムズキュン要素になっていればいいのだが、『アンサンブル』の場合はお子ちゃまの駆け引きみたいなことが繰り広げられ、イライラしてしまう。

 

■アラサーが主人公の非コメディなのに

 

　また、主人公たちを取り巻く家族も友達も同僚も、全員、2人の恋愛を応援したり興味津々だったりしていて、気にかけている。たとえば職場で2人が痴話げんかしていてもウザがることはなく、親身に心配してくれるのだ。

 

　ちなみに、瀬奈の母親は元彼と復縁させようといろいろ画策しているし、真戸原の家族は瀬奈と引っ付けようとしてくる。

 

　なかでも第4話で、真戸原一家の行動がありえなさすぎて失笑してしまうシーンがあった。瀬奈はひょんなことから真戸原と一緒に彼の実家に泊まることになるのだが、真戸原家はいつも川の字になって就寝しているそうで、瀬奈・真戸原・父・母・妹が同じ部屋に布団を敷いて寝ることに。しかも、瀬奈と真戸原が隣同士になる展開。

 

　念のためお伝えしておくと、この段階の2人はまだ恋人になっていないので、家族からすれば息子の同僚でしかない。百歩譲って10代同士の恋愛を描くドタバタラブコメならこういうシチュエーションがあってもいいが、本作はアラサー俳優がダブル主演する非コメディのラブストーリー……ありえない。

 

■ストーカー扱いされてもおかしくない

 

　同じく第4話では、ベンチャー企業の代表である瀬奈の元彼が、弁護士としての瀬奈に仕事を依頼するのだが、それが長野の旅館に泊まる一泊二日の出張商談への同行。仕事にかこつけて強引に元カノを旅行に誘ったようなもので、実際にその晩、プロポーズするのだ。劇中で元彼はスマートな大人といった描かれ方をしているのだが、いい大人のする行動とは思えず、公私混同はなはだしい。

 

　なかなかイタい恋愛脳の元彼だが、真戸原も負けてはいない。当然、瀬奈と元彼の出張旅行は気が気じゃなく、その晩に長野の旅館まで車を飛ばして来ていたことが第5話で発覚。しかし、瀬奈に知らせもせず会うこともせず、ただ帰っていったようだ。イケメンだから許されるのかもしれないが、冷静に考えるとストーカー扱いされてもおかしくない奇行である。

 

　キャラ総出で幼稚な恋愛脳すぎる……。

 

　――今夜放送の第6話で2人は交際をスタート。だが、職場では隠しておきたい瀬奈に対して、同僚に報告したい真戸原は、瀬奈から愛されていないのではないかと不安になる展開らしい。これまた幼稚な恋愛模様が描かれそうでイヤな予感がびんびんだが、なんとか最後まで見届けたい。