
島田紳助氏
3月30日、『行列のできる相談所 最終回3時間生放送スペシャル』(日本テレビ系)が放送された。2002年からスタートし、23年続いた歴史ある番組の最終回だが、番組内容の一部が物議を醸している。
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「最終回では、東野幸治さんがMCを務めました。そのほか、歴代出演してきた丸山和也氏、大渕愛子氏など懐かしい法律家の面々や、同じ時間にスタートする新番組『Golden SixTONES』からSixTONESの森本慎太郎さん、田中樹(じゅり)さんなどもゲストに登場。最終回にふさわしい、豪華な出演者がそろいました」(テレビ局関係者)
そんな豪華な面々とともに、今回の放送で復活したのが、2008年に放送された企画『カンボジアプロジェクト』。カンボジアに小学校を建設する資金とするため、著名人が描いた絵をオークションにかける一幕が放送されたが、企画冒頭に流れた映像に、視聴者は困惑したようだ。
「これまで番組を通じ16の学校を建設してきた、過去の軌跡が振り返られました。そのなかで、番組の初代MCを務めた、島田紳助さんが映ったのです。『十分、失礼やと理解したうえででも、やったほうがいい。たかが学校を1個作ったって、何も変わらん。世界中に学校は何十万も必要。でも、その1個でもないよりはあったほうがいい』と、プロジェクトに対して紳助さんが熱弁する姿に、視聴者は驚いたようでした」(同前)
カンボジアに学校を建設するプロジェクトは、島田氏の“鶴の一声”から始まった。社会貢献を呼びかけた“過去の功績”をたたえる一方、X上では冷めた声も聞こえてきた。
《行列、M-1並に紳助の神格化スゴい》
《行列で紳助上げしてるけど(笑)》
《行列見てるけど島田紳助反社との親密交際関係で辞めたのに美化してるの気持ち悪い》
2011年、芸能界を引退し、あらゆる番組を降板した島田氏。彼を“美化”する演出に疑問の声があがったのだ。
「紳助さんは、暴力団関係者との親密な関係が発覚し、芸能界を引退することになりました。当時、テレビ番組MCとしての彼の活躍はすさまじく、そこから突然、姿を消したことで、世間に衝撃を与えました。『行列』も例に漏れず、紳助さんが“看板”となっていた番組でしたが、引退の影響で、レギュラー出演者が持ち回りでMCを担当することになりました」(前出・テレビ局関係者)
よしもとクリエイティブ・エージェンシー(現・吉本興業)の水谷暢宏(のぶひろ)社長(当時)は、「経済的な利害関係はないが、社会的影響力の高いテレビ等の司会者として登場しているだけに、厳格な態度で臨むべきだと考えた」と、所属事務所としての考えを述べていた。
「安定的な高視聴率をたたき出していたことを考えると、MCとしての紳助さんの存在はかなり大きいものでした。逆にいえば、それほど人気者だったがゆえに、反社会的勢力の関係は“即アウト”となったわけです。当時から、紳助さんに『裏切られた』と感じた視聴者はたくさんいました。いまだに許せない人が多くいた、ということでしょう。最終回に合わせた“特別演出”が、裏目に出てしまったかたちです」(同前)
番組で見せた社会貢献の気持ちだけは、本人の真意だったと信じたい。