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石橋貴明は「雲の上の存在」番組存続絶望的『ザ・細かすぎて伝わらない』出場者が明かす「石橋さんを楽しませるため」のものまね現場

2025年3月、MLB開幕戦を取材していたとんねるず・石橋貴明(写真・田中昭男)
とんねるずの石橋貴明に厳しい目が向けられている。フジテレビをめぐる一連の問題で、同社などが設置した第三者委員会の調査報告書に、「重要な類似案件」として記された事件の“加害者”が、石橋であると「週刊文春」に報じられたのだ。
「類似案件」とは、10年以上前に、同局の女性社員に対して飲食店で下半身を露出したというものだ。石橋の所属事務所は、各メディアの取材に、第三者委員会からヒアリングの打診を受けたことを明かし、ハラスメントの事実関係については「分からない」としている。
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「この問題を受け、フジテレビ系の名物バラエティ番組『ザ・細かすぎて伝わらないモノマネ』の存続に、黄信号が灯っています。報道のタイミングとほぼ同時期に、石橋さんは、食道がんを理由に一時休養することを発表していました。いずれにせよ休止するのは仕方がありませんが、このまま復活することはないかもしれません。
『ザ・細かすぎて〜』はもともと『とんねるずのみなさんのおかげでした』(フジテレビ系)のワンコーナー『博士と助手〜細かすぎて伝わらないモノマネ選手権〜』がルーツです。2018年3月の番組終了後は、年に1回、2023年以降は年に2回のペースで、特番として放送されてきたのですが……」(芸能ジャーナリスト)
直近の放送は2024年12月。放送作家は、番組の今後について断じる。
「石橋さんは、懇意であるフジテレビの港浩一前社長にかけあい、番組の放送ペースをさらに増やして年3回にしたいと考えていたようです。しかし、年末に報じられた中居正広氏の女性トラブルをきっかけに、年明けからフジテレビを巻き込んでの大問題となり、『文春』の報道で石橋さんも当事者のひとりに。港氏も“失脚”したことで、番組の存続は絶望的でしょう」
これまで、このコーナーをきっかけに、さまざまな芸人がブレークに至ったのは間違いない。『パネルクイズアタック25』(朝日放送制作・テレビ朝日系)で長く司会を務めた、俳優の故・児玉清さんのものまねで博多華丸が人気者となったほか、AKB48時代の前田敦子のものまねをヒットさせたキンタロー。など、数々の芸人が、この番組をきっかけに売れっ子となった。最近では、俳優・阿部寛のものまねなどを披露した、ラパルフェの都留拓也などの活躍が知られる。
キンタロー。とともにモーニング娘。の後藤真希役のモノマネで出演経験のある、元タレントの中谷あすみさんはこう語る。
「番組の名物といえば、ネタを終えた途端にステージに穴があき、落下するというくだりです。でも、安全対策はしっかりされていました。穴の深さは2、3mあるのですが、事前にスタッフさんと、落とすタイミングなどを入念に打ち合わせしました。穴のなかには、細かい発泡スチロールがたくさん敷き詰められていて、それがクッションの役割を果たしています。この発泡スチロールは、出演者にとっては“甲子園の砂”のような意味合いがあり、みんな思い出として持ち帰っていましたね」
中谷さんから見た石橋の印象は、どのようなものだったのか。
「あの番組では、雲の上の存在でした。石橋さんを楽しませるために出演者がネタを作っている、と言っても過言ではありません。そのため、石橋さんが好む古いタレントさんや、野球のネタは多かったですね。あとは『うたばん』ネタも鉄板で、いまはできないと思いますけど、中居正広さんのものまねは大ウケでした。『うたばん』に頻繁にゲスト出演していたモー娘。系のネタも、石橋さんにウケるので、ものまねしていました」
番組内では、出演者と石橋が直接、交流する場はなかったものの、出演者は自分の出番が終わっても、石橋にひとこと、あいさつするまでは帰らない、という“文化”が徹底されていたという。自腹でタクシーやレンタカーを用意してまで、石橋の出番終わりまで待機する出演者も多くいたという。番組にそれほどの“一体感”が生まれたのは、出演後の大きな効果もあったためだろう。
「出演者さんのなかには、モノマネでバズって、ほかのバラエティ番組出演が決まったり、営業が増えたり、CMが決まったりした人もいました。ですので、“人生が変わる場所”ととらえていた出演者さんは多かったと思います。それはやはり、石橋さんが作ってきた番組のすごみでしたね。石橋さんがいなければ成立しない番組だったと思います」(中谷さん)
“人生を変えたい”そう願う多くの若手芸人にとって、困った事態となったのは間違いない。