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【テレビマン180人が選ぶ】ドラマに起用したいお笑いタレント、圧倒的1位は “裸芸人” 出身の “べらぼう男”

<1位>原田泰造(ネプチューン)/「演出としてはとても起用しやすい俳優。個性を出しすぎず、演出意図を理解して演じてくれます」(ドラマディレクター)(写真・伊藤 修、2025年)
かつては “色物” 扱いだったが、いまやドラマを作るうえで欠かせない存在になっているのが、お笑いタレント。スタッフから、本職の俳優よりも評価される逸材も登場しているのだ。そこで本誌は、大手広告代理店がNHK及び在京キー局のドラマプロデューサー、ディレクター、編成担当者計180名に調査した「ドラマに起用したいお笑いタレント」のデータを入手。結果をランキング形式で発表!
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圧倒的な1位に輝いたのが、ネプチューンの原田泰造だ。葉っぱで股間を隠した姿で踊るコント「はっぱ隊」など、体を張った裸芸でブレイクした原田だが、『編集王』(2000年、フジテレビ系)ほか連ドラ主演4作、現在出演中の『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』(NHK)をはじめ大河ドラマ4作に出演する実力派俳優でもある。
ベテランのドラマライターは、原田が現場から重宝される理由をこう語る。
「原田さんがいると、現場がパッと華やかになるムードメーカー。以前、仕事を一緒にしたプロデューサーも『頼りになるし、現場をひとつのチームにしてくれる』と絶賛していました。そして、じつは出演作品に失敗がない。主演の深夜ドラマが話題になり、映画化された『映画 おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!』(7月4日公開)など数字も持っています」
今回の調査でも原田については、「何度かお仕事していますが、台本の読み合わせのときはほとんど棒読みで『大丈夫か?』と思っても、撮影になるとちゃんと役になりきっている」「人柄もよくてスタッフ思い。発する気さくなひと言に癒やされてます」など高評価が並んだ。
2位は、ドランクドラゴンの塚地武雅(むが)だ。塚地は初主演映画『間宮兄弟』(2006年)でその年の新人賞を独占。以来、俳優もできるお笑いタレントの代表格として活躍している。
「塚地さんは『裸の大将』(2007~2009年、フジテレビ系)で主演してから、存在感が増しました。それまではイチ脇役だったのが、ほかの役者を食う存在感のある脇役になった。そのよい例が、去年の『新宿野戦病院』(フジテレビ系)です。どう見ても男性なのに化粧をした婦長さんなんて、誰にでもできるわけじゃありません。それを難なくやってのけるなんて……キャスティング会議では、必ず名前が挙がります」(テレビ局関係者)
3位は「キングオブコント2009」王者の東京03の角田晃広だ。今年の1月クールドラマ『ホットスポット』(日本テレビ系)での演技が好評を博した。ドラマ制作会社のディレクターは「角田さんの演技には計算された間があり、必要なタイミングでのポーズや表情は、舞台俳優が学んで損はないですね。とくにコメディー作品での巧妙な間の使い方は、角田さん唯一のもの」と評価する。
放送中のドラマ『イグナイト-法の無法者-』(TBS系)で、やり手弁護士を演じている田中直樹が4位に。
「普通のおじさん、お父さんからエキセントリックな人まで演じられる。根が真面目で作品に真剣に向き合ううえ、撮影現場で悪目立ちもせず、でもユーモラスなので重宝がられています」(前出・ドラマライター)
5位は、ドラマ『BOSS』(2009・2011年、フジテレビ系)での演技が好評だったケンドーコバヤシ、6位に映画『青天の霹靂』(2014年)、『浅草キッド』(2021年)など監督や脚本家としても活躍する劇団ひとりがランクインした。
■顔ヂカラが魅力の若手が台頭
注目は、7位のハナコ・岡部大。朝ドラ『エール』(2020年、NHK)を皮切りに、『私の家政夫ナギサさん』(2020年、TBS系)、大河ドラマ『どうする家康』(2023年、NHK)、『ブルーモーメント』(2024年、フジテレビ系)と、話題作にレギュラー出演している。
「コント同様、顔ヂカラを使った表情豊かな芝居がドラマ業界で評価されています。
岡部さんをインタビューしたときに(ハナコの)メンバーからも『いずれ銀幕で……と背中を押されているし、キャラを演じるのが好きだから、コントも芝居もどちらも同じくらい好き』と話していました」(前出・ドラマライター)
8位の3時のヒロイン・福田麻貴は、女性お笑いタレントでトップ評価。アンケートでは、「福田さんはコントの脚本も書くからか、自身がお芝居をすると瞬発力がすごかった」「前に『よい役だったら脱ぎます』って言っていて……冗談かと思ってたら4月に発売した写真集で艶っぽい下着姿になっていてビックリしました」など “思い切りのよさ” が買われていた。
9位のシソンヌ・長谷川忍は『正直不動産』(2022年、NHK)で俳優として株を上げた。NHKの視聴者アンケートで長谷川が予想以上に高評価だったことが一因となり、予定がなかったドラマのブルーレイ/DVDBOXも発売されたという。
「権力者に媚びを売る冴えない中間管理職をやらせたら天下一」(ドラマディレクター)
10位以下は上の表のとおり。そのなかで 「今ではお笑い出身だとわからないほど俳優としての存在感ありますよね」(キー局編成担当者)と言われるのが、アイフルのCMでお馴染みの15位の今野浩喜。
「義理堅く、初主演映画『くそガキの告白』(2012年)の鈴木太一監督の作品には低予算でも出続けているそうです。今野さんを起用した監督は『間がうまい』と評価していますよ」(前出・ドラマライター)
いかりや長介さんらお笑いタレント→名優の系譜は脈々と続いている。
写真・本誌写真部