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「あまりにも遅すぎた」中居正広の“反撃”を伊東純也代理人弁護士が解説、フジテレビ内部は“乗っ取り”に警戒

引退を発表した中居正広
5月12日、女性トラブルをめぐり芸能界を引退した中居正広が、代理人弁護士を通じ、フジテレビの第三者委員会による調査報告書に対する反論を発表した。
2024年12月末、元フジテレビの女性アナウンサーAさんとの間に性的トラブルをおこし、今年1月に芸能界を引退した中居。3月に発表された調査報告書で、Aさんは中居から「性暴力」を受けたと認定された。
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「しかし中居氏は、複数の弁護士からなる弁護団を立てて反論を開始しました。反論文書によると、中居氏は第三者委員会からのヒアリングを6時間も受けていたにも関わらず、その内容が調査報告書に反映されていないと主張。さらに、女性アナウンサーとの和解の過程で結んだ守秘義務についても、中居氏が解除の提案をしたところ、調査委員会側から『2人の密室で何が行われたかが直接の対象ではない』と回答があったことも明らかにしています。
中居氏の弁護団は調査委員会に対し、すべてのヒアリングの記録およびその他の報告書の開示と、性暴力認定の根拠を明らかにするように求めています」(社会部記者)
ついに第二ラウンドを迎えた中居の性的トラブル。ここからまさかの“逆転”はありうるのだろうか。
「第三者委員会は何も応答しないのではないでしょうか」
と語るのは、サッカー日本代表の伊東純也選手の準強制性交事件で弁護人を務め、著名人の性加害トラブルに詳しい加藤博太郎弁護士だ。
「そもそも、第三者委員会は中居氏と女性アナウンサーのトラブルそのものではなく、キーマンとされる幹部社員の関与の有無や退任した日枝久前取締役相談役を筆頭とする当時の経営陣のガバナンスを調査するための外部委員会です。なので、中居氏とは直接的な関係がなく、今回の要望に応答する義務もないでしょう」
ただ、こうした微妙な関係が、中居氏に反撃の余地を与えることにもなっているという。
「第三者委員会は、調査報告書をフジテレビに提出したうえで、それをフジテレビが公表すればよかったはずです。そうすれば、あくまで“フジテレビ対中居さん”という対立軸だけで収まっていたでしょう。ところが、第三者委員会はわざわざフジテレビと共同で記者会見まで開き“性暴力と認定した”ことを公表しています。
この認定は第三者委員会の主な目的ではないはずで、法曹業界でもこれは名誉毀損にあたるのではないかという懸念が広がっていました。つまり、第三者委員会がわざわざ主体的に記者会見に参加したことで、事態が、中居さんと第三者委員会という対立関係が生まれてしまいました」
だが、第三者委員会が“不利”というわけでもない。むしろこのまま“ハッキリしない”決着で終わる可能性が高いという。
「中居さんサイドが何を主張しようと、第三者委員会が黙ったままであれば、それで終わりでしょう。中居さんの目的が名誉回復だとすれば、あまりにも反論が遅すぎました。反論するつもりなら、第三者委員会の公表直後、もっと言えば、週刊誌報道が出た直後に説明をするべきだったはずです。ここに至って何を言っても、世間は受け入れてくれないでしょう」
一方、フジテレビは今回の“反論”に戦々恐々としているという。とくに警戒するのは、中居の弁護団のトップをつとめる長沢美智子弁護士の存在だ。長沢弁護士は、創業家の内紛に端を発した大塚家具の委任状闘争で、当時会長の大塚勝久氏の長女で社長だった久美子氏を勝利に導き、当時、“女軍師”の異名で呼ばれた人物なのだ。
「中居さんの反論はフジテレビの“乗っ取り”と連動しているのではないかという説がささやかれているんですよ」
と語るのはフジテレビの関係者だ。
「そもそも、うちは一連の騒動でスポンサーが一斉に撤退した影響により、今期、大幅な赤字になる見込みです。すでに金光修HD社長ら幹部の一斉退任は決まっていますが、後任人事については社内の1名と社外から招く4名以外は未定のままです。一方、フジテレビに批判的な姿勢を貫く大株主のダルトン・インベストメントがSBIホールディングスCEOの北尾吉孝氏らの取締役就任を提案したものの、こちらについては拒否しています。また、個人筆頭株主の村上絢氏は村上ファンドの村上世彰氏の後継者で、当然、背後には村上氏がいます。こうした株主が今後も取締役の人選に口を出す可能性があり、最悪の場合は委任状闘争が起こるかもしれません。
社内ではフジテレビが生まれ変わる必要性についてコンセンサスは取れているものの、“部外者”に乗っ取られてしまっては元も子もないと考えている人が多いです。委任状闘争になれば専門のコンサル会社に委任状を集めてもらう必要がありますが、すでに国内実績が群を抜いているコンサル会社はダルトン側に押さえられています。そして、中居さんの弁護人をつとめている長沢弁護士は、このコンサル会社と懇意にしているんですよ。中居さんの反撃が、こうした“乗っ取り”と連動しないかどうか非常に注視しているという状態です」(フジテレビ関係者)
この騒動のラウンドはまだまだ続きそうだ。