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くら寿司、イタリア館で無料の予約枠が“高額転売”…「万博ID紐づけなし」が元凶か

くら寿司 大阪・関西万博店(写真・馬詰雅浩)
5月21日、大阪府の吉村洋文知事は大阪・関西万博の「くら寿司 大阪・関西万博店」やイタリアパビリオンなどの予約枠の転売に注意を呼びかけた。吉村知事は「転売ができない仕組みにすることが重要」としているが、具体的な方策は示さなかった。これらの予約枠は本来、無料である。
「くら寿司もイタリアパビリオンも、万博IDと紐づけのない状態で予約できるのが転売の要因でしょうね。くら寿司の予約券はEPARKサービスで発行されており、XのDMなどでやり取りされています。イタリアパビリオンは“Italy Expo 2025”というアプリを利用すると、万博公式サイトを経由しないで予約可能。これらの“裏技”が原因でしょう」(社会部記者)
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すでにくら寿司は、16日に公式アプリで注意喚起を行っている。転売だけでなく購入者も不正行為となり、予約取り消しやアカウント削除などの措置をとる場合があると注意喚起した。
また、イタリアパビリオンの予約ができる“Italy Expo 2025”は、イタリアの万博公式サイトからもダウンロードできる専用アプリ。しかし、現在はこのアプリを通じての予約枠も完売しており、その多くが転売された模様だ。
「チケット転売ができるサイト“チケジャム”では複数のイタリアパビリオンの入館証が取引されています。4000円前後が多いですね。私が見た時で、最安値が2500円でした」(同前)
くら寿司は、万博に参加する約70カ国・地域の代表的な料理の再現メニューを展開。SNSでは、予約が取れないとの声が溢れている。
イタリアパビリオンも、日本初展示の大理石彫刻「ファルネーゼのアトラス」や、カラヴァッジョの「キリストの埋葬」、レオナルド・ダ・ヴィンチのスケッチなど、美術ファン垂涎の作品を展示。しかし、こちらもSNSでは入れない人の悲鳴が数多く投稿されている。
「くら寿司もイタリアパビリオンも、万博IDなしで予約できる利便性を優先しているんですが、それを逆手に取って転売されています。キャンセルしてくれれば他の人の手にわたるんですが、転売のために予約枠を抱えられるとどうしようもない。今後は複数予約が禁止されるかもしれません」(前出・記者)
どちらも来場者の評価がすこぶる高いだけに、一人でも多くの希望者が利用できるよう速やかに対策を取ってもらいたいものだ。