
尾身智志(ワタナベエンターテインメントの公式サイトより)
「息子さんが東大には進学しなかったと聞いていたのですが、そうですか、芸人さんになったんですか」と、複雑な表情で明かすのは自民党のベテラン職員だ。
さまざまなジャンルの次世代スターを発掘する『チャンスの時間』(ABEMA)6月1日放送回に出演したお笑いコンビ「ラパルフェ」の尾身智志(30)が、祖父と実母が閣僚経験もある政治家であることを明かした。ワイドショースタッフがこう明かす。
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「今回は、『フリースタイル口喧嘩バトル!最強最舌のコンビは誰だ!!』と題した、口喧嘩バトル戦でした。
尾身さんの親族事情は、相方・都留拓也さんが『相方の母親が元国会議員』と明かしたのを受け、尾身さんが『母親が元総務副大臣で、おじいちゃんが元財務大臣』と付け加えたのです。まさかの告白に、MCの千鳥の2人は、驚きの表情でした」
尾身は、中高一貫の千代田区立九段中等教育学校から早稲田大学に進学した、売り出し中の高学歴タレント。尾身の言葉によれば、祖父は故安倍晋三元首相の側近で、財務大臣や経済企画庁長官などを歴任した故・尾身幸次氏、母親は外務大臣政務官や総務副大臣を務めた尾身朝子氏ということになる。
先の自民党の職員が、高名な祖父の評判をこう語る。
「祖父の尾身幸次さんは、中曽根家、福田家、小渕家と、今も世襲議員が多い群馬県において、地元県立高校の就職コースから一橋大学に入学、通産省(現・経産省)を経て政界入りした苦労人です。1995年に科学技術基本法を議員立法で成立させた、党内きっての科学技術通でした。
2010年4月には旭日大綬章を受章しています。幸次さんは2022年に亡くなりましたが、葬儀委員長は故・安倍氏が務めています」
だが、政界では、こんな “ケチ” がつくことも……。この自民党職員が続ける。
「幸次さんは、民主党が政権交代を実現した2009年の総選挙で落選し、政界を引退。その後、長女の朝子さんを後継にしようと安倍首相に直接働きかけるなどの画策が県連内で不興を買って、急速に周囲から人が離れてしまった感はあります。
朝子さんは、2014年総選挙の比例北関東ブロックで立候補して、初当選。その後、10年にわたって衆院議員を務めました。ちなみに、2017年の衆院選のとき、山本一太氏のXに息子の智志さんが登場し、朝子さんの選挙戦を応援しています」
一方、番組でまったく語られなかったのが、朝子氏の裏金問題だ。
「自民党の裏金問題は、旧安倍派が震源地です。旧安倍派に属した朝子氏にも、裏金が明らかになったことがありました。
朝子氏は、2021年の総選挙で選挙区を中曽根康弘元首相の孫の康隆氏に譲る形で、比例北関東ブロックの単独1位を獲得。余裕で3回目の当選を果たしました。
しかし、2024年の総選挙では、公認を申請したものの、裏金議員の比例優遇をやめる党執行部の方針で、比例名簿への記載が見送られたことで、結果的に辞退を選択したようです。朝子氏からの正式な表明はありませんが、これが実質的な政界引退になりました」(政治部記者)
冒頭の番組では、「熱を込めて発言することはできます」と、口喧嘩バトルへの意気込みを語った尾身。先の自民党職員もこうエールを送る。
「朝子さんは世襲ではあるのですが、資質は高い議員でした。世襲議員だらけの群馬県の選挙事情と、公認問題のゴタゴタで正しい評価を得られなかった不運が最後まで足を引っ張りました。
息子さんには、どこまでも実力で昇っていける芸能界で頑張ってもらいたいですね。ただ、政界入りだけは考えないでいただけると(笑)」
お笑いの世界は世襲ではない。華麗なる一族の家族の力を借りず、智志は実力でのし上がっていけるか。