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Koki, 香港政府のPR動画出演で炎上騒ぎ…海外進出でも立ちふさがる “親の七光り” 批判の高い壁

Koki,
《先日お仕事で香港を訪れました。香港は、いつも新しい発見やインスピレーションが湧く大好きな都市の1つです。香港政府観光局のSNSで香港を旅する様子をぜひご覧ください》
5月20日、香港政府観光局が運営するSNSサイト「Discover Hong Kong」に自身が出演したPR動画が公開されたのを受け、Instagramにこう綴ったのは、木村拓哉と工藤静香の次女でモデルのKoki,だ。
約1分間の動画は、Koki,が香港名物の2階建て路面電車・トラムに乗って、香港島の歴史的な建築物、さらにビクトリア湾の帆船などを日本語で紹介し、香港の魅力を伝えるというもの。
アジア圏で圧倒的知名度を誇る木村拓哉と工藤静香の娘の抜擢に、香港のネットニュースなどで話題になる一方で、この動画をめぐって批判を集める事態となっている。
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「オーソドックスな内容で、一見、何の変哲もない観光PRのように見える動画ですが、公開直後から香港のネット上で疑問の声が噴出し、瞬く間に炎上状態となりました。
批判の的は大きく分けて2つ。1つは、『香港には魅力的な人材が多数いるにもかかわらず、なぜ日本のモデルを起用したのか。香港の人材を軽視しているのではないか』という反発の声です。
そしてもう1つは、起用されたのが他ならぬKoki,であるという点。ネットユーザーからは、『Koki,に実績があるのか』『親の七光りでしかない』といった辛辣な意見が多数見受けられます。
彼女が芸能活動を開始して以来、常に付きまとってきた “親の七光り” というレッテルが、今回の仕事で改めて浮き彫りになった形です」(ジャーナリスト・角脇久志氏)
Koki,の香港政府観光局PRビデオ出演を伝える香港ネットニュースに対するコメントを、一部抜粋して翻訳してみよう。
《プロモーションに日本人スターを採用するなんて》
《政府も予算がなくて宇多田ヒカルをオファーできなかったから、大した作品にも出演していない若い娘を呼んだんだな》
《どうせ金を払うんだったら、もっとビッグスターの木村拓哉に来てもらった方がいいんじゃないか》
さらにKoki,にとって、より深刻なのが香港を取り巻く政治情勢だ。
「2020年に国家安全維持法が施行されて以来、香港政府は市民のデモや抗議活動に対し、警察を使って力ずくで弾圧。中国共産党に追従して香港の中国化を推し進めてきました。そうした香港政府のPR動画のオファーを、Koki,が受けたこと自体を批判するコメントも散見されます」(角脇氏)
反日世論を展開する愛国者だけでなく、政府に反感を持つ市民からもバッシングを受けたかたちのKoki,。いわば流れ弾を受けた格好で、彼女自身に落ち度はなさそうな今回の騒動だが――。
では、今後Koki,が中華圏でブレイクする可能性はあるのだろうか。日本語堪能で、日本の芸能事情にも詳しい香港の映画コラムニスト・劉蘭(リュウラン)氏が語る。
「父親の木村拓哉さんは香港でよく知られており、今も絶大な人気を誇ります。直近の映画『『グランメゾン・パリ』は、香港では大きなヒットには至りませんでしたが……。母親の工藤静香さんも非常に知名度が高く、香港でもJ-Popアイドル黄金期を代表する存在として広く知られています。
ではKoki,さんはというと、中華圏でもまずは “木村拓哉と工藤静香の娘” として認知されています。
中国版『X』と言われるウェイボーでは95.4万人のフォロワーを持ち、Koki,さんも撮影現場のオフショットなどをこまめにアップ。コメント欄には、ファンから『キレイ!』『お母さんの美しさを引き継いでいるね』などと、賞賛の声がたくさん寄せられています。
中国のファッション雑誌でも表紙に登場し、Koki,さん自身、中華圏へのさらなる進出も視野に入れているのが窺えます。そこに香港観光局も目をつけて、今回の起用に至ったのでしょう。
とはいえ、中華圏でのネットニュースでも『木村拓哉の娘のKoki,が…』と報じられることがほとんど。年齢に不釣り合いな高級ブランドのアンバサダーを務めるなど、親の七光りならぬ “14光り” がちらつく仕事が多い印象です」
いまだに二世タレントという位置づけだのKoki,だが、お手本にすべきタレントがいるという。
「中国でも人気のアニメ『チェンソーマン』のエンディング曲『ちゅ、多様性。』を歌ってブレイクしたあのちゃんを例にとると、香港では “ano” と呼ばれ、人気が高まっています。
彼女は昨年12月、香港マクドナルドの『マックグリドル』のCMにも起用されるなど、子供から大人まで知られる人気者。これは実績があって、人気と知名度をアップしたパターンと言えるでしょう。
Koki,さんも、主役にこだわらず演技を磨き、実績を積み上げる。CMやPR活動では、もう少し同年代が親しみやすさを感じる路線に変更したほうが、中華圏の若者の人気が上がると思われます」(劉蘭氏)
今回は単なる観光PR動画で思わぬケチがついたKoki,。ポテンシャルは抜群なだけに、慎重な仕事選びが中華圏でのブレイクの鍵となりそうだ。