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ルパン三世、ダークな魅力の秘密は「色気を感じる低い声」…声優・栗田貫一が明かした「30年の極意」

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記事投稿日:2025.06.21 06:00 最終更新日:2025.06.21 07:32
出典元: SmartFLASH
著者: 『FLASH』編集部
ルパン三世、ダークな魅力の秘密は「色気を感じる低い声」…声優・栗田貫一が明かした「30年の極意」

ルパン三世愛用の銃・ワルサーP38を構える栗田貫一(写真・福田ヨシツグ、2025年)

 

 30年ぶりに2Dの劇場版アニメとして6月27日に公開される劇場版『LUPIN THE IIIRD THE MOVIE 不死身の血族』の前日譚である『LUPIN THE IIIRD 銭形と2人のルパン』の配信が、6月20日よりスタートする。

 

 極寒の地、ロビエト連邦で発生した空港爆破テロ。容疑者として浮かび上がったのはまさかのルパン三世だった。だが、銭形警部が追いつめたもう一人のルパンは、自分は無実だと主張する。正義を貫く銭形警部は、謎に包まれた “偽ルパン” と対峙することになり、新たな爆破テロに巻き込まれていくというストーリーだ。監督は、2014年より『LUPIN THE IIIRD』を手掛けてきた小池健が担当する。

 

 

 そこで、今年でルパン三世の声を担当して30年となる栗田貫一に、配信作品『LUPIN THE IIIRD 銭形と2人のルパン』について、ルパン三世の魅力について話を聞いた。

 

 6月20日から配信される『LUPIN THE IIIRD 銭形と2人のルパン』の主人公は銭形警部。慣れ親しんできた “銭形のとっつあん” とは違い、シブすぎるぐらいの銭形警部に仕上がっている。

 

「納谷(悟朗)さんの時代に、カッコいいんだけど、どこか格好悪いところもある銭形警部を作り上げてこられたと思うんですね。今作ではそれとはまったく違う銭形を描いています。だから、ハードボイルドというか、リアルな人間の銭形警部を観たような気がしました。

 

 僕は、小池健監督が作る “小池ルパン” は、まったく別の世界の作品だと思ってやっています。だから、不二子に『ちゃ〜ん』はつけないし、銭形警部のことを『とっつあん』とは呼ばない。『ルパン三世』とはまったく違う『LUPIN THE IIIRD』なんです」

 

 本作のルパンは、ちょっとおちゃらけたキャラのアニメシリーズとは違い、ダークな魅力を持ったルパンとなっている。そんなルパンを演じるために、栗田が大切にしていることがあるという。

 

「以前、山本沙代さんが『LUPIN the Third~峰不二子という女~』(2012年)という作品を作られて。その作品をやらせていただいたときに、山本さんが『悪いルパンの声が “ものすごく感じる”』とおっしゃって、『そっちのルパンをやって』とリクエストされたんです。

 

 そのときはあまり意味がわからなかったんですが、悪いルパンの声のほうがシブいというか、女性は色気を感じるのかと。それ以来、悪いルパンを演じるときは、ピアノで言うと低い鍵盤で弾けるようなテイストの声を出しています」

 

 山田康雄さんに代わり、栗田がルパンの声を初めて担当した映画『ルパン三世 くたばれ!ノストラダムス』(1995年)が公開されて、今年でちょうど30年を迎える。ルパンを演じてきた栗田は、「いちばん大変だったのは “普通の山田さん” がわからなかったこと」だと振り返る。

 

「言ってみれば、僕は山田さんがやっていらした役のものまねしかやったことがないんですよね。ルパンの『ふ〜じこちゃ〜ん』みたいにおちゃらけている感じと、『ダーティー・ハリー』のクリント・イーストウッドさん演じたハリー・キャラハン刑事の声しか真似してないわけです。

 

 だから、山田さんの普通の声がわからないんです。しかも、納谷さんや(小林)清志さんが相手だと思うから、なおさら普通に言えないところもあったんですね。特徴を出さなきゃいけないのがものまねの性だから、“普通のルパンって何?” ってなっちゃって。

 

 結局、山田さんっぽいものを並べて、パッチワークみたいなものしか作れなかったような気がします。普通のルパンの声。それがいちばん大変だった部分ですね」

 

『ルパン三世』がはじめてアニメで放送されたのが1971年。ルパンは半世紀以上もの間、日本中から愛され続けているキャラクターだ。そんなルパンの魅力を、栗田は愛情たっぷりにこう語る。

 

「ルパン、次元(大介)、(石川)五ェ門、(峰)不二子、銭形警部とレギュラー陣5人全員が、全部違う魅力を持って作られています。『スパイ大作戦』や『ミッション・インポッシブル』もそうですが、作品の魅力はチームワークですよね。

 

『ミッション・インポッシブル』でも、トム・クルーズだけが主人公になるのではなくて、彼を助けるメンバーやいろんな武器があって、あの映画が出来上がっているのだと思うんです。

 

『ルパン三世』も、ルパンだけがカッコいいのではなくて、みんなの力が合わさって解決していく。観る人によってルパンがチャラく見えたり、格好よく見えたり、あるいは不二子がきれいに見えたり。それでいいと思うんです。

 

 だから、ルパンの魅力はやっぱり総合力。絵の深さや、セリフの重さとか素敵な言葉とか。そういうものが三つ巴でできている作品だと思います。

 

『007』と『ミッション・インポッシブル』と『ルパン三世』は、イントロがかかっただけで、絵が想像できる作品。これからもそんな作品でありたいと思いますね。願わくば配役は変えてほしくないです(笑)」

 

 栗田が演じるルパンも、はや30年。栗田にとってルパンは “永遠のヒーロー” のような存在なのだ。

 

写真・福田ヨシツグ

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