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【酷暑万博】日向は44度、「クールスポット」大屋根リング下でも35度…“灼熱”の会場であえぐ夏休みの子どもたち

日向では脅威の44度超を記録。遠くに見えるミャクミャクが陽炎のように歪んで見えそうだ(写真・馬詰雅浩)
「もう無理~」
「帰りたいよ~」
こんな子どもたちの声が、あちこちから聞こえてくる……。
各地で、連日の酷暑が伝えられる日本。涼しいはずの北海道ですら、北見市で39度、帯広市で38.8度を記録し、観測史上最高気温が更新されている。
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それは、開幕から4カ月近く経った大阪・関西万博の会場も変わらないようだ。7月25日、“酷暑万博”と化した夢洲(ゆめしま)訪れると……。現地記者がレポートする。
「会場内には、無料給水所が設置されているので、水分補給にはそこまで困りません。久しぶりに万博会場を訪れましたが、驚いたのは日傘の利用者。大半の来場者が日傘を差していました。
暑さのせいか、高齢者の姿は前よりも減り、家族連れが多い印象でした」
夏休みシーズンということもあり、子どもの声も多く聞こえた。しかし、なかには暑さにやられてしまった子どももいたようだ。
「万博の象徴、大屋根リングの下では、地面に座り込んだり、寝込んだりしてしまう子どもたちの姿を多く見かけました。なかには、大人がベンチで横になっていることも。屋根のないところでは、やはり気温が高く過酷な環境です。みな疲弊していました」
会場内には、30台ほどのミスト扇風機が設置されている。だが、その前で立ち止まる人はほとんどいない様子だ。
「扇風機の前に立ってみましたが、涼しさはあまり感じられませんでした。むなしく動いている扇風機を多数、見かけましたよ。
ほかにも、休憩所としてEVバスが2台設置されています。車内は、段差をなくしたフルフラットの床で、冷房が効いた車内でゆっくりと休むことができるとされています。ただ、訪れてみると車内はぎゅうぎゅう詰め……。とても“ゆっくり休憩”などという雰囲気ではありませんでした」
首にかけられるネッククーラーが会場内で販売されているが、サイズによっては4000円を超すものもあるなど高額。コンビニでは同じようなものが半額程度で売られているためか、購入者はあまり見かけない。
行き届いているとは言い難い様子の、万博会場の猛暑対策。実際の気温はどれほどなのか。
「この日の大阪市の最高気温は35.7度。ところが、会場の日向で温度を測ってみると、44度もあったんです。地面からの照り返しなどで、ここまでの温度になってしまっているのでしょう。
万博のホームページには『恰好のクールスポット』と記載されている大屋根リング下でも、36度もあります。実際は風もあって、体感ではそこまでの高温には感じませんでしたが、それでもやはり暑いことには間違いありません。
また喫煙所は、四方が壁に囲まれているため風がなく、43度。涼しいと言われていた大屋根リング上でも43度ありました」
さらに、日向にあるベンチでも46度、竹製のベンチでは50度を観測した。これではとてもひと休みはできなさそうだ。
「路面の材質によっては、座れないほど熱せられたベンチもありしていました。これから8月に向けてさらに暑くなるとすれば、心配です」
数十分おきに「熱中症に注意して下さい」のアナウンスが流れる万博会場。6月末に来場者数1000万人を突破したが、この暑さは今後の客足にどう影響するのか……。