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『僕達はまだその星の校則を知らない』注目は稲垣吾郎と磯村勇斗のからみだけじゃない…生徒の「高純度の友情」にも感嘆

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記事投稿日:2025.08.04 11:00 最終更新日:2025.08.04 12:33
出典元: SmartFLASH
著者: 堺屋大地
『僕達はまだその星の校則を知らない』注目は稲垣吾郎と磯村勇斗のからみだけじゃない…生徒の「高純度の友情」にも感嘆

稲垣吾郎

 

 やっぱり元SMAPは伊達じゃない。稲垣吾郎には華がある。ちょっと似た雰囲気を持つ磯村勇斗との共演で改めてそう感じさせられた。

 

 磯村勇斗の民放連ドラ初主演作として話題の『僕達はまだその星の校則を知らない』(フジテレビ系)。7月28日(月)に第3話まで放送されている。

 

■稲垣吾郎はSMAP解散以来、約9年ぶりの民放連ドラ出演

 

 舞台は男子校と女子校が合併し、共学化したばかりで揺れている私立高校。

 

 

 幼少期から独特な感性を持ち、マイペースな性格ゆえに集団行動になじめず、不登校になった過去がある弁護士・白鳥健治(磯村勇斗)は、「スクールロイヤー」としてその高校に赴任することに。

 

 スクールロイヤーとは、いじめ、不登校、保護者対応など学校内で発生する問題に対して、法律にもとづいた助言や指導をおこなう弁護士。健治は学校嫌いだったものの、教師と連携しつつ生徒たちと関わっていく。

 

 そして、「学院の保身と繁栄が第一」というスタンスの理事長を演じているのが稲垣吾郎。健治は争いを好むタイプではないものの、考え方の違いでたびたび理事長と対立することになる。

 

 SMAP解散後、稲垣はNHKのドラマには何度か出演しているが、民放連ドラに出演するのは解散してから初めてで、約9年ぶりだそう。

 

 そのため、稲垣吾郎の演技を久しぶりに観たという視聴者も多いだろうが、改めて彼のスター性には感嘆させられる。ビジュアルもほとんど昔と変わっておらず、SMAP時代のファンががっかりするなんてこともないだろう。彼の “不変ビジュ” だけでも一見の価値ありだ。

 

 そんな稲垣演じる理事長の登場シーンは少なめだが、そのぶん、登場するときは重要シーンとなっていることが多いので、印象に残るキャラクター。

 

 理事長はいまのところラスボス感を漂わせているが、公式サイトの人物紹介には《経営者として「学院の保身と繁栄が第一」とらつ腕をふるいたいものの、時々、本来のよい教師を目指していた中学教師時代の自分の思いと葛藤し、苦悩する》と記されている。

 

 要するに “実はいい人” キャラであることを、公式がすでに明かしているのだ。

 

 しかも、健治は父親(光石研)と確執があっていまは疎遠なのだが、その父は公立中学校の校長。理事長は過去に健治の父となんらかの関係があったようなので、健治との確執があるように、理事長とも確執があるのではないか。

 

 もしかすると、健治と理事長は似たような経験をしているのかもしれないが、通じ合える部分がありそうだ。

 

 そういえば、磯村と稲垣は両者ともナイーブな雰囲気をまとい、インテリジェンスを感じさせるタイプの役者なので、どこか似ている。磯村演じる健治と稲垣演じる理事長が今後どう絡んでいくのか見もの。共通点のある2人のシナジーに期待したい。

 

■「“男女” の友情」という表現も失礼なほどの高純度な友情

 

 今のところ対立している健治と理事長の関係性も気になるところだが、筆者が個人的にもっとも注目しているのが、男子校から来た生徒会長と女子校から来た副会長の関係性。

 

 この2人の友情がめっちゃいい。恋愛になんてならず、性別を超えた信頼関係がとても尊いのだ。

 

 演じているのはまだ知名度は高くない若手俳優。坊主頭の柔道部員、曲がったことが嫌いな実直すぎる性格の生徒会長を日高由起刀。薄茶髪ロングの弓道部員、凛々しくてかっこいいと後輩女子から人気の副会長を南琴奈。

 

 この2人のエピソードは第1話で描かれた。

 

 合併時に生徒会長の座を争っていたこともあり、かつては不仲でよく衝突もする間柄だったようだ。

 

 とある問題が発生したのは、共学体制がスタートしてから。

 

 女子校時代の制服はスカートだったが、共学化によって女子もスラックス着用OKとなったので、副会長はスラックスを穿いていた。暖かそうといった単純な理由以外に特に意味はなく、「ただ穿いてみたいから穿いただけ」だったものの、ジェンダー的な深い意味があるのではと周囲から勘繰られてしまう。

 

 全校朝礼ではスラックス姿の副会長が注目を集めるが、なんと次に坊主頭の会長がスカート姿で登壇したのだ。

 

 会長は後日、その理由を「俺はスカートが穿きたかったわけじゃない。ただ、アイツの味方でいたかった。お前は一人じゃないんだぞ、って」と語る。……かっこよすぎる。

 

 実は、以前は仲が悪かった2人だが、共学化に向けてめんどうな仕事を一緒にこなしていくうちに連帯感が生まれ、戦友のような感覚を抱いていたようだ。

 

 女性教師(堀田真由)が生徒会長に「ひょっとして……恋?」と尋ねるも、間髪入れずに「あくまで同級生として」と即答していたのもすがすがしい。

 

 現実社会にも、男女のペアを見るとなんでもかんでも恋愛に結びつけようとする人々は一定数いるが、“もうその安直な発想は古いんだよ” と釘を刺すようなエピソード。

 

「“男女” の友情」とわざわざ性差を強調するのも失礼に感じるほど、高純度の友情を見せつけられた感があった。

 

 筆者は恋愛コラムニストという肩書きだし、もちろん恋愛ドラマも好きなジャンルだが、この2人に関しては恋愛ではなく友情として描いたのが絶対的な大正解。この第1話は彼らを主人公とした単独作品として、映画化してもいいんじゃないかと思えるほど傑出していた。

 

 さて、先週放送の第3話では、健治と生徒たちが協力して廃部になっていた天文部を復活させるという縦軸のストーリーが展開されており、そのメンバーに生徒会長・副会長も加わっている。

 

 今後もまだまだ会長&副会長の出番はありそうなので、健治&理事長の関係性とともに注目していきたい。第4話は今夜放送だ。

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