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松本潤『19番目のカルテ』バズッてなくても良質ドラマ…ネットであまり話題にならない理由とは

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記事投稿日:2025.08.17 11:00 最終更新日:2025.08.17 12:33
出典元: SmartFLASH
著者: 堺屋大地
松本潤『19番目のカルテ』バズッてなくても良質ドラマ…ネットであまり話題にならない理由とは

松本潤

 

日曜劇場」×「嵐・松本潤主演」というパワーコンテンツなのに、ネット上ではそこまで話題が盛り上がっていない『19番目のカルテ』(TBS系、「日曜劇場」作品は以下同)。もしや、あまり人気がない……?

 

 松本演じる主人公は、ある総合病院に新設された「総合診療科」の医師・徳重晃。

 

 

 日本の医療業界は高度に発展しており、脳外科、眼科、整形外科など18の専門分野に分けられているが、複雑な症状でどの診療科に受診すればいいかわからない患者がいたり、各科をたらいまわしにされてしまう患者がいたりと、課題も多かったそう。

 

 そんな問題を解決するために誕生したのが、19番目の新領域として加わった総合診療科。臓器、性別、年齢にかかわらず患者を受け入れ、徳重たちが時間をかけて丁寧に向き合う問診によって、病名や治療法を見つけ出していくというストーリーだ。

 

■高視聴率だがXやTVerではそこそこレベル

 

 8月10日(日)に第4話まで放送されており、世帯平均視聴率(ビデオリサーチ調べ/関東地区)は初回11.4%と好スタートを切り、その後も第2話11.6%、第3話10.0%、第4話10.3%と二桁キープで上々の数値。

 

 けれど近年は、リアタイ視聴を計測する視聴率のみでドラマの成否を決めるのは時代遅れという風潮があり、ネット上で話題になって視聴者が盛り上がっているかどうかもヒットの目安になっている。

 

『19番目のカルテ』は、Xの世界トレンド1位を取ったとか、TVerの再生回数で記録更新したといったことはないので、「高視聴率だが実態はあまり人気がないのでは?」なんて、うがった見方もできるのだ。

 

 しかし、結論を言うと、『19番目のカルテ』はネットでバズりにくい性質の作品のため、「バズッてないから不人気」ということはなく、良質なドラマとしてヒットしていると考えられる。

 

■実は最近の「日曜劇場」は考察要素が多い

 

『19番目のカルテ』がバズりにくい理由として真っ先にあげられるのは、考察要素がほとんどないということ。実は、ここ最近の「日曜劇場」は考察要素が色濃いドラマばかり。

 

「日曜劇場」をさかのぼっていくと、今年4月期『キャスター』、今年1月期『御上先生』、昨年10月期『海に眠るダイヤモンド』、昨年7月期『ブラックペアン(シーズン2)』、昨年4月期『アンチヒーロー』と、5作連続で考察要素が多分にある作品が続いていた。

 

 2024年1月期の『さよならマエストロ ~父と私のアパッシオナート~』がようやく考察要素が薄い作品で、その間はずっと考察系で占められていたことになる。

 

 多くの伏線が散りばめられ、謎が謎を呼ぶ展開の考察要素は、Xなどで話題になりやすいのは言うまでもない。2023年7月期の『VIVANT』もまさに考察系ドラマとして視聴者の熱狂を生み出し、社会現象を巻き起こしたのも記憶に新しいところだ。

 

 このように「日曜劇場」では考察系が流行っているのだが、『19番目のカルテ』はあえてバズりやすい考察要素を捨てて、ヒューマンドラマとしてのストーリーで純粋に勝負しているのである。

 

■良質ドラマはあまりネットで話題にならない?

 

 もちろん考察要素がないとネットでバズらないというわけでもない。

 

 例をあげると、「日曜劇場」ではないが2022年10月期の『silent』(フジテレビ系)は、考察系ではない純愛ドラマで大ヒット。Twitter(現X)の世界トレンド1位を何度も獲得し、TVerの再生回数記録も更新しまくっていた。

 

 考察要素はなくても視聴者の感動や共感を多く集めれば、バズるということを『silent』が証明しているため、『19番目のカルテ』はいまのところそこまで大絶賛される内容ではないのだろう。

 

 ただ、そもそもネットでバズることが必ずしも正解とは限らない。ストーリーが突拍子もなくて酷評されたり、登場人物の言動がツッコミどころ満載だったりすると、炎上のような形でバズることも珍しくないからだ。

 

 それゆえに、作品としてきれいにまとまっている良質なドラマは、あまりネットで話題にならないことはままあるケース。『19番目のカルテ』はそういうタイプなのである。

 

■「バズること」は手段であって目的ではない

 

 ネットで大きく話題になったほうがヒットはしやすくなるのだろうが、ドラマにおいて「バズること」は手段であって目的ではない。

 

 ネットでバズれば、まだ視聴していない層に認知してもらえたり興味を引いたりできるため、途中回からでも追っかけ視聴してくれる人が出てくるかもしれない。

 

 ただ、ドラマの目的はやはり、作品自体で楽しんでもらうことや感動してもらうことなので、けっきょくは観てもらってなんぼ。バズッたとしても、多くの人におもしろいと思ってもらえなくては意味がないだろう。

 

 第4話終了時点の空気感で言えば、『19番目のカルテ』は社会現象を巻き起こすほどの大ヒット作にはならなそう。しかし、ネットでさほど話題になっていないからといって人気がないわけではなく、上手に作られた良質ドラマとして多くのファンを獲得しているに違いない。

 

 今夜放送の第5話もファンは心待ちにしているはずだ。

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