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マドンナが愛する日本の便座、シンディ・ローパーはチー鱈で新幹線移動【海外アーティスト「ぶっとび」来日秘話】

マドンナ(67)/2005年12月、12年ぶりに来日会見を開催。30分を超える質疑応答にも上機嫌で対応した(写真・長谷川 新)
「日本ではある程度自由がきくし、治安もよくて一人で出歩ける。料理もどこに行っても安くて美味しい。だからみんな、ワールドツアーのときには必ず日本に行きたがるんですよ」
日本ほど海外の大物アーティストが来たがる国はないと、元招聘スタッフは話す。
今年も9月にスティング(73)、10月にマライア・キャリー(56)が来日するなど、年末年始に向けて数多くの大物が日本でコンサートをおこなう予定だ。そこで今回、プロモーターや音楽業界関係者、大手広告代理店関係者らに聞いた、超有名海外アーティストの来日時の規格外エピソードをいくつか紹介しよう。
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■テイラー・スウィフトはステーキをぺろり
まずは、8月26日にNFLのスター、トラビス・ケルシー選手と婚約したテイラー・スウィフト。彼女は2010年の初来日時は、空港から渋谷109へ直行し、ショッピングをエンジョイした。
「ヤンキーガールなだけあって、お昼は『お肉が食べたいわ』と、『アウトバックステーキハウス』でアンガスステーキ300gとデザートをペロリ。その後も来日するたびに、食事はステーキが定番となり、2012年には鉄板焼き『ahill azabu』でステーキと焼き野菜を堪能していました。焼き加減は、以前はウェルダンでしたが、最近はベリー・レアで食べています」(プロモーター)
■ビリー・アイリッシュはアニメ好き
グラミー賞主要4部門を含む5部門で最年少受賞記録を持つビリー・アイリッシュ(23)は、今年8月に日本公演をおこなった。
「彼女はふだんから親日ぶりが窺える言動が多いが、日本のアニメがとにかく大好き。特にジブリ作品の大ファンで、『千と千尋の神隠し』と『となりのトトロ』については、『まさに今の私を作った映画』と熱く語っていました」(プロモーター)
■エリック・クラプトンが駄々をこねた理由は
海外アーティスト最多の110回という日本武道館での公演記録を持つロックのカリスマ、エリック・クラプトン(80)。今年4月に来日公演をおこなった。
「1988年の来日時、鈴鹿サーキットのF1日本グランプリを観に行きたいと駄々をこねたんです。ところが、直前すぎてチケットも移動手段もない。当時、レーシングチームを持っていたレイトンハウスがヘリコプターを持っていると聞きつけるや、『公演のチケットを10枚あげるからヘリで鈴鹿に連れて行って』と頼んで交渉成立。
鈴鹿で念願のパスをもらったクラプトンが各ピットをまわっていると、『クラプトンが来ている!』とアイルトン・セナをはじめ世界の有名レーサーが列をなして記念写真とサインをせがみ、大騒ぎになりました」(当時のスタッフ)
■リッチー・ブラックモアは紳士
伝説のバンド「Deep Purple」などで名を馳せたギターのカリスマ、リッチー・ブラックモア(80)。
「1984年の大阪公演終了後、『マルコポーロ・バー』で食事をし、店から出ると若い女のコにサインをせがまれたんです。 “お持ち帰り” も可能だったのですが、リッチーの口から出た言葉は『こんな遅い時間まで、君みたいな若い女のコが俺みたいなおっさんを待ってちゃいけないよ。早くお家に帰りなさい』。サインをして颯爽と店を後にしました」(プロモーター)
■いったん入国拒否されたKISS
1977年のKISSの初来日。羽田空港に出迎えに行った担当者が驚いたのは、パンアメリカン機のロゴの隣にKISSのロゴが並んでいたことだ。
「彼らはメイクをしてから降りて来たのですが、入国審査でパスポートの写真と同一人物か確認できないと “入国拒否” 。仕方なくメイクを落として入国手続きをすませ、再び機内でメイクしたんです。その間約3時間、ファンは待ち続けていて、彼らを乗せたリンカーンが通りかかると黒山の人だかりができていました」(プロモーター)
■マドンナは突然の早朝ジョギングを要望
マドンナは「1987年の初来日時がいちばん大変だった」と、プロモーターは振り返る。
「朝6時ごろ部屋の電話が鳴り、マドンナが『ジョギングに行きたいから車を用意して!』と言うんです。慌ててハイヤーを用意して通用口で待っていると、本人がジョギングをする格好で部屋から出てきました。
その後、ハイヤーに乗りこんだのですが、しばらく走って急停車させると、彼女は車から降りてあっという間に走り去ってしまいました(苦笑)」
それから19年後の2006年の来日時の第一声は、「あったかい日本の便座が懐かしいわ」だったという。
「天衣無縫(てんいむほう)ぶりは相変わらずで、銀座三越にある化粧品店を電撃訪問してサインしたり、表参道の『ヨウジヤマモト』で棚ごと洋服を買い占めたり。家族を連れてプライベートでも来日したり、日本人シェフをロンドンの自宅で雇ったり、なんだかんだ日本が大好きなんです」(同前)
■デヴィッド・ボウイは一日三度も喫茶店に
京都が大のお気に入りだったデヴィッド・ボウイ。老舗旅館に滞在し、散歩がてら喫茶店「ロリーポップ」に多いときは一日に三度もコーヒーを飲みに行っていたという。
「とても気さくな方でした。店では、近所の中学生の宿題を教えてあげたりしていたんです」(プロモーター)
彼が足繁く通っていた地元のライブハウスでは、
「全然有名じゃない地元のアマチュアバンドの演奏に、静かに耳を傾けていた」(プロモーター)という。
また、焼酎のCMに出演したときのこと。撮影場所の洛北・西賀茂の「正伝寺」は、彼自身の希望だった。
「撮影中、庭園を寡黙に見つめながらボウイさんは涙を浮かべていらっしゃいました。私には世界的なロックスターというよりは “求道者” に見えました」(広告代理店関係者)
■シンディ・ローパーの新幹線の旅のお供は
大の親日家のシンディ・ローパーは2011年、東日本大震災直後にもかかわらず予定どおり来日し、チャリティ公演を開催し、観客を激励した。それまでもプライベートでたびたび来日し、日本各地を転々。新幹線の旅のお供は、冷やの日本酒とスルメが定番だ。
「同年の大阪公演の後、ホテルのバーでおこなわれた打ち上げで彼女がリクエストしたのは、さきいかと枝豆。枝豆がなかったため、チーズ鱈と柿の種を差し出すと『魚とチーズが一緒って、なんてアメージングなの』と、いたく気に入っていました。
さきいかを炙ってあげると、『できればたっぷりの七味とマヨネーズと醤油でね』と。スタッフにも『飲んでる? 足りないんじゃない?』と気を使っていました」(プロモーター)
■ブルーノ・マーズが好きなAKB48の名曲
昨年1月、東京ドーム連続7日間単独公演を完売させたブルーノ・マーズ。ステージでは連日AKB48の『ヘビーローテーション』を日本語で披露した。ブルーノは、公演後も東京・港区のクラブ「1OAK TOKYO」を自腹で借り切り、打ち上げをおこなったという。
「打ち上げだけじゃなく、公演の間も渋谷の街に自ら繰り出してはラーメン、寿司、うどん、バーをはしご。大はしゃぎで “ナルト走り” まで披露していました」(広告代理店関係者)
気をよくしたブルーノは、なんと「ドン・キホーテ」のCMにも出演。コラボ商品まで発売した。
■レディー・ガガが必ず行く店は?
レディー・ガガは来日すると必ず行くのが、渋谷の「MEGAドンキ」だ。
「美容関連から日用品まで、大量のお買い上げで会計に30分近くかかっていました(苦笑)。日本食は『しゃぶしゃぶ』が大好きで、わざわざ正体を隠してまで食べに行くほどです」(プロモーター)
■カニエ・ウェスト、一時は東京移住説も
今年のグラミー賞の授賞式では半裸の妻を帯同。さらに、SNSなどでナチスを礼賛して物議を醸したカニエ・ウェスト。
「マスコミに取り囲まれ、ロスにいられなくなった彼の避難先が東京でした」(音楽関係者)
じつは、彼は昨年9月からクリスマス前までの3カ月間、お忍びで東京に滞在していた。
「渋谷百軒店にあるジャマイカ料理店に、同じ日に昼夜2回も現われて店員を驚かせていました。一時は自家用機も持っていたカニエですが、成田ではエコノミーシートにバスローブ姿で妻のビアンカ・センソリさんと並んで座っている写真が同乗者にSNSで投稿され、物議を醸しました。マリブにある安藤忠雄設計の自宅も売りに出しているので、本当にお金がないのかもしれません。
一時は東京移住説も囁かれましたが、実際には賃貸で借りているようです。今年予定していた東京ドーム公演は計画倒れに終わったようですが、日本も自身のブランドの拠点にしたいらしく、会社の東京支店を設立したようです」(音楽業界関係者)
■ジャスティン・ビーバーは、即興でミニライブ
ジャスティン・ビーバーは、東京・原宿に自身のブランド「drew house」を期間限定で出店したときは、サプライズでショップのクマのキャラクターの着ぐるみを着て店舗前でアピール。最後に頭を取ってファンを喜ばせた。
「そのときは、彼のスタイリストから知り合いに電話がかかってきて、港区内の会員制レストランを紹介したそうです。イタリアンと寿司や天ぷらなどの和食が食べられるお店で、店の中央にグランドピアノが置いてあるのですが、ジャスティンはピアノを見つけるとはしゃいで弾き始めました。
即興で始まったミニライブに、居合わせた客は狂喜乱舞ですよね。笑ったのは、店の支配人がジャスティンを知らなかったこと。あとで何者かわかって、ずいぶんお礼を言われたそうです」(音楽業界関係者)
日本に居るとスターであることを忘れ、羽を伸ばしてしまうアーティストも少なくないようだ。