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『DOPE 麻薬取締部特捜課』髙橋海人の “神降臨” にドン引き…安っぽいCGに緩慢なアクション、最終話はがっかりの連続【ネタバレあり】

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記事投稿日:2025.09.06 14:00 最終更新日:2025.09.06 15:32
出典元: SmartFLASH
著者: 堺屋大地
『DOPE 麻薬取締部特捜課』髙橋海人の “神降臨” にドン引き…安っぽいCGに緩慢なアクション、最終話はがっかりの連続【ネタバレあり】

髙橋海人

 

 ドラマ序盤はこれからどんな物語になっていくのかとワクワクして期待値が高かった。しかし、最終話を観終えて感想を一言でまとめるなら「がっかりした」になる。

 

 King & Prince・髙橋海人×中村倫也のダブル主演作『DOPE 麻薬取締部特捜課』(TBS系)のことだ。9月5日(金)に最終話(第10話)が放送され完結した。

 

 舞台は謎に包まれた新型ドラッグ「DOPE」が蔓延している近未来の日本。

 

 DOPEは高い致死率にもかかわらず、服用するとまれに特殊な異能力を覚醒させるため、手を出す者があとを絶たない。異能力とは平たく言うと、SFアクション作品の設定によくある超能力のことだと考えて差し支えないだろう。

 

 DOPEで異能力を手に入れた者をドーパーと呼ぶが、ドーパーによる凶悪犯罪が急増したため、厚生労働省の麻薬取締部は、“異能力には異能力を” ということで、生まれながらに異能力を持った人材を集め、特殊捜査課(特捜課)を設立。そして特捜課では、「未来予知」能力を持つ新人・才木優人(髙橋)と、「超視覚」能力を持つ先輩・陣内鉄平(中村)がバディを組み、さまざまなドーパー犯罪に立ち向かっていた。

 

 ここからは最終話まで観たうえで、筆者が特にがっかりしたポイントを3つ紹介していきたい。

 

 

■【ネタバレあり】最後まで “ちゃちい” バトルシーン

 

 がっかりポイントとしてまずあげたいのは、バトルシーンが最後の最後までとにかく “ちゃちい” こと。

 

 ドーパーたちは手から炎を出す者や電撃を放つ者、目にも止まらぬ超スピードで走る者などがおり、そんなドーパーたちとのバトルシーンは本作を語るうえで欠かせない要素だった。

 

 ただし、特撮作品未満に思える安っぽいCGと、キレがよくない俳優たちのアクションで、子ども騙しもいいところ。それは最終話でも変わっておらず、犯罪シンジケート「白鴉(ハクア)」のジウ(井浦新)に才木と陣内が立ち向かうラストバトルも、チープで観ていられなかった。

 

 比較するのも失礼かもしれないが、子ども向け特撮作品である『仮面ライダー』シリーズのCGやアクションのほうが、よっぽどクオリティが高く、見ごたえがある。

 

『仮面ライダー』などの特撮作品は、ヒーローに変身後は身体能力が高くアクションに秀でたスーツアクターが演じるので、動きのキレがいい。

 

 それに対し、アラフィフの井浦新やアラフォーの中村倫也は年齢的にしんどそうだし、特捜課メンバーを演じた新木優子もアクションシーンの見せ場が多かったものの、動きがとても緩慢でひどかったのだ。

 

■【ネタバレあり】井浦新のナルシストキャラが恥ずい

 

 お次のがっかりポイントは、「演技巧者の井浦新にこんなキャラをやらせるなよ」と思ってしまうほど、ジウが陳腐なテンプレキャラすぎたこと。ジウはアニメでよくいる “サイコパス・ナルシストキャラ” でしかなかったのだ。

 

 そもそもの話をすると、ジウは第1話から得体の知れない謎多き存在で、DOPEをばらまいてドーパーを次々と生み出していたため、ラスボス然としてるキャラクターだった。ただ逆に、あまりにも怪しい言動が多かったので、まさかこのまま黒幕にはならないだろうと思っていた。

 

 ジウが最後の敵ではあまりにミエミエだし安直すぎるので、途中で死亡するなどして退場し、最終話は別の真の敵と対峙するのではと予想していた。けれど、どんでん返しもなく、そのままジウがラスボスだったため肩透かしを食ったのである。

 

 そしてジウというキャラクター自体もいまいちで、観ているこっちが恥ずかしくなるナルシスト系アニメキャラのような発言のオンパレード。

 

 最終話でジウの目的が明らかになったのだが、簡単に言うと、自分の異能力が万能かつ強力すぎるゆえに世界に絶望しており、自分を超える異能力者に殺してほしかったというもの。そんなジウは、真の力に覚醒した才木に次のセリフを語っていた。

 

「これが本当の才木優人……素晴らしい、素晴らしいぞぉ! やはりあなたは絶望のなかの唯一の希望だ。さぁ私を殺してくれ。永遠と続く絶望を終わらせてくれ」

 

 ……せっかく名優・井浦新をキャスティングしているのに、こんなアニメ界隈にごまんといるような、ありきたりな “サイコパス・ナルシストキャラ” をやらせるなよという怒りすら感じた。

 

■【ネタバレあり】髙橋海人が光をまといふわふわ浮き

 

 最後に紹介するがっかりポイントは、髙橋海人演じる才木にすべての物事が集約するストーリーになっており、もうなんだったら最後は神様みたいな演出までされていたこと。

 

 実は、未来予知は才木の異能力の片鱗でしかなく、ジウをも超える万能・強力な力を秘めていた模様。ジウは少年期の才木に出会った際に、彼が視線を向けるだけで生命を奪う異能力の持ち主だと気づき、その真の力を覚醒させるため、すべての事件を仕組んでいたのである。

 

 凄惨な無差別テロも、才木の家族に不幸が続いたことも、5億円盗難事件も、陣内の妻が殺されたことも、それにより陣内が復讐の鬼と化したことも、すべて才木が真の力を取り戻すためにジウが暗躍していたというのだ。

 

 そしてジウの思惑どおり、クライマックスで才木が真の力に目覚める。覚醒状態の才木の異能力は、もう “なんでも” できるというレベルで、最終的に才木とジウの決着がついたのは、才木によって作り出された2人だけしか存在しない真っ白な空間。

 

 劇中できちんと説明されていないため、それが精神世界なのか異空間なのかはわからないが、そこでの才木はオーラのような光をまといながら、ふわふわ浮いて登場。そう、“神降臨” 状態だった。

 

 ……この一連の演出に興ざめしたのは言わずもがなだ。

 

 ほかにも細かい部分でツッコミたいところが多々あったり、まるで伏線かのように違和感のあったシーンもけっきょくなんでもなかったりと、全体的に “雑” という印象が拭えなかった『DOPE 麻薬取締部特捜課』。題材がとても好みで期待していたゆえに、裏切られるようながっかり連続のドラマだった。

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