エンタメ・アイドル
香川照之「性加害報道」から3年、父の死から2年「歌舞伎」と「昆虫」に生きると誓うも見えてきた“本格復帰”の道

俳優で歌舞伎役者の香川照之(九代目市川中車)が、京都・南座で上演中の歌舞伎『流白浪燦星(るぱんさんせい)』に銭形刑部(銭形警部)役で出演している。
故・モンキー・パンチ氏が原作の『ルパン三世』を原作としたこの演目は、2023年12月に東京・新橋演舞場で新作歌舞伎として上演され、大好評を得た。そして、9月2日に初の関西公演が南座で初日を迎えた。
【関連記事:香川照之「やんちゃスタイル」のロン毛ヘアに…配信系ボクシング番組で狙う本格復帰】
芸能ライターが言う。
「この作品は舞台が京都ということもあって、東京以上に盛り上がりをみせています。市川中車さんは歌舞伎役者としてのキャリアは長くないのですが、演技は好評のようです」
香川の、銀座クラブホステスへの“性加害”を「週刊新潮」が報じたのは、いまから3年前の2022年8月のことだった。
「このとき、報じられたのは、2019年7月に起きた事態でした。ホステスと香川さんの間では示談が済んでいましたが、香川さんの暴挙を止めなかったとして、ホステスがクラブのママを相手どり、東京地裁に損害賠償請求の提訴をしたことからことが明るみに出ました。香川さんは金曜司会として出演していた情報番組『THE TIME,』(TBS系)で謝罪。その後、9月に入って司会を降板しました。CMも打ち切られ、出演予定だったドラマや映画も降板を余儀なくされました」(前出の芸能ライター)
テレビや映画、CMなどからは姿を消した香川だったが、2022年12月、歌舞伎座「十二月大歌舞伎」の昼の部「鞘當」に、歌舞伎役者・市川中車として復帰。騒動から1年後の2023年8月7日、香川は所属事務所を通じて《弊社所属の俳優、香川照之が昨年再婚し、一子をもうけましたことを報告させていただきます》と、一般女性と再婚したことを発表した。
騒動前の香川といえば、『香川照之の昆虫すごいぜ!』(NHK Eテレ)で『カマキリ先生』に扮し、昆虫について熱弁する姿が子どもたちにも人気だった。そうした状況のなかで、香川は2023年8月26日、自らが代表を務めていた会社、「ARANCIONE」のサイトで今後の活動について発表した。
「香川さんは、自分の命を何に捧げるのかを考えたうえで、ひとつは歌舞伎に、もうひとつは昆虫に捧げると誓いました。声明では『歌舞伎は、歌舞伎の家に生まれてきた私の宿命であると、人生の途中から一大決心し身を投げ打って自らを投じた家業』で、『私の何よりの使命』とコメント。
また、昆虫について、声明では『どんなに厳しい環境に置かれても不満をもらさず、力強く自分の生態を活かし適応させ、黙々とその生を立派に全うする姿に、この一年、どれだけ励まされ元気づけられた分かりません。引き続き、昆虫や昆虫を通した自然保護に関わり続けることで、幼いころから私の知的好奇心を育み、励まし続けてくれている昆虫たちに恩返しをしようと心に誓いました』とつづっていました」(前出・芸能ライター)
歌舞伎役者・三代目市川猿之助(のちに二代目市川猿翁)の息子として生まれた香川は、幼いころに両親が離婚。父とは離れ離れとなり、会うことも許されなかった。その後、香川は父への思慕を募らせるとともに、歌舞伎役者の“家業”を継げなかった悔しさを抱えて生きてきたことを、自著でつづっている。
その後、父子関係が修復し、2011年9月に香川の九代目市川中車、父の二代目市川猿翁、いとこの四代目市川猿之助の合同襲名披露会見では、父とともに8年ぶりに公の場に姿を現し、歌舞伎の世界に進出した。
しかし、いまからちょうど2年前の2023年9月13日に父・市川猿翁は不整脈のため83歳で亡くなった。
香川は2025年4月から放送された『連続ドラマW 災』(WOWOW)に出演。2022年7~9月に放送されたドラマ『六本木クラス』(テレビ朝日系)以来の3年ぶりのドラマ出演をはたし、俳優業への“本格復帰”も見え始めている。「歌舞伎」と「昆虫」以外にも、今後、香川の活躍の場は広がっていきそうだ。