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『ゴジラ』第1作に主演した宝田明「ギャラはほとんど剥奪(泣)」

エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2018.03.22 16:00 最終更新日:2018.03.22 16:00

『ゴジラ』第1作に主演した宝田明「ギャラはほとんど剥奪(泣)」

つのだよしお/アフロ

 

 俳優宝田明が、3月10日放送の『おぎやはぎの愛車遍歴』(BS日テレ)に出演。主演した映画ゴジラ』(1954年・シリーズ第1作)の舞台裏について語っていた。

 

 宝田が『ゴジラ』に起用されたのは、デビューの翌年、19歳のとき。番組で大抜擢の理由を聞かれ「東宝が魔が差した」と冗談を飛ばすも、「『背が高いし、1本目2本目は軽い役だったけど、あいつは小さなハードルをクリアした』と。(ゴジラは)新人でいこうということになったんでしょうかね」と振り返る。

 

 会社から「主役をさせてやる」と言われ、意気揚々と向かった宝田。だが、そこに置かれていたのは、真っ赤な背景に黒字で「ゴジラ」とだけ書かれた台本だった。

 

「これで『お前は主役だ』っていうから、『失礼ですけど “ゴジラ” ってなんですか?』って言って。『それはお前、ゴリラとクジラを足して2で割った言葉なんだ』と」

 

 宝田は困惑しつつも、主役が決まったことで浮かれたという。

 

「とにかくまあ、主役といえばポスターに名前はでかでかと出るし、ギャラも(たくさん)くれるだろうと。『主役をやらせてやる』って聞いて頭にひらめいたのが、これまで飲んでた焼き鳥屋とか居酒屋の借金がこれで払えるぞと」

 

 迎えた撮影初日。事情をよく知らない宝田が「新人の宝田明です。主役をさせていただきます」と挨拶した途端、「バカヤロー! お前が主役じゃない、ゴジラが主役だ!」と、照明の親方に怒鳴られてしまったという。

 

 宝田の悲劇はまだ続く。当時は免許を取りたてで車を持っていなかった。

 

「田中友幸っていう大プロデューサーが、『そろそろ車が必要になってくるから、俺が持ってる外車買わないか』と。『お金ないですよ』って言ったら『出演料から払え』って。ハイエナみたい(な話)」

 

 宝田によると『ゴジラ』の出演料は35万円。当時の大卒の国家公務員の初任給が、約8700円であるから、破格の金額だったが……。

 

「8割ぐらいその車代。本当にもうギャラを略奪された」

 

 番組で問題の車・ダッジ「コロネット」の写真が紹介されると、「田中友幸の顔がオーバーラップする」と恨みを語った宝田。名作の陰に隠れた知られざる逸話である。

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